相続税の節税対策23選!生前にしておくこと&死後でもできることに分けて紹介

更新日:2023.11.29

相続税の節税対策23選!生前にしておくこと&死後でもできることに分けて紹介

被相続人が生前に築き上げた財産や債務を、配偶者や子といった親族が継承することが「相続」です。遺贈された財産に対する税額算出の根拠となる金額によっては「相続税」の納税義務が発生する場合があります。

しかし、直接関与する人にとっては、「可能な限り税金を軽減したい」という率直な気持ちであるがゆえに必要なのが「節税対策」であり、節税も考慮したスムーズな相続を順に終わらせていくために必要なのが「相続対策」です。

早い時期から節税対策に着手することによって、相続するまでの期間が長くなるために節税対策を数多く活用することが可能です。何千万円も少なくできる場合もありますので、是非おすすめします。

また相続税対策をどういった税理士に依頼すれば良いのか、失敗しないためのポイントについても説明しますので、相続税を最大限に低く抑えたい方は参考にしてください。

目次

人によって相続税の節税方法は異なる

死後の節税は相続すべき財産や事業の内容と相続人の現況で決定されますので、相続する子どもが未成年者や障害者に当てはまる場合は納税額を低くできます。

よって、相続すべき財産や事業の内容と相続人の現況を念には念を重ねて間違いないことをきちんと調べる必要があるのです。

生前からの相続税対策が重要

相続税の対策は、生前のうちに推定相続人と相続財産の状況を整理し、贈与や売買等の計画を立てて実行する方法で行います。

相続開始後だと、税理士に申告書を作ってもらい過大申告を失くす方法くらいしか残されていません。節税に向けて具体的に動き始めるのは「いよいよ相続開始が目の前に迫った時ではなく、生前の余力のある時期」だと考えましょう

二次相続までシミュレーションすることがポイント

親から子・孫へと相続が発生する場合、相続財産は「死亡した夫→死亡した妻→子→孫」とのように、直近数回に分けて移転します。移転する度に相続税の課税があり、せっかく築いた財産がどんどん目減りする点を踏まえて、対策には配偶者や子が亡くなった時の「二次相続」まで折り込まなくてはなりません。

生前にできる相続税の節税対策23選

相続税の節税対策とは、財産を少なくしたり多岐にわたる特例を使って相続税の金額をコントロールすることです。どういった節税テクニックを利用すべきかについては相続財産や相続人の現況によって相違しますので、専門家の助言を得ることをおすすめします。

相続税の節税対策1.生前贈与を行い相続財産を減らす・贈与税として支払う

死亡時点にまとまった額の相続財産があると、累進税率により課税額が高額化します。この問題は、生前贈与で相続財産を減らす(※減った分は死亡より先に相続人に移転することになる)ことで解決可能です。

年間110万円以下なら贈与税がかからない

そこで、生前贈与の際は、特に何らかの制度の適用申請をしない場合でも、受贈者1人あたり毎年度110万円の基礎控除があります(暦年贈与)。

課税年度の期間とされる毎年1月1日~12月31日に最大110万円の贈与を5年・10年……と続けることで、相続財産の大部分を課税額ゼロで移転させることが叶うのです。

毎年一定の金額を贈与すると110万円以下でも贈与税が課税される場合がある

暦年贈与による相続財産の移転は、手法により「1課税年度につき110万円以下の贈与をした」とは見なされないことがあります。

生前贈与の最初の年度にまとめて贈与した、あるいは相続財産のまま所有の移転がないと税務署に判断され、結果高額課税となってしまうことがあるのです。

定期贈与

「合計1千万円を年100万円ずつ10年間に渡って贈与する」とのように、最初に合意した贈与の総額を定期給付で移転させる方法です。贈与税の課税では、合意した贈与総額につき、最初の年度でまとめて申告する必要があります。

連年贈与

贈与の総額について最初の合意がなく、価額不定の贈与契約を不定期に結ぶ方法です。定期贈与が契約時に金額を確定させるのに対して、連年贈与は当事者双方の気が向いた時に随時財産を譲る・譲り受けると言ったイメージです。

