相続を弁護士に無料で相談するには？

ご家族が亡くなられたあとの遺産相続の相談は意見の対立により、相続人同士のトラブルになることがあります。

トラブルになってしまった後、相続人同士で話し合いをしてもなかなか解決することは難しく、それどころか訴訟などの大きな問題に発展してしまいます。

トラブルになってしまったときは弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に相談することで遺産分割のアドバイスや相続に必要な手続きのことを知ることができますし、協議、審

判、調停、訴訟などを通してトラブル解決を見込めます。

無料の弁護士相談を利用して相続問題解決を目指しましょう。

この記事では弁護士相談のメリット、無料弁護士相談の方法、弁護士と相談する際の注意点などを解説します。

相続について弁護士に無料で相談する方法

弁護士への相続相談は基本的に有料です。相続にかかる弁護士費用をできるだけ節約したいという人にとって弁護士相談の費用はできるだけ節約したいものです。

弁護士への相談は基本的に料金が発生しますが、下記の方法を利用すると無料で弁護士に相談することができます。

・法律事務所の無料相談で弁護士に無料で相談する

・法テラスの無料相談で弁護士に無料で相談する

・市役所などの自治体の法律相談会で弁護士に無料で相談する

ここではこの３つの無料弁護士相談の方法を解説します。

弁護士事務所の無料相談(初回)を利用する

最近では初回の弁護士相談が無料の事務所が増えてきています。

相続相談の内容が明らかになっている場合は弁護士との初回無料相談を利用することも一つの手段です。

初回の無料弁護士相談だけで疑問解決ができるのか不安になる方も多いかもしれませんが、相続手続きの全体的な見通しの相談やトラブル解決の手段などを知りたいという方にはとても具体的なアドバイスを無料相談で弁護士から得られるはずです。

次回以降も継続して弁護士と相談することも可能なので問題解決のためのきっかけとしても利用できます。

また初回無料弁護士相談という特性を利用すると複数の弁護士事務所に無料相談可能で、それぞれの弁護士事務所と無料相談し比較することで弁護士サポートの内容の違い、弁護士費用の違い、相続問題につよい弁護士事務所かどうかを見極めることができます。

円滑な相続問題解決には弁護士選びがとても重要になるのでその点でも弁護士との無料相談を利用するのはおすすめです。

その弁護士事務所が気に入れば、相談後、弁護士に依頼の相談をすることもできるので気軽に弁護士へ無料相談してみましょう。

法テラスの無料相談を利用する

無料で弁護士と相続相談を行いたい時、依頼相談をしたいときは「法テラス(日本司法支援センター)」の無料相談をおすすめします。

法テラスとは法律の専門家である弁護士・司法書士と市民がより身近なものになるように設置された公共機関です。

弁護士に相談、依頼したいことが見つかっても経済的な理由で相談費や着手金などの費用を支払うことができないという方には費用の立替払いや無料相談などのサービスを提供しています。

立替払いは収入・資産などの一定の条件をクリアすると利用することが可能になりますが、弁護士費用の立替制度は法テラスが契約している弁護士でしか利用できないため法テラスから弁護士の紹介をもらうか、その弁護士事務所が法テラスと契約していれば、後で立替制度を申請することができます。

自分に適した弁護士事務所がどこなのかを見極めるのが一つの難しい要素ですが、法テラスの無料相談を利用することで条件に合った弁護士事務所を紹介してもらえることができます。

そのまま弁護士との無料相談に移行することができるので弁護士事務所探しにかかる時間を大幅に削減できます。

市役所や区役所の無料相談を利用する

市役所、区役所では不定期または不定期的に無料相談会を開催しています。無料で弁護士や司法書士に相談することのできる貴重な機会です。

無料相談会の開催場所は市役所や区役所内の会議室などで行われており、１枠20分から30分程度の制限時間内で弁護士などの士業に無料で相続相談することができます。

20分〜30分の無料相談なので具体的な相続問題の解決法や、サポートについての相談は難しいですが、どのようにまたは誰に相続相談すればよいか、相続手続きの大まかな流れ、自分に合う弁護士事務所の選び方などの相続全般について相談するとができます。

この無料相談会は開催される市区町村の住民の方であれば誰でも無料で弁護士相談ができるので気軽に相談できますが、無料相談会の参加には事前の予約が必要な場合があるので、開催日時と併せて確認するようにしましょう。

