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目次
相談前:【海外に長期滞在中の相続人から印鑑登録の代行を依頼されたケース】
奥様が他界された方からのご相談。
配偶者とお子さん4名の合計5名が相続人。
仕事のため、海外を拠点にしているお子さんがおられる。
現在も海外に滞在しているが、仕事の関係で帰国しても長期間の滞在は難しい。
相続手続きをすべて依頼したいが、印鑑証明書の取得も併せておこなえないかとの相談に来られました。
▼問題点
・相続手続きの際、住民登録が日本にある場合は、印鑑証明書の添付が必要である。
・原則として、印鑑登録は役所に本人が出向かなければならない。
・印鑑登録を代理人がおこなう場合、役所に2回出かけなければならないが、家族は忙しく代理人になれない。
・相続財産に預貯金や証券口座が多くあり、公平な立場の第三者によって、迅速に手続きが完了することを希望。
相談後:海外に長期滞在中の相続人の印鑑登録について
▼当事務所からおこなった提案の内容
相続手続きは、遺言がある場合以外、原則としてすべての相続人の印鑑証明書が必要です。
海外に長期滞在している場合、住所も移動していると、現地の日本大使館などでサイン証明書を取得すると印鑑証明書の代わりになります。
しかし、今回の事例のように、仕事の都合で海外を移動しながら生活している方は、多くの場合、住所を移動していないため、原則にしたがい印鑑証明書を提出しなければなりません。
この場合、印鑑登録を済ませていれば、家族などの代理人が印鑑登録証を持参して取得できるため、登録した印鑑や委任状も不要です。
問題は、今回のように印鑑登録をおこなっていないときです。
印鑑登録から手続きしなければなりませんが、本人であれば、1回役所に出かければ、その日のうちに登録が完了し、印鑑証明書の受け取りもできます。
代理人では、登録の手続きは複雑になり、時間も必要です。
■印鑑登録及び印鑑証明書を代理人が取得する場合の手続き
①代理人は、印鑑登録申請をおこなうが、その際、本人が自署し、登録印(実印)を押した委任状、並びに登録する印鑑を居住している役所に持参する。
②役所は受付後、本人の登録住所(住民票上の住所)に「照会書(回答書)」を郵送。
③本人が受け取り、「照会書(回答書)」に記入し、登録印(実印)も押す。
④代理人は記入済みの回答書を本人から預かり、委任状と登録する印鑑を持参し、再度役所に出かけて印鑑登録証(印鑑カード)を受け取る。
⑤印鑑証明書の交付請求をおこなう際は、印鑑登録証(印鑑カード)の提示により申請し、受け取る。
手続きのポイントは、代理人が2回役所に出かけることと、住所地で本人が回答書に記入して代理人に手渡せることです。
今回は、ご家族は仕事の都合で平日に休みを取りづらいこともネックになりました。
さらに、被相続人は預貯金の口座数が多く、証券口座も多数開設しておられました。
誰か1人に負担がかからないようにするため、専門家に公平になるよう依頼し、迅速に終わらせたいともご要望です。
ご要望にお応えするため、当事務所が印鑑登録の代行並びに戸籍収集、遺産分割協議書の手配や金融機関の調査および解約などの相続手続きすべてをおこなうことを提案しました。
▼提案に対する結果
・ご家族の協力を得ながら、海外滞在中の相続人と連絡を取り、委任状並びに照会書(回答書)を手配するなどして、印鑑登録を完了しました。
・戸籍の収集など相続手続きに必要な書類を揃え、遺産分割協議書の作成をおこない、合意後は署名捺印をいただくなど手配の代行をいたしました。
・金融機関及び証券会社の調査を実施し、解約並びに移管手続きの代行業務を終え、ご依頼いただいたとおり、迅速かつ公平な手続きをすることができました。
事務所コメント:実印および印鑑登録の重要性
原則として、遺産分割協議書は実印を使用するため、印鑑証明書を添付しなければならず、すべての相続人は印鑑証明が必要です。
しかし、印鑑登録をおこなっていない方は多く、相続手続きがスムーズに終わらないことも起こります。
印鑑登録自体は、本人が直接役所に行くことができれば、難しいことではありませんし、何らかの事情により本人が行けない場合は、代理人に依頼することも可能です。
依頼を受ける代理人は、特に資格などの制限はありません。
とはいえ、信頼できる人でなければ、実印を預け、かつ印鑑登録証を受け取る権限の依頼は不可能です。
実印と印鑑証明書さえあれば本人以外でも、重要な契約を簡単に締結することができるため、親族といえども悪用のリスクが皆無とは言い切れません。
一人暮らしの方や家族以外の信頼できる人物をお探しの場合は、国家資格を有する司法書士に代理を依頼することもご検討ください。
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この事例を解決した事務所
司法書士法人東京横浜事務所(東京都 渋谷区)
相続専門の国家資格者が、相続手続きをまるごとサポート。同事務所の「相続まるごとおまかせプラン」では、専門的手続きはすべて代行可能であることに加え、約100種類の手続きについても包括的にアドバイス・サポートが可能です。面倒なことは専門家に「まるごとおまかせ」できます。
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