なお、連年贈与のつもりであっても、実態は最初の年度に贈与価額の相続が決まっていたと判断できる場合は、税務署に否認され定期贈与扱いとなる可能性があります。

名義預金

名義預金とは、入出金取引等から「口座名義人とは異なる人が実体的な所有・管理をしている」と判断される銀行預金を指します。

親が将来に向けて子どもの名目で預金している場合、口座名義が子どもであったとしても、ほとんどすべての場合において親の預金と判断されることが多いのが現状です。

贈与者の預金ではないということを明らかにしておくことが意義深いものとなります。

死亡前3年位内の贈与に対しては相続税が課税される

相続開始前の3年以内になされた贈与は「相続財産に持ち戻して考える」とされ、相続税が課税がされます。

例えば、毎年100万円の生前贈与で相続財産を減らす計画の場合、死亡直前の300万円には節税効果がありません。生前贈与で対策するならば、より早い時期から始めましょう。

贈与税の配偶者控除(2000万円まで)

生前贈与の受贈者が配偶者の場合は、贈与財産のうち2,000万円までは非課税になる制度があります。

本当なら夫婦間であったとしても贈与が見受けられた場合に贈与税が生じますが、配偶者保護や早期資産移転による経済活動促進の必要性を踏まえて設けられています。

メリット

配偶者控除を利用することによって、課税対象が2,000万円を超えた部分からとなるために高い節税効果が期待できます。

基礎控除と併用することで非課税枠が2,110万円に拡大

配偶者控除は基礎控除である暦年贈与との併用が可能となります。暦年贈与とは年間110万円までの贈与については贈与税が課税されない贈与の手法です。それゆえ配偶者に贈与される実際の非課税枠は2,110万円となります。

相続開始前3年以内であっても相続税の課税対象にはならない

相続開始前3年以内に行った贈与については、相続発生時に財産総額に加算され相続税の課税対象となりますが、事例にあてはめて配偶者控除を用いて生前贈与した場合は3年以内の贈与であっても課税対象外です。

相続税の節税対策2.相続時精算課税制度を活用する(合計2500万円まで)

相続時精算課税制度とは直系尊属(父母や祖父母)の年齢が60歳以上である場合に、20歳以上の直系卑属(子や孫)に財産を贈与したときに適用される法制度です。

どういうことかと言うと、贈与資産の合計額から最大2,500万円を控除されることによって贈与税が生じなくなります。

メリット

この法制度は相続税の負担が生じない人が使った場合に、自分にとって利益になるものを最大限に受けられます。

2,500万円まで非課税

生前贈与においては、原則として定められた金額以上を贈与した際に贈与税が生じることになっています。

しかしこの制度を利用することによって、贈与者一人当たりから最大2,500万円を非課税で受け取れることになっているため、両父母から贈与を受ける際は最大で5,000万円が非課税となります。

相続争いを防げる

不動産は現金のように分配が困難であるため、所有者が亡くなった後において、相続人が分与産に関連した一筋縄でいかない問題となることがしばしば見られます。

よって所有者が生前に「誰にどの資産を継承してもらいたいのか」を誰の目にも明らかに意思表示しておけば、相続発生後に争い事が起こる可能性を低くできるでしょう。

事実上、贈与税・相続税の負担がなくなる

遺産総額が比較的少ない場合、贈与税と相続税の実質的な負担が0円になることがあります。

合計で2,500万円までの贈与税を非課税にできますが、被相続人が亡くなった場合に生じる相続税は生前贈与分を加味した財産額で算定することになるため注意が必要です。

値上がりすることが見込まれている財産の節税となる

相続発生後、新たに計算される贈与物の評価額は生前贈与をした時点での市場価格が利用されます。

それゆえに不動産などの将来的に値上がりが見込まれる資産を所持している場合は、早い時期にこういった財産を分配しておくことで節税のメリットを感じられます。

相続税の節税対策3.生命保険の非課税枠を活用する

相続財産を減らしながら納税資金対策にもなる方法として、生命保険の加入及び掛金の支払いがあります。

生前の支払いによって預貯金の残高が少しずつ減り、相続開始時に請求することで死亡保険金として戻ってきます。

この時、死亡保険金には非課税枠があり、結果として、預貯金及び現金を一定の限度ながら課税額ゼロで譲り渡せる仕組みです。

メリット

加入している生命保険の保険金が非課税枠の範囲内であれば、加入することで節税できます。

 