住民には馴染みの深い役所での無料相談会なので最初から弁護士事務所の無料相談へ行くのは腰が重いという方には相続相談のきっかけとしておすすめの手段です。

相続を弁護士に相談するメリット

遺産相続の際、相続トラブルに発展することは少なくありません。

相続トラブルが起きた場合はいち早く弁護士に相談することが重要です。

弁護士はトラブル解決の専門家であり、法的な観点から話し合いのアドバイスや代行を弁護士がしてくれます。

ここでは弁護士に相談することで得られるメリットについて解説していきます。

弁護士との無料相談で相続手続きの全体像が分かる

相続手続きは人生を通しても経験することは少ないです。

初めて相続手続きを行うという方は多いですし、相続の内容によって手続きは細かく変化しますので相続手続きは不安を感じやすいものです。

基本的に相続手続きは手間のかかる作業になるので初めて相続をが1人で進めるのは難しいと思います。

相談先として弁護士を選ぶことのメリットの一つは相続の全体像を相談することができるということです。

弁護士は相続手続きに関して専門的な知識を持っていますので「相続手続きがどのように進んでいくのか」、「何から手を付けるべきなのか」、「手続きに必要な書類や調査は何か」、「どのようなスケジュールになるのか」を弁護士が無料相談の中で詳しく教えてくれます。

すでに相続人同士のトラブルが起きている場合は法的なアドバイスや手続きの相談、必要に応じて協議の代行してくれるので円滑な解決を望むこともできます。

弁護士との相談で相続人として正式な権利主張ができる

相続手続きを行うなかで相続人として正式な権利主張を行うことは相続を行う上で重要なことです。

相続人同士の遺産分割で揉めてしまった場合、または遺言書で偏った相続分が主張されている場合などはどのようにして自身の持つ相続の権利を主張するかがポイントになりますが、弁護士との相談なく主張を行っても法的な根拠が曖昧になってしまい、その主張が通らないことがあります。

代表的な権利主張としては特別受益、寄与分、遺留分がありますが、弁護士に相談することでこれらの主張を弁護士がサポートし、法的根拠に基づいて相続人としての権利を正しく反映させます。

また、弁護士の助けなく、相続人同士だけで遺産分割協議を行うと協議の内容によっては相続人が感情的になってしまい対立関係になってしまうことがあります。

相続トラブルを未然に防ぐために遺産分割協議を弁護士に相談し、相続相談を任せることができます。
弁護士が協議を行うことで公平な結果かつ自分の望む結果を提案してくれます。

弁護士に遺産分割会議の調整を行ってもらえる

遺産分割会議を行うにはまず相続人、相続遺産を確定させたうえで相続人の意見をもとに調整していきます。

この調査にミスがあり、情報に漏れが発生するとトラブルに発展してしまいます。

相続人関係が複雑だったり、相続不動産が大量に存在していたりすると弁護士などの専門家への相談なしでは調査ミスが発生しやすいです。

弁護士に相談することでこれらの調査を全て任せることができるのでトラブルの発生を防ぐことができます。

さらにその後の意見調整も弁護士に任せることができるので円滑な遺産分割を実現することができます。

相続トラブル解決のための弁護士サポート

相続トラブルが発生した場合、相続人同士での話し合いで紛争が解決することは少ないです。

相続トラブルはたいてい複雑な内容となっており、相続人は感情的になりやすいです。

そのような状態でのトラブル解決は難しいため、弁護士に相談して力を借りることをおすすめします。

弁護士であればそれらトラブルに対して法的な立場からアドバイスをすることができますし、トラブルに陥りやすい手続きや調査は代行することができるのでトラブルの原因を未然に減らすことができます。

