共有名義での相続トラブル｜【仲の悪い姉妹】が換価分割で相続トラブルを避けた事例
更新日：2024.06.21
相談前
ご相談者のお母様が亡くなり相続が開始し、遺産分割と不動産の相続登記の相談に来られました。
相続人は遠方に住む妹さんが一人いらっしゃいますが、子供の頃から妹さんとは仲が良くなく、母親が遺した財産である土地と約２００万円の現金をどのようにしようか悩んでいらっしゃいました。
相談後
相続した土地を姉妹の共有名義にすることを避けるために、１つの土地を２つに分け（分筆し）それぞれ単独の名義にするのがよいのですが、面積的に分筆するに適さない土地の時は、仲の悪い姉妹が共有で土地を持つのもトラブルの元になるので、不動産を売却し、現金を遺産分割することを提案しました。
土地・建物を売却する場合には、土地・建物の売却によって得た現金で分けます。これを「換価分割」といいます。
換価分割は不動産の売却になるので、亡くなった方の名義のままでは売却できません。
そのため、一旦相続人の誰かの名義にし、その後不動産を売却によって得た現金を相続人間で分割します。
この場合のデメリットは売却したことで「譲渡所得税」という税金が余分にかかることです。
しかし遺産分割時に財産の処分も含め、全てを一挙に解決できるというメリットもあります。
この譲渡所得税との関係で、相続開始時から一定の期間内（通常ですと３年）に売却したか否かで、「取得費用に算入できるものが変わってくる」といった 利害得失もあります。
換価分割だからといって、ゆっくりしていられません。
このケースでは特にトラブルもなく、無事に遺産分割協議を成立させることができました。
事務所からのコメント
仮に共有名義にし、そのまま何もしないと数年後、土地の処分を巡り争いが起こり、どちらか一方が反対し不動産を売却等できなくなる可能性が高く、その財産が塩漬けとなり姉妹同士で言い争う結果になっていたかもしれません。
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