相続財産

生命保険に加入しなかった場合

1億円

1,000万円の生命保険に加入した場合

9,000万円

条件

被相続人の死亡によって受取人の固有財産となったした死亡保険金には、以下の非課税枠があります。

相続税に関する生命保険金等の非課税枠の計算式

500万円✕法定相続人の数=生命保険金等の非課税枠

相続税の節税対策4.生命保険を一時所得として受け取り、所得税で税金を支払う

生命保険の被保険者と保険料負担者が同じである場合は相続税が課税されますが、保険料負担者と保険金受取人が同じである場合は所得税が課税されることになります。

メリット

生命保険金等の非課税枠を使い尽くしている状況において納税資金を多くするため、一時所得として受け取って自分のところへ収めることをおすすめします。

相続人にお金を贈与し、相続人が保険料負担者、被相続人が保険の対象者となる生命保険に加入することによって、わずかな税負担で納税に先立つものを用意できます。

条件

相続税と所得税の税率が同じ場合、所得税が課税されたほうが税金を軽減できます。

とはいえ、保険金額が相続税の非課税枠の範囲内であれば、一時所得としては受け取らず、非課税枠の範囲を超過するときに超過した分に関してのみを一時所得として受け取ることで税金を軽減できます。

相続税の節税対策5.子供や孫に生命保険をかける

孫や子供にかけた生命保険の保険料を払い込んでいるのが祖父母や親である場合、相続税の評価額は解約返戻金となります。

メリット

解約返戻金が最初のうちは低額で、その後金額が上がっていく生命保険を孫や子供にかけることで、低額のうちに相続させることになるために節税できます。

条件

終身保険とは保険の保障期間が終生存続する生命保険で、途中で解約した際には解約返戻金が受け取れますので貯蓄性も兼ねています。

保険料の支払いがまだ完了していないのであれば、終身保険を相続した人がそれ以後の保険料を支払うことになります。

注意点

10年目負担者が死亡して子供が相続した際は解約返戻金に課税されます。

相続税の節税対策6.養子縁組をして法定相続人を増やす

自分の財産を血縁関係がない人に相続させる方法のひとつとして養子縁組があります。手続きをすることによって、血を分けた自分の子と同様に法定相続人になりますので資産を相続できます。

メリット

養子縁組すると法定相続人の数が増加しますので、関係する控除額や非課税枠が増額するために相続税を節税できます。

相続税の基礎控除

相続税の基礎控除とは一定の金額までは相続税の申告も納税もしなくても良いという境界線です。遺産の合計額が基礎控除以下であれば相続税が課税されません。

生命保険金等の非課税枠

生命保険金を受け取った場合に相続税が課税されますが、相続税の非課税枠があり、「生命保険金等の非課税枠」といいます。

死亡退職金等の非課税枠

死亡退職金を受け取った場合に相続税が課税されますが、相続税の非課税枠があり、「死亡退職金等の非課税枠」と言います。

注意点

相続税の計算では養子の数に制限があります。戸籍上の養子を沢山迎えても、相続税申告の際は、実子がいれば1人・実子がいない場合は2人までしか加算できません。

相続税の節税対策7.小規模宅地の特例を活用する

小規模宅地等の特例とは定められた必要となる条件が十分に満たすと土地の相続税評価額を最大で80%減額できる制度となります

メリット

要件を満たす土地であっても、全てを減額できるというわけではなく、土地の種別ごとに適用可能な限度面積が規定されています。

特定居住用宅地等

限度面積は330㎡、減額率は80%です。

特定事業用宅地等

限度面積は400㎡、減額率は80%です。

貸付事業用宅地等

限度面積は200㎡、減額率は50%です。

条件

対象となる土地は下記の通りとなります。

特定居住用宅地等

被相続人の住居がある住宅土地のことです。特例の適用対象者は、原則上、配偶者その他の同居家族です。

特定事業用宅地等

店舗や事務所等、被相続人の事業で使われていた土地のことで、適用にあたって相続開始後も申告期限まで営業する必要があります。

貸付事業用宅地等

不動産貸付業に使われていた土地です。自己所有の土地にアパート等を建て、大家業をしている場合が該当します。

相続税の節税対策8.配偶者居住権を活用する

配偶者居住権とは、自宅の所有者が亡くなった場合に配偶者が相続しなくても、引き続き自宅に住み続けられる権利のことです。

メリット

配偶者の相続以後の生活が落ち着いて激しい動揺や変化のない状態にするために設けられた制度であり、節税のために設けられたものではありません。しかし、その税金計算上のしくみや相続した後の流れを理解しておけば、節税につながる場合もあります。