他にも弁護士は相続人同士のトラブルだけではなく、例えば負債の相続、債権者の対応などの相続遺産にマイナスの要素がある場合のトラブルにも対応できます。

弁護士に相談することで法的な権利を使って対処することができます。

ですので少しでも相続で困ったことがあれば早めに弁護士に相談するようにしましょう。

調停、審判、訴訟を弁護士に任せることができる

遺産分割協議や遺留分侵害請求が進展せず、法的な手続きによって解決を目指さなくてはいけなくなった場合の相談相手として弁護士は適任です。

相続における法的な手続きとは調停、審判、訴訟を指し、話し合いでの協議ができなくなった場合の最終手段です。

弁護士に相談することで裁判所のやり取りを弁護士に一任することができるほか、弁護士が代理人として裁判所に出頭することが可能です。

ほかにも複雑な手続きを弁護士が代行してくれます。これらの手続きは初めて相続を行う人にとっては大変難しいことですし、時間も労力もかかります。

手続きが必要になりそうであれば早めに弁護士に相談し、弁護士のサポートを受けるようにしましょう。

弁護士に相談するべき理由として、他の士業では調停、審判、訴訟の対応が難しいという理由があります。

弁護士以外の士業は調停、審判、訴訟の代行を行うことができません。

もし、弁護士以外の士業に相談したとしても弁護士事務所を紹介されることが多いです。

相続を弁護士に依頼するとかかる費用

ここまで無料弁護士相談について解説してきましたが、実際に弁護士に依頼をするのであればどのぐらいの弁護士費用がかかるのでしょうか。

基本的に弁護士費用は「着手金」「報酬金」「日当」「実費」で構成されており、それぞれにかかる金額を合計したものが最終的な弁護士費用となります。

ただし、この弁護士費用に関しては弁護士への依頼内容や依頼タイミング、弁護士事務所によって変化しますので事前の相談時にその弁護士事務所で費用を確認することをおすすめします。

ここではそれぞれの費用の相場とその費用が発生する仕組みについて解説します。

着手金

着手金とは遺産分割協議の交渉を弁護士に代行してもらうなど、その弁護士に正式に依頼する場合に発生する費用です。

この費用はどのような結果になったとしても弁護士への依頼時に支払わなくてはいけません。
着手金は経済的利益×〇％という計算方法で算出されることが多かったのですが、現在は金額が固定されているこ

とが多く、弁護士事務所によって違います。

費用の目安としては11万〜30万程度ですが、ケースによっては費用が高くなることがあります。

報酬金

報酬金は弁護士に依頼した案件が完了した際に弁護士に支払う費用です。その依頼によって得ることができた経済的利益に応じて費用は変化します。

費用の算出方法は基本的に経済的利益×〇％です。例えば経済的利益が300万円以下の場合は経済的利益×17.6%です。

このパーセンテージは得た利益の額に応じて変化することが多く、その数字はその弁護士事務所によって違うので事前に確認しましょう。

日当

日当は弁護士がその依頼をこなすために出張を行った際、それにかかった費用のことを指します。

相続問題の相談に関しては例えば、遺産分割会議が相談者の家で行われる際にかかる費用や調停、審判、訴訟で相続人の代わりに弁護士が裁判所へ出頭する場合の費用は日当として費用が発生します。

費用の目安は以下のようになります。

この費用もケースによって変化しますので事前に弁護士事務所で確認しておくといいでしょう。

実費

弁護士報酬とは別に案件処理のためにかかった費用を指します。

例えば交通費、郵便料金、裁判印紙代、公的書類取得費、宿泊料などがあります。

遠方の弁護士事務所に相談したり、遠方の裁判所で調停などを行うと弁護士の交通費が高くなり、後々の請求で実費が予想以上にかかってしまうということがあるので注意が必要です。

相続に必要な書類の発行にかかる金額は1通300円から500円程度でケースによって取得すべき書類の量が異なります。

実費費用の目安としては1万円から3万円程度ですが、場合によって変化します。

相続で弁護士に無料相談する際の注意点

弁護士への無料相談は気軽に利用しやすい手段の一つであり、相続問題解決のための1歩として重要なことですが、いくつかの注意点に気を付けなければせっかくの無料相談で得られるものが少なくなってしまいます。

弁護士への無料相談の注意点は主に5つあります。ここでは弁護士無料相談の注意点について詳しく説明します。

無料相談前に把握できている相続遺産の種類と金額を明確化する

無料相談の限られた時間の中で弁護士から有益な相続のアドバイスをもらうには自身の状況を伝えることが大切です。

相続遺産の相談であれば把握できている相続遺産、主要な相続遺産の種類や金額を弁護士に伝えれるようにしておくことで相続手続きの全体像や相続問題などが明確になるかもしれません。

