寡婦年金はいくらもらえる?いつから、いつまでの期間もらえるのかも解説

更新日:2024.01.25

寡婦年金はいくらもらえる?いつから、いつまでの期間もらえるのかも解説

家族を支える大黒柱が亡くなった場合、遺族の生活を支えるための遺族年金が支給されます。

遺族年金には支給要件があり全ての人が受け取れるわけではありません。

しかし、遺族年金を受け取れないからといって諦める必要はないのです。

妻が受け取れる寡婦年金という年金があるからです。

今回は、寡婦年金とはどのようなものか知っていただくために、もらえる条件や支給期間、支給額などについて解説していきます。

1. そもそも寡婦年金とは?

寡婦年金と死亡一時金

家族を支える大黒柱がサラリーマンだった場合は、残された妻に遺族年金が支給されます。

しかし、自営業だった場合は18歳未満の子どもがいないと支給されません。

そうなると、残された妻は子どもの年齢によって金が支給されるまでの収入がゼロになる可能性もあります。

収入が途絶えてしまうと生活苦に陥ってしまう恐れもあるため、遺族年金を受け取れない妻に対して寡婦年金が支給されるのです。

では、寡婦年金をもらえる条件や支給期間、支給額についてみていきましょう。

1-1 寡婦年金をもらえる条件

寡婦年金を受け取るためには、死亡した夫、残された妻の双方が要件を全て満たさなければいけません。

夫側の要件

夫側の要件は、国民年金の第1号被保険者で保険料の納付済期間が10年以上だった、老齢基礎年金を受け取ったことがないもしくは障害基礎年金を受け取ったことがない、の2つです。

保険料の納付済期間は、免除期間も含まれます

 

妻側の要件

妻側の要件は、夫が亡くなった時点で60歳以上、夫の収入で生計を維持していた、婚姻期間が10年以上継続していた、老齢基礎年金を繰り上げ支給していない、の4つです。

婚姻に関しては、内縁や事実婚でも問題ありません。

1-2 寡婦年金の支給期間

寡婦年金は、60歳から65歳までの期間に支給されます。

妻が60歳になる前に夫が亡くなった場合は、60歳まで寡婦年金が支給されません。

60歳を過ぎてから亡くなったのであれば、そこから65歳になるまでの期間となります。

夫が亡くなってから5年間支給されるというわけではないので間違えないようにしましょう。

1-3 寡婦年金の支給額

寡婦年金は、夫が65歳から受け取るはずだった老齢基礎年金の4分の3が支給額となります。

より詳しく説明すると、亡くなった夫が国民年金の第1号被保険者として保険料を納付した期間に応じて算出された老齢基礎年金支給額の4分の3です。

もしも、亡くなった夫が保険料を30年に渡って納付していた場合を例に計算してみましょう。

2023年4月以降の老齢基礎年金は満額で79万5,000円となっています。

実際は満額支給ではなく、保険料の納付期間に応じて金額が決まります。

保険料を30年に渡って納付していたのであれば、79万5,000円×30年÷40年という計算式になり、金額は59万6,250円となるのです。

これは年金の支給額で、寡婦年金はこの4分の3が支給されます。

つまり、59万6,250円×3/4=44万7,188円(小数点以下は四捨五入)と計算できます。

亡くなった夫が保険料を30年に渡って納付していた場合の寡婦年金は、およそ45万円です。

2. 他の年金と同時受給は可能?

寡婦年金は、要件を満たすことで受け取れます。

しかし、他の年金の要件も満たしている場合はどうなるのでしょうか?

ここでは、寡婦年金が遺族基礎年金・死亡一時金同時に受給できるのか否かについて解説していきます。

2-1 遺族基礎年金の場合

遺族基礎年金は、寡婦年金と同時に受給できません。

しかし、かつて遺族基礎年金を受給したことがある場合は、60歳になった時に寡婦年金を受け取れます。

夫が亡くなって遺族基礎年金を妻が受け取っていたけど、59歳の時に子どもが18歳に達して遺族基礎年金の受給ができなくなったと仮定します。

このような場合なら、寡婦年金の要件を満たしていれば60歳から受給できるのです。

同時に受給ができないけれど、タイミングがずれているなら受け取れるということになります。

2-2 死亡一時金の場合

死亡一時金の場合は、どちらか片方しか受け取れません。

死亡一時金と寡婦年金の両方を受け取れるケースでは、金額が多い方を選択するのが一般的です。

受け取れる金額は死亡一時金だと最大で32万円となっています。

寡婦年金は、先ほども説明したように夫が受け取る予定だった老齢基礎年金の4分の3です。

寡婦年金の支給額が大きくなるケースがほとんどなので、寡婦年金を選択するケースが必然的に多くなります。

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3. 寡婦年金受給で必要となる書類

寡婦年金を受給するためには、書類の用意が必要になります。

続いては、どのような書類を用意すべきなのかみていきましょう。

3-1 年金請求書

年金請求書は、住所地の市区町村役場もしくは年金事務所・年金相談センター、日本年金紀行公式サイトからダウンロードできます。

日本年金機構の公式サイトでは、記入例も確認できます。

滅多に書くことがない書類なので、記入例を確認しながら間違えないように記入しましょう。

3-2 年金手帳

年金手帳も必要不可欠な書類です。

基礎年金番号など年金に関する情報が記載されているため、寡婦年金を受け取るためにも重要な書類となります。

年金手帳を提出できない場合は、理由書を提出しなければいけません。

3-3 戸籍謄本(記載事項証明書)