配偶者居住権を相続する場合の相続税の計算

土地や建物の評価額が「配偶者居住権」と「所有権」の2つにわかれます。それにより、自宅に関連する財産の評価額の合計額が少なくなるわけではなく、時をおかずに相続税が低減されることもないのです。

配偶者居住権が節税になるかの検討

配偶者が死亡した際に消滅するため、二次相続の場合には相続税の課税対象ではなくなります。

相続税の節税対策9.家なき子特例を活用する

故人と同居していなかった親族でも定められた条件を満たせば小規模宅地等の特例が適用され、土地の評価額を減額修正できます。一緒に生活していなかった親族でも小規模宅地等の特例が認められるという制度を家なき子特例といいます。

メリット

両親とも死去して人が居住していない家を、賃貸生活の子が相続して居住することを考慮した上で作られた制度です。子が家を有している場合は原則的に適用されませんが、下記の方法で条件を満たすことが可能です。

孫を養子にすることによって遺贈して適用する

子が家を有している場合は、未成年者である孫を養子にする等して遺贈(=遺言による贈与)家なき子特例を利用できるようにするテクニックがあります。

相続税の節税対策10.住宅取得資金贈与を活用する(最大3000万円まで)

親が子に住宅資金を提供して所有権を得た場合、子が受けた資金供与は贈与になります。住宅資金等贈与の特例においては、資金供与を贈与税として徴税せずに条件毎に非課税扱いとしています。

メリット

住宅購入契約日といった条件を満たせば非課税になる制度です。親・子・孫代までに関係がある住宅購入に対応する贈与資金のあるべき姿に特例をつけた制度です。

適用条件

利用するためには条件を満たしていなければなりません。

贈与を受ける人

利用できるのは住宅取得資金の贈与した人の直系卑属とされているため、配偶者の親から贈与の対象となった場合は、非課税となりませんので注意が必要です。

住宅等

新築または私有財産化した住宅用家屋の不動産登記簿上の床面積が50㎡以上240㎡以下であることが必要です。また、店舗兼住宅を新築・取得した場合には、その家屋の床面積の1/2以上が居住の用に供されることが求められます。

相続税の節税対策11.教育資金贈与を行う(1500万円まで)

信託銀行等に子や孫の教育資金といった財産権を移して、一定の目的に従って財産を管理させると1,500万円まで贈与税が非課税になるという制度で、平成25年度の税制改正によって設けられました。

相続財産を効果的に減らせる

今後の教育資金を全部まとめて1,500万円までを無税で贈与できるため、暫定的な相続税対策としては効力をもっています。余命いくばくもなく、速やかに相続税対策しなければならない場合には使っても良いでしょう。

適用条件

子供や孫が教育資金として使用した後、信託銀行から引き出すという流れになります。教育資金として認められる費用は大きく2つあります。

学校等に直接支払われる

入学金や授業料など、学校等に直接支払われるお金は教育資金として認められ、1,500万円までは無税となりますが、超過分に対しては贈与税が課税されます。

学校等以外に支払われる

学習塾やスポーツ教室の月謝といった学校等以外に支払われる場合は教育資金として認められるため、500万円まで無税となりますが、超過分に対しては贈与税が課税されます。ただし、受贈者が23歳以上であれば習い事に使われるお金は対象外となります。

相続税の節税対策12.結婚・子育て資金贈与を行う(1000万円まで)

父母や祖父母から子や孫への贈与額を1,000万円まで非課税とする制度で、資金の用途は結婚・出産・子育てに限られています。

使える金融機関・受贈者の年齢や所得にも制約はありますが、お金に関わる心配から結婚や出産に前向きでない方にとっては利用するに足る価値のある制度となります。

・結婚に関連するもの

・挙式費用・衣装代等の婚礼費用

・家賃・敷金等の費用

・妊娠・出産・育児に関連するもの

・不妊治療・妊婦健診の費用

・分娩費等・産後ケアの費用

・子の医療費・幼稚園等の保育料

相続税の節税対策13.相続時精算課税制度を活用する

60歳以上である親や祖父母から20歳以上である子供や孫に贈与する際に、相続時精算課税制度を利用することを選択でき、以後については合計2,500万円まで贈与税がかかりません。