無料相談中に弁護士に依頼しなければいけない内容が明確になればそのまま弁護士に依頼の相談もすることもできます。

弁護士に相続問題の詳細を説明できるようにする

弁護士と相続問題の無料相談をするのであれば相談内容を詳しく説明できるようにしましょう。

例えば遺産分割協議で問題が発生しているのであれば、弁護士にこちらの主張と相手の主張は何なのか、どの要因が協議を難しくしているのかを相談時に説明します。

弁護士に相続問題への介入を求めるのであればこれらの状況説明ができないと弁護士はどのようにサポートすればよいか判断することができません。

特に「誰がどの遺産を欲しがっているのか、そしてその理由は何なのか」「解決が難しい論点は何なのか」を弁護士に説明できるようにするべきです。

希望する解決内容は何か

相続における弁護士の役割は円滑な遺産分割を行うという点もありますが、相談者の希望する形での相続を終えることも弁護士の一つの役割です。

弁護士との無料相談の時に自分はどのような目的で相続を行いたいのか、どういう形で相続を終えたいかということを弁護士に伝えられれば無料相談でより具体的なアドバイスや提案を受けることができます。

例えば「徹底的に相続問題解決まで争う」「円満な解決を目指す」といったような方針を決めておくだけでも大丈夫です。

弁護士と相談中に新たな目標や方針が決まることもあります。

無料相談時に弁護士費用の目安を確認する

弁護士との無料相談時にそのまま弁護士に何か依頼する流れになるかもしれませんが、その前に弁護士費用がいくらぐらいになるのかを無料相談で確認することをおすすめします。

弁護士費用は弁護士事務所によって異なることが多く、このぐらいの金額だろうと考えていると予想以上の費用を請求されることがあります。

また弁護士への依頼相談時に説明がなかった費用が発生し、弁護士とトラブルになることもあるので無料相談で、正式依頼した場合の弁護士費用について相談するようにしましょう。

無料相談で弁護士を比較する

弁護士との無料相談を利用することのメリットの一つは複数の弁護士事務所を比較することができるということです。

弁護士によっては相続に強い弁護士、債務整理に強い弁護士のように得意分野が異なります。

自分の目的にあった弁護士を見つけるには複数の無料相談に参加し、信頼できる弁護士かどうか、自分と相性のよい弁護士かどうかを無料相談時に見極めなければいけません。

相談者と弁護士には相性の問題もあり、これは実際に話をしてみないと分からない部分です。

相続でトラブルになりやすいポイント

・特別受益

特別受益というのは相続人だけが亡くなった方から生前贈与や死因贈与などで相続を受け取ることです。

「持ち戻し計算」という計算法により特別受益で受け取った金額を相続分を算定する際に考慮します。

この場合、相続人によって受け取ることのできる相続分が変化するので、相続人同士のトラブルへ発展しやすいです。

・寄与分

寄与分とは一部の相続人が被相続人の事業に協力した場合や介護を行っていた場合などにその相続人に相続分を多く受け取ることを認めるというものです。

寄与分が発生すると他の相続人の相続分は減るのでトラブルに発展しやすいです。

・遺留分侵害

被相続人の兄弟姉妹以外には、相続のできる最低保証額である「遺留分」が認められています。

遺言書や生前贈与によって偏った遺産分割が行われ、遺留分以下の財産しか相続できない場合があります。

この状況を「遺留分侵害」と言います。この状況を覆すために「遺留分侵害請求」を行うことができ、金額を受け取ることができます。

ただし、時期によって金額が変動するので相続人同士で大きなトラブルに発展することが多いです。

・遺言執行

被相続人は遺言書の中で遺言の執行者を定めることが可能です。

遺言執行者になった人は遺言内容に従って財産の移動や名義変更などの手続きを行わなければいけません。

弁護士などの専門家が執行者に任命された場合は問題ないですが、相続人の中で執行者が選ばれた場合、手続きなどがスムーズにいかない場合があります。

また、遺産分割についてクレームが発生することがあり、その場合の対処ができないことが多いです。

・不動産の分割方法

不動産を分割する方法には共有分割のほかに3つの分割方法があります。

1つは現物分割という手段です。建物を分割するのは難しいですが、土地を分筆することによって現物分割することができます。

2つ目は代償分割です。相続人の1人が全ての不動産を相続し、その他の相続人に対して代償金を支払います。代償金の額はその時によって変化します。

3つ目は換価分割です。その不動産を売却し、それで得た金額を相続人同士で分割します。不動産を売却するので相続人同士での相談が重要です。

不動産相続は不利に働くことがあるのでスムーズな協議が難しく、分割方法についても弁護士抜きでの相談は決定に時間がかかることがあります。