遺産相続の手続きの相談について、無料相談場所がどこにあるか、電話でも相談できるのか、無料相談する際の注意点は何かなど疑問を持つ方は多いです。
本記事では、遺産相続の手続きの無料相談先をご紹介するとともに、電話でも無料相談できるのか・無料相談する際の注意点はあるのかについて解説したいと思います。
目次
1. 相続を電話で無料相談できるところはある?
相続を電話で無料相談したいと考える方は多いのではないでしょうか?
ここでは、相続を電話で無料相談できるところはあるのか解説したいと思います。
まず、遺産相続の手続きの無料相談先は、主に以下のものがあります。
・行政書士
・司法書士
・税理士
・弁護士
・ファイナンシャルプランナー
・市役所などの行政機関
相続で電話で無料相談できるかは、個々の事務所の相談体制によって異なります。
事務所によっては、電話やGoogle Meet、Zoomで相談を受けつけている事務所もあります。
また、全ての事務所が電話での相談に対応しているわけではなく、中には来所相談を大切にしている相談事務所もあります。
このように、電話で無料相談できるかどうかは、各相談事務所の相談体制によって異なるため、相談する前に相談事務所について調べておくことが重要になります。
2. 遺産相続の無料相談ができる専門家とは
遺産相続の無料相談ができる専門家は以下の4つがあります。
・行政書士
・司法書士
・税理士
・弁護士
・ファイナンシャルプランナー
ここでは、それぞれの専門家の業務内容と無料で相続相談する際にできることについて解説したいと思います。
2-1 相続における行政書士
行政書士とは、官公署に提出する書類の作成や相談、官公署に提出する書類の提出の代理を行っている士業です。
行政書士は相続相談において、代理人として手続きを行うことや、他の相続人との交渉を行うことができませんが、相続全般においてきめ細かいサポートを行うことができます。
そのため、行政書士に相談することで相続手続きにかかる時間やコスト・精神的負担を取り除くことができます。
また、行政書士は、予防法務の専門家ともいわれており、相談することで法的観点から相続トラブルを未然に防ぐことも期待できます。
相続において相談できること
行政書士は、相続において具体的に「相続による許認可の変更等の手続き」「自動車の相続や廃車の手続き」などの業務を行うことができます。
「相続における許認可の変更等の手続き」は、相続人が事業を引き継ぐ際に必要になり、行政書士に相談依頼する必要があります。
また、「自動車の相続や廃車の手続き」は、自動車の相続がある場合や相続した自動車を廃車にする際に必要になり、行政書士は車両の名義変更を行います。
これらのように、行政書士は相続においてきめ細かいサポートを行うため、相続手続きに悩んでいる人は是非無料相談してみてください。
2-2 相続における司法書士
司法書士は、顧客の依頼をうけて裁判所などに提出する書類の作成や顧客の代理人などを行う士業です。
司法書士は、相続相談において相続登記などの書類作成をメインに行います。相続登記とは、不動産の所有
・親族以外の人で相続に関わる人がいる場合
・準確定申告が必要な場合
・被相続人が莫大な遺産を遺したので相続税を納めなくてはならない者が亡くなった場合
に、不動産の名義を相続人に変更することをいいます。
また、相続登記は弁護士も行うことができますが、司法書士のほうが専門的で比較的安価で依頼することができます。
そのため、相続人同士のトラブルがない場合は、弁護士ではなく司法書士に相談することをおすすめします。
相続において相談できること
司法書士が相続において、相続登記の書類や遺言書の作成などを行うことができます。
相続登記では、司法書士は依頼人に代わって戸籍謄本等を取得し、手続きを行います。
また、遺言書の作成では、遺産整理全般や相続登記といった相続遺言の実務にかかわっており、相続トラブルを未然に防いでくれます。
不動産関係の相続手続きに悩んでいる方は、司法書士に相談することをおすすめします。
2-3 相続における税理士
税理士とは、税務の専門家で主な仕事として、法人税や所得税などの申告を納税者の代わりに行うことや、そのための相談を受けることを行っています。
税理士は相続において、相続税の計算や相続の手続きを行うことができます。
以下の場合は、税理士に相談しましょう。
・相続人がたくさんいる場合
・相続財産に分割が難しい不動産や宝石が含まれる場合い場合
相続において相談できること
先ほど、税理士は相続において、相続税の計算や相続の手続きを行うことができると説明しました。
ここでは、税理士が相続において相談できることを3つ紹介したいと思います。
1つ目の相談できることは、「相続税代理申告」です。相続税代理申告は、税理士が最も得意な分野で効率的な節税方法のアドバイスなどを行います。
2つ目の相談できることは「相続人調査・相続財産調査」です。相続人調査は誰が相続人かを調べること、相続財産調査はどんな相続財産か調べることで、調査後そのまま相続相談を行うこともできます。
3つ目の相談できることは、「遺産分割協議書作成」です。遺産分割協議書とは、遺産の分割方法などについて相続人全員の合意内容を明らかにした書類です。しかし、これは相続税の申告で税務署に提出する必要がある場合に限られます。