相続税評価額は贈与時点で固定される

条件

贈与額が合計で2,500万円を超えるまで贈与税は課税されません。超過した際は超過分に対して一律20%の贈与税が課税されます。なお、超過して贈与税を支払っている場合は、相続税から支払った贈与税額分を差し引くことが可能です。

相続税の節税対策14.現金ではなく株式として評価額を下げる

現金を相続する時の税対策は限られており、

購入した株式は相続開始前に贈与or売却する

証券会社で上場株式を購入する場合はあれば、相続開始前に株式を売却することで、株価下落による資産滅失リスクを回避できます。

自社株の評価を下げる

相続税の節税対策15.不動産投資をする・タワーマンションを購入する

タワーマンションは販売価格と評価額との差が大きくなる場合が多いため、購入することで相続税を節税できます。このようにして節税することをタワーマンション節税といいます。

相続税と市場価格との間にギャップがある

構造物部分の相続税評価額は固定資産税評価額を額面通り使います。下層階と上層階とでは市場価格に大きな差異が生じますが、固定資産税評価額には差異がありません。それゆえに、上層階を購入することで差異が大きくなるために相続税を節税できます。

土地の相続税評価額が低い

土地全部の評価額を部屋それぞれの占有面積に比例した形で分割して、土地の相続税評価額は算出されます。よって、数多くの部屋があることで評価額が低くなるため、市場価格との差が大きくなりやすいのです。

小規模宅地等の特例を適用

タワーマンションの土地に対する相続税評価額は低くなる場合が多いのですが、適用することで土地の相続税評価額を最大で80%低減できます。

相続税の節税対策16.更地に賃貸アパートやマンションを建築・経営する

遊休状態にある宅地と建設資金を賄えるほどの預貯金・現金資産がある場合は、賃貸用の建物を建設することで、資産の相続税評価額をぐっと下げつつ賃料収入で納税資金を賄うテクがあります。

ただ、経営判断しだいで逆に損することもあるため、情報収集はしっかり行う必要はあります。。

借地権・借家権の割合により評価が下がる

建設した賃貸物件の相続税評価額は、自己の用に供する建物の30%です。。また、賃貸物件を新築した土地は「貸家建付地」として評価され、借地権割合及び床面積で計算した賃貸割合により、自用地と比べて相続税評価額が減ります。

小規模宅地等の特例を適用できる

賃貸アパートが建っている土地は小規模宅地等の特例の対象となる土地ですので、土地の評価額を最大80%減額できる可能性があります。

相続税の節税対策17.リフォームや建物の工事を行う

所有物件のリフォームや建物修繕には、かかった額の預貯金・現金を税対策しやすい不動産に返還する効果があります。ただ、財産が減ることを意に介さず大量につぎ込むことは意味がありませんので、可能な限り相続人に移転するか、相続人のプラス面となるように形を変えておくことが望ましいといえます。

施工費は建物価値の上昇分として保存される

効果の高いリフォーム等に限られますが、かかった費用は消えるわけではなく、建物価値の上昇分として保存されます。

空き家対策や納税資金対策になる

リフォーム等により維持管理や設備入れ替えが行き届いている物件は、需要があり、買い手探しが円滑に進みます。これに伴い、相続開始後に売却して納税資金を確保する道を選びやすくなります。

このように流動性が高まることで、空き家化と共に、メンテナンス不良による損害賠償リスク(倒壊によるもの等)や特定空き家指定による固定資産税の大幅増を回避できます。

相続税の節税対策18.地積規模の大きな宅地の評価を活用する

飛び地との間を埋めるように買い集める等して面積が広くなった土地は、税法上「地積規模の大きな宅地」となります。該当すると、相続税評価額の下方修正に繋がる補正率を利用できるようになります。

相続税の節税対策19.山林や別荘など活用していない不動産を処分する

どうしても活路を見出せない遊休不動産がある時は、売却し対価で別の不動産を購入する等、資産組み換えを実施しましょう。

典型的なものとして、宅地転用するのにコストがかかりそうな(もしくは転用出来ない)山林や、バブル期に購入した別荘等が挙げられます。

相続税を節税できる

山林に多額の相続税が課税されてしまい相続人が困ってしまうケースが多々あります。山林を引き請けてもらうことで課税されるはずだった相続税負担を軽減できます。

固定資産税を払う必要がなくなる

山林をただ把持しているだけで、年毎に固定資産税を納税する必要があります。有効利用することが簡単ではない山林は把持したままでは課税されるだけとなるので山林を放棄することをおすすめします。

