遺言執行者の通知義務などの職務を司法書士が代行した事例

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相談前:親族が疎遠な場合の相続についての相談

お父様を亡くされた方からのご相談です。 相続人は、妻と子ども3人。

故人であるお父様は代々家業を営んでおられ、妻と家業を継いだ二女(ご相談者様)にほとんどの財産を相続させるとの旨を、公正証書遺言に遺されていました。

遺言書の中では、遺言執行者としてご相談者様が指定されていましたが、何をすればいいかわからず、また、現在では疎遠になってしまっている長女とも、この件で連絡を取らなくてはいけないのかと不安であるとのことで、今回相談に来られました。

 

▼問題点

•公正証書遺言の中で遺言執行者として指定されたものの、遺言執行者としての義務や職務をどのように果たせばいいかわからない。

•相続人の1人である長女とは疎遠になっており、出来れば直接連絡を取りたくない。

•仕事で多忙のため、自身で遺言執行を行うだけの時間を捻出することが困難である。

•遺産の中には、非上場株式やゴルフ会員権などの特殊な形態の財産も多数ある。そのためにそれらを把握するだけでも煩雑になってしまう。

相談後:親族の連絡や分配手続きは事務所がサポートさせていただきます

▼当事務所からの提案内容

お亡くなりになられた方が、遺言書を遺されていたケースでは、基本的にその内容に沿って相続の手続きは行われます。

さらに、遺言の中で遺言執行者が具体的に指定されていたならば、遺言執行者のみが遺言の内容を実現するための相続手続きを行うことができ、そのほかの人物が手続きを行うことは難しくなります。

相続の際、金融機関によっては相続人全員の同意を求めてくる場合も稀にあります。しかしその時でも遺言執行者がいれば、他の相続人の同意がなくとも、遺言執行者単独で手続きを行うこことが可能です。

ただし遺言執行者には法で定められた義務がありますし、明文化はされていないものの、行うべきとされている職務も存在します。

その義務を万一怠った場合、相続人や受遺者から責任を追及されたり、最悪のケースでは損害賠償責任を負ってしまう恐れもあります。

今回、相続人の一人でもある長女とは音信不通の状態で、次女であるご相談者様は、できれば連絡は取りたくないとのことでした。

しかし、遺言執行者には、相続人への通知義務(民法1007条)、及び相続財産目録の交付義務(民法1001条)が定められており、連絡は免れず、義務として果たす必要がありました。

そこで、ご相談者様に遺言執行者の立場として当事務所の担当へ委任をしていただき、担当が、相続人である長女への通知だけではなく、財産目録の作成・交付、さらに戸籍収集や、相続預金の解約•分配手続きなど、遺言執行者としての職務全般を代行する提案をいたしました。

そして、遺産には、非上場株式やゴルフ会員権など特殊な形態の財産も多く見られたため、これらの詳細な調査、そしてその後の相続手続きに関してもサポートさせていただきました。

 

▼結果

•当事務所の担当が遺言執行者の代理人として、相続人あてに就任承諾の旨と遺言の内容を通知いたしました。

•金融機関あての連絡・残高証明書の取り寄せや、名寄帳の請求など、相続財産の調査全般を代行で行いました。

•遺言執行者の代理人となり、相続財産目録を作成し、各相続人に交付いたしました。 •相続預金の解約・分配や不動産の名義変更等についても、遺言執行者の代わりに全般的に行いました。

•非上場株式やゴルフ会員権などの財産調査及び承継手続きも代行しました。この結果ご依頼者様の負担はほとんどなく、全ての遺言執行と相続手続きを終えました。

事務所コメント:遺言執行者の設定や遺言執行に詳しい専門家のサポートが重要

今回のケースのように、具体的に相続人の一人を遺言執行者として指定しているケースも多く見られます。

相続人全員が円満な関係にあり、故人の持っていた財産の種類も少なければ、遺言執行者が不在であっても、相続人全員の同意のもと手続きを執り行うことで、大きな問題は生じないでしょう。

しかし、遺言を遺しても、実際に効力が発生するのはその後の未来の話です。今は問題がなくても、先々の家族関係には変化が生じているかもしれません。

また、家族の仲に問題は無く円満であっても、家族の誰かが認知症になっていたり、遠方に引っ越してしまっている可能性も十分にあります。

そうなると、遺言執行や相続手続きはかなりの負担となる恐れがあります。 2019年に施行された「改正民法」によって、遺言執行者の権限が明確化されました。

しかしながら、今に至ってもその内容をよく把握しないまま、相続人を執行者にしている遺言は数多くあり、そのために相続発生後に難航するケースもあります。

相続が発生する、いざという時に、大切な家族に大きな負担をかけてしまうことを避けるために、遺言書を作成する際は、遺言執行及び相続実務に特化した専門家にご相談の上、場合によってはその専門家を遺言執行者に指定しておくことを強くおすすめいたします。

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この事例を解決した事務所

 

司法書士法人東京横浜事務所(東京都 渋谷区)

相続専門の国家資格者が、相続手続きをまるごとサポート。同事務所の「相続まるごとおまかせプラン」では、専門的手続きはすべて代行可能であることに加え、約100種類の手続きについても包括的にアドバイス・サポートが可能です。面倒なことは専門家に「まるごとおまかせ」できます。

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