これらのことから、税理士が相続においてできることを理解していただけたと思います。
相続税の計算や相続の手続きで困っている場合は、税理士に相談することでスムーズに解決しましょう。
2-4 相続における弁護士
弁護士とは、法律の専門家であり、裁判時の代理人業務だけではなく、交渉や法律相談などの業務も行っています。
弁護士は、相続においてほとんど全ての業務を行うことができます。
弁護士は唯一代理人になれる士業のため、相続トラブルなどの事例に強いという特徴があります。
また、現在相続人同士の相続トラブルが起こっていない場合でも、トラブルが起こる可能性がある場合は弁護士に相談しましょう。
しかし、弁護士は、費用が他の士業より高くなる傾向があるため、他の士業と比較しどちらが専門性が高いか考えることが重要になります。
相続において相談できること
先ほど弁護士は、相続においてほとんど全ての業務を行うことができると説明しましたが、具体的にどういった業務をおこなうことができるのかわからない人が多いです。
弁護士が相続でできることは、主に以下のものがあります。
・相続人の調査
・相続財産の調査
・遺産分割協議の調整
・遺産分割調停・審判の代理
・遺産分割協議書の作成
・遺留分侵害額請求
・相続放棄の代理・サポート
・遺言書の作成サポート
弁護士の最大の利点は、遺産分割協議書・遺留分侵害額請求・調停・審判などの相続人同士のトラブル解決を行えることや、相続放棄を代理で行うことができるという点です。
このように、弁護士は相続で最もストレスのかかる相続トラブルを解決することができます。
2-5 相続におけるファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーとは、年金・保険・税金などの幅広い知識を生かしてベストなライフプランの提案を行うお金の専門家です。
ファイナンシャルプランナーは相続において、生前の相続対策や相続税の節税対策などを相談者のライフプランに合わせて行うことができます。
ファイナンシャルプランナーは、士業とは異なり固有業務がないという特徴があります。
また、ファイナンシャルプランナーのなかでも金融や保険商品をメインにおこなうファイナンシャルプランナーもいるため、無料相談するときには注意が必要です。
相続において相談できること
ファイナンシャルプランナーに相続で無料相談できることは、先ほど説明した内容を含めた以下のようなものがあります。
・相続税の節税対策
・生前の相続対策
・確定申告の方法
・生命保険による税金対策
・社会保険や年金手続きに関して
ファイナンシャルプランナーは、生前の相続対策を行うことができるため、自身が死んだときのための生前整理を行いたい方におすすめです。
3. 相続の無料相談先を選ぶ際の注意点
ここまでは、無料相談ができる専門家をご紹介しました。
以下では相続の無料相談先を選ぶ際の注意点を3つ紹介します。
3-1 悩みにあった内容を相談できる先かどうか
士業はそれぞれ専門領域と固有業務をもっているため、相続で揉めているのに相続登記を専門としている司法書士に相談しても、もちろん問題解決にはなりません。
相続でもめている場合は、相続登記を専門としている司法書士ではなく、相続トラブルを得意とする弁護士に相談する必要があります。
そのため、相談者は、自身が抱える悩みの内容を理解して、士業の専門領域や固有業務などの特徴を理解することが重要になります。
3-2 悩みにあった内容で解決実績や対応実績があるかどうか
相続の無料相談先を選ぶ際は、悩みにあった内容で解決実績や対応実績があるかどうか確認することが重要になります。
士業やFPは相続固有の業務ではないため、相談にいったとしても相続に対して経験がないなどといったことが起こる可能性があります。
そのため、無料相談先を選ぶ際は悩みにあった内容で解決実績や対応実績があるかどうか確認が重要になります。
また、無料相談先を選ぶ際は、相談件数はあまり参考にならないため、あくまで目安として考えておくことをお勧めします。
3-3 無料相談に対応しているかどうか
相談からお金を払うということは、非常にハードルを高く感じる方は多いのではないでしょうか?
そのため、初回相談は無料でやってくれるかどうかも、相談先を決める上で重要になります。
最近は、電話での相談、Google MeetやZoomでの相談に対応している事務所もあり、必ずしも来社しないといけないわけではありません。
また、事務所によりますが、中には電話で無料相談してくれる事務所もあります。
つぐなびで掲載している士業は、ほとんどが初回相談無料であり、費用を見積もりとして出してくれる事務所もあるため、探してみることをお勧めします。
自身にあった無料相談先を見つけ、相談することで問題を解決できます。
この記事の執筆者:つぐなび編集部
この記事は、株式会社船井総合研究所が運営する「つぐなび」編集部が執筆をしています。
2020年04月のオープン以降、専門家監修のコラムを提供しています。また、相続のどのような内容にも対応することができるように
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