山林を管理する手間がなくなる

山林を引き請けてもらうことで山林にまつわる厄介な問題に対策を講じる必要がなくなります。

相続税の節税対策20.墓地や仏具の生前購入をする

墓地・墓石・仏壇・仏具には相続税が課されないため、生前に購入することで相続財産を減らせます。

一例を挙げると、現金を1,000万円を所持している状態で死を迎えると相続財産は1,000万となりますが、生前に墓地・墓石・仏壇・仏具を500万円分購入すると現金が500万円に減少します。

相続税の非課税財産であり相続財産に含める必要がないので、現金500万円に対してのみ相続税が課税されます。

相続税の節税対策21.相続税の税理士への報酬を前払いする

通常は税理士に対する相続税申告の報酬は相続発生後に支払いますが、相続発生前に支払うことによって相続税を節税できます。

相続発生後に税理士に対する報酬を支払うと、遺産規模に対して相続税が課税されます。しかし、報酬の半分を生前に支払うことによって、遺産規模-報酬の半分となり節税効果が得られます。

相続税の節税対策22.会社への貸付金債権の整理をする

会社経営者の相続では、経営者個人から会社へ貸し付けた金銭を整理する方法が考えられます。

既に法人のお金になっているのに個人資産(=相続財産)扱いになっている債権をなくし、遺産総額を抑えて課税額を少なくするのが狙いです。

法人側にもメリットがある【事業融資を受けやすくなる】

会社にとっても、債務がなくなることは経営に好都合です。決算書やバランスシートの見た目を改善することで、事業承継や経営継承に必要な融資申し込みの際、審査に通り安くなるのです。

貸付金債権の整理方法

貸付金債権の整理方法として、放棄または株式化が考えられます。貸付金債権を放棄する場合は、収益が生じたと考え、税務上の赤字である将来に繰り越す欠損金の範囲内で債務免除をおこないます。

株式化を選択する場合は、株主構成及び比率が変わる点から、今後の経営方針等も踏まえて多角的に考える必要があります。

相続開始後に出来る方法として、遺産の寄付により、その分について寄附金控除(=課税額ゼロ)を受けつつ売却等の手間を削減するものがあります。控除される寄附先は、学術機関や慈善活動団体等、指定の公益法人等となります。

相続税の節税対策23.海外移住・資産移転は効果がない

海外移住や海外への資産移転により租税回避できると言われていますが、実はもう対策されています。節税対策として使うことは出来ません。

まず海外移住した場合ですが、日本国内と移住先のどちらで財産を所有していようと、10年間は変わらず内国税の課税対象となります。

次に海外への資産移転(いわゆるタックスヘイブン)ですが、移転しようとしまいと期間の定めなく内国の相続税申告義務を負います。

おまけに、国外資産は租税条約等に基づき情報交換の対象となっており、申告漏れを調べる体制は万全です。海外に逃した相続財産が発覚すれば、過少申告加算税等のペナルティ(いわゆる追徴課税)の対象となります。

相続税の節税対策で注意したい3つのこと

1.法人保険はそれだけだと節税対策にはならない

会社契約者等が法人名義で加入する生命保険は、それ自体が相続税の節税に繋がるわけではありません。

会社法に沿った手続きで「請求できる保険金を原資に死亡退職金を支払う」とすることで、その支給された退職金に個人向けの死亡保険金と同等の非課税枠が適用され、初めて相続税対策として機能します。

2.法人化・事業化して節税できるかは場合による

個人所有の財産が多ければ法人化する、具体的には「資産管理会社の設立」が相続税対策として考えられます。会社を作って財産と利益(賃料収入等)を移転させ、財産そのものではなく会社の株として所有する方法です。

上記のようにすると、生前は賃料収入等につき所得税・住民税よりも税率の低い法人税率が適用され、そのぶん納税資金を確保しやすくなります。相続開始時は財産それ自体ではなく会社の株式となります。

株式を評価対象とする以上、会社の債務や経費を増やし見かけの収支を悪化させる等して、また相続税評価額を下げる余地が生まれるわけです。

実際のところ、上記のように上手くいくとは限りません。相続開始直前の対策が税務署の目に留まり、追徴課税となる可能性もあります。個人財産の法人化・事業化は状況をよく見て、露骨な税対策とならないよう慎重に進めなくてはなりません。