戸籍謄本は、死亡した人との続柄や請求者の氏名・生年月日を確認するために必要な書類となります。

受給権が発生した日以降かつ6ヶ月以内に交付されたものでなければいけません。

記載事項証明書は、戸籍をコンピュータ化している自治体で発行されているものなので、戸籍謄本と同じものです。

3-4 世帯全員の住民票の写し

死亡した人との生計維持関係を把握するために、世帯全員の住民票の写しが必要です。

住民票の写しは、市役所などからもらった書類をコピーしたものではありません。

それは、住民票の写しのコピーになってしまうので別物です。

住民票の写しには、市の住民基本台帳から直に印字され、市長の印が押されています。

役所の窓口で請求を依頼すると手に入れられます。

マイナンバーカードを持っていれば、コンビニでも手に入れられるようになりました。

3-5 死亡者の住民票の除票

死亡者の住民票の除票は、前述した世帯全員の住民票の写しに記されている場合は不要です。

しかし、そうでない場合は用意しなければいけないので忘れないようにしましょう。

3-6 請求者の収入が確認できる書類

請求者の収入が確認できる書類は、生計維持認定を行うために必要な書類です。

所得証明書や課税(非課税)証明書、源泉徴収票などが該当します。所得証明書は、1月1日から12月31日までの所得額が記載されています。

課税(非課税)証明書は、所得控除の内容や住民税の課税額が記されているかどうかを把握するための書類です。

源泉徴収票は、1年間で支払われた給与や手当の金額、納めてきた所得税の金額が書かれています。

3-7 受取先金融機関の通帳等(本人名義)

受取先金融機関に関する情報も必要です。

カナ氏名や金融機関名、支店番号、口座番号が記された部分を含む預金通帳やキャッシュカードが該当します。

コピーでも問題ありません。

請求書に金融機関の照明を受けているケースでは不要となります。

3-8 年金証書

公的年金から年金を受け取っている人は、年金証明書が必ず必要になります。これは、年金を受給する権利があることを証明するために使われます。

届け出をする際に必要となるケースが多いので、大切に保管しておかなければいけません。

万が一紛失した場合は、最寄りの年金事務所や年金相談センターで再交付の申請をしましょう。

3-9 死亡の原因が第三者行為の場合に必要となる書類

死亡の原因が第三者行為による場合は、以下の書類が必要です。

第三者行為事故状況届

この書類には、所定の様式があります。

年金事務所に確認すると教えてもらえるので問い合わせてみましょう。

交通事故証明または事故が確認できる書類

事故証明書があれば一番理想的です。

もしない場合は、事故の内容を確認できる新聞の写しなどが必要となります。

確認書

この書類にも所定の様式が定められています。

年金事務所に確認することで詳細を教えてもらえるので、問い合わせてみてください。

扶養していたことがわかる書類(被害者に被扶養者がいる場合)

扶養する家族がいる場合は、それを証明するための書類も必要です。

源泉徴収票や健康保険証の写し、学生証の写しなどが該当します。

健康保険証は、保険番号や記号、番号などをマスキングして判別や復元ができないようにします。

損害賠償金の算定書

損害賠償金が既に決まっている場合は、算定書も必ず用意しておきましょう。

示談書のように受療金額が分かるものが必要です。

損害保険会社等への照会にかかる「同意書」

この書類にも所定の様式があるため、年金事務所まで確認してください。

4. 寡婦年金が失効する条件も知っておこう

寡婦年金を受給している期間中に、失効してしまう場合もあります。

失効する条件は以下の通りです。

・受給している人が65歳になった

・受給している人が亡くなった

・受給している人が内縁を含む婚姻をした

・受給している人が直系血族や直径婚姻以外の人の養子になった

・繰り上げ支給によって老齢基礎年金を受給できるようになった

寡婦年金が支給されるのは、60歳から65歳までなので65歳になれば受給資格を失うのは当然です。

65歳以上は寡婦年金を受給していた本人の老齢基礎年金が支給されるので、収入がゼロになってしまうことはありません。

また、再婚などをすると、要件を満たした夫の妻ではなくなることから、受給資格は喪失することが分かります。

受給期間中に何らかの理由で亡くなった場合も失効となり、遺産相続で代襲相続などを行うことはできないので注意が必要です。

5. まとめ

家族を支えている大黒柱が亡くなると、経済的な不安を抱えるケースもあります。

そのような場合の支援を行うのが、遺族年金や寡婦年金です。遺族年金は条件をクリアしないと受け取れません。

しかし、まったく金銭的な支援がないかと言うと違います。

寡婦年金を受給できるのです。

もちろん寡婦年金も一定の要件を満たす必要がありますが、亡くなった夫がサラリーマンとして長年勤めていて、妻が専業主婦だった場合は遺族年金を受け取れる可能性が高いです。

遺族年金の対象から外れた遺族を救済する制度が寡婦年金といえるでしょう。

寡婦年金の受給にあたっては、死亡一時金はどちらか片方しか受け取れないことなどに注意しなければいけません。

受給するためには色々な書類も用意しなければいけないので、どうすればいいか分からない場合は年金事務所や年金相談センターに相談してみてください。

寡婦年金と死亡一時金【どっちが得?】|多くは寡婦年金を選択すべき!

 

この記事の監修者

工藤 崇(くどう たかし)

 

独立型ファイナンシャルプランナー。

WEBを中心にFP関連の執筆・監修多数。セミナー講師・個別相談のほか、「相続の第一歩に取り組む」ためのサービスを自社で開発・提供。

東京・北海道を拠点として事業展開。

株式会社FP-MYS代表。

 

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