3.一般社団法人・一般財団法人を設立した節税対策はできなくなった

一般社団法人を利用した相続税対策が世の中に定着してしまうと、財産のある人はみな一般社団法人を設立することによって、長期に渡って相続税を課されることからまぬがれることになってしまいます。

平成30年税制改正ではこういった節税対策に制約をかけるため、血縁関係や婚姻関係にある人で掌握している場合は相続税が課されることになりました。

  • 家族で設立した一般社団法人に相続税を課税
  • 相続直前で血のつながりや親類関係にある者が役員を占める割合が1/2を超過
  • 財産を移すときの課税関係が明確に

死後にできる相続税の節税方法5選

死後にどういった節税手法を利用すべきかについては相続財産や相続人の状況によって違ってくるため、相続税対策をおこなう場合は専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

相続税の節税方法1.葬儀を盛大に行い、葬儀費用として財産を使う

いわゆるマイナスの資産については相続税が課される対象とされていません。したがって、多いほど遺産の総額を減らすことになり、税負担を軽減することにつながります。

・マイナスの財産

・借入金・買掛金

・葬儀費用として許容される目安範囲

・通夜、告別式費用

・通夜、告別式のときの飲食代

・お寺へ支払った費用

・亡くなられた方の運搬費用

・会葬御礼にかかった費用

・納骨費用

・葬儀費用として許容範囲外となるもの

・香典返し

・お墓や仏具などの購入代

・法要費用

相続税の節税方法2.各種控除を活用する

節税対策としてもうひとつ挙げられるのが税額控除です。おのおのが事実上相続した分に伴って算出した相続税額から一定額を控除します。

  • 配偶者の税額軽減
    故人の配偶者だけが利用できる税額控除です。配偶者が実際に引き継いだ正味の遺産額から、1億6000万円か法定相続分相当額のいずれか多い方の金額を控除します。
  • 未成年者控除
    相続人が20歳未満の場合に適用できる税額控除です。「(20-相続開始時の相続人の年齢(1年未満切捨))✕10万円」で計算します。
  • 障害者控除
    相続人が85歳未満の障害者である場合に適用できる税額控除です。「(85-相続開始時の相続人の年齢(1年未満切捨))✕10万円」で計算します。もし相続人が特別障害者であれば、計算式の「10万円」は「20万円」となります。
  • 相次相続控除
    以前の相続から10年経過しないうちにこの度の相続が開始された場合に利用できる税額控除です。被相続人が前回の相続で納税した一部が相続税額から控除されます。
  • 贈与税額控除
    生前贈与加算の対象となった贈与や相続時精算課税制度の生前贈与で贈与税を納めた場合に適用できる税額控除です。相続税の計算上、相続財産に持ち戻された生前贈与に関して納めた額が相続税額から控除されます。

相続税の節税方法3.土地の価値が下がるように分筆する

遺産分割協議の場合に、ひとつの土地を複数の相続人で分筆(=登記上別の土地とすること)し、土地の評価額を引き下げる手法があります。

分筆により、片方の土地により安い路線価(=相続税評価額算定のベースとなる価額)が適用され、相続税の総額が低減する可能性があるのです。

もっとも、期待通りの効果が得られるかはケースバイケースであり、分筆によって換金性や利用価値が著しく低下してしまったりする場合もあります。自己判断でやらず、必ず税理士等に相談してからにするのが大切です。

す。

相続税の節税方法4.寄付をする

相続開始後に出来る方法として、資産遺産の寄付により、その分について寄附金控除(=課税額ゼロ)を受けつつ売却等の手間を削減するものがあります。

控除される寄附先は、学術機関や慈善活動団体等、指定の公益法人等となります。

相続税の節税方法5.相続専門の税理士に依頼する

先に述べたほかに、配偶者居住権の利用や農地の納税猶予といった規定も節税策として利用できます。

しかしながら事実上の相続は家族ごとに違い、それだけでなくどれを利用すべきかの決断も一般の方には決して簡単ではありません。

申告期限までの10か月間で自分たちに適した節税策を見出すことは容易ですぐできることではありません。早い時期に長年の経験を持つ税理士に相談して助力を得ることがより良いでしょう。

相続税の節税対策を依頼する税理士を選ぶ5つのポイント

相続税対策の手法を紹介しましたが、それに加えて節税する手法はまだたくさんあります。

また、実際の状況によって不都合のない節税の方法は違いますので、行動に移すのであれば、前もって税理士などのエキスパートに意見を求めることをおすすめします。

ポイント1.相続税専門であり知見が多い

相続税の金額はどのような税理士に依頼しても同様であると考えている方が結構多いと思われますが、実際のところ相続税の金額は税理士によって大きく違ってきます。

どういう理由で税理士によって相続税の金額が増えたり減ったりするのかというと、現金預貯金や有価証券以外の相続財産の評価が込み入っているからです。

相続税の金額を可能な範囲内で安くしたいのであれば、相続税申告を実際に成し遂げた功績が多く、節税するために必要な知識が豊富である相続専門の税理士に任せることをおすすめします。

ポイント2.二次相続も考慮している

配偶者には相続税の優遇制度があり、相続する資産が1億6,000万円以下である場合には相続税が課されません。しかしながら、配偶者が亡くなった際の二次相続の相続税が高くなってしまう場合もあります。

一次相続の相続税の負担だけを念頭に置いて、資産の配分や相続税対策の手法を決定するのではなく、二次相続の相続税も考慮した全体の税負担が少なくなるように資産の配分や相続税対策の手法を検討することをおすすめします。

ポイント3.税務調査対策も可能である

申告書作成まで全て税理士に依頼した場合、税務調査の対象となった際に申告義務者に代わって対応してもらえます。

また、申告書に税理士が記名し所定の書類を添付する「書面添付制度」により、調査対象から外されやすくなり、調査対象になっても税理士と税務署とのやりとりだけで訪問が省かれる可能性があります。

ポイント4.正確に試算できる

相続税対策を実行に移すためにだいたいの見当をつけるため計算してみる際、大多数の税理士は暫定的な試算をおこないます。

資産規模が大きい場合、事実上の相続税の金額と大きい差違が発生することがありますので、相続税の詳細に及ぶ試算をおこない細部まで正確になされた試算結果を指針として相続税対策をおこなう税理士にお願いするといいでしょう。

ポイント5.生命保険についても詳しい

生命保険の専門家は保険代理店と考えられがちですが、相続税対策の方法として案内している税理士も、商品や利用イメージについて日々研究しています。

相談すれば、代理店とは異なる非営利的かつ長期的な目線で「本当にお得になるか」のヒントをくれます。

相続税の節税に関する相談は相続専門の税理士まで

相続の意見を求めるのであれば相続税専門の税理士のほうがいいでしょう。どういった税理士にして良いかがわからずに悩みごとを抱えている方は目安にしてください。

  • 相続税の実務経験に乏しい
    相続税の経験が少なく行動が洗練されていない税理士は、相続税申告の要請があったら本で調べながら申告しています。相続税を可能な限り低額に引き下げるには、相続税の実務経験が充実していて節減の要領をよく理解している相続税専門の税理士に依頼するほうがいいでしょう。
  • 相続税関連の税制は毎年改正されている
    相続税や贈与税など相続税関連の税制は毎年改正されており、税制改正の内容によって相続税対策の方法が変わります。過去に有益であった節税手法が唐突に利用できなくなる場合がきわめて多いのが現状です。相続税の件に関して意見を求めるのであれば、相続税関連の税制改正の情報に博覧強記な相続税専門の税理士に相談することをおすすめします。
  • 不動産に必要な知識が少ない
    資産評価の中でもとりわけ税理士の如何によって違いが出やすいのが不動産です。何ゆえに相異なるのかというと、不動産を評価するときに現地調査・役所調査を実行していないことが挙げられます。相続税の金額を低減するのであれば、博覧強記で扱いに慣れている相続税専門の税理士に相談することをおすすめします。

税理士であればあらゆる税務に精通していると思われがちですが、税理士によって得意分野と不得意分野が異なります。

医者に専門領域があるように税理士にも専門領域があるため、相続税の知恵を借りるならば相続税を専門としている税理士にしたほうがいいでしょう。

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・本記事は一般的な情報のみを掲載するものであり、法務助言・税務助言を目的とするものではなく、個別具体的な案件については弁護士、税理士、司法書士等の専門家にご相談し、助言を求めていただく必要がございます。
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