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相談前：【相続人が前妻の子と後妻と後妻の子の手続きを第三者に任せたケース】

ご主人を亡くされた方からのご相談

相続人は5名。
相談者は後妻であり、他には前妻の子が2名に加え、相談者の子2名は連れ子であるが、被相続人と養子縁組をしている。
相談者と前妻の子は連絡を取ることはできるが、関係が複雑なため慎重な対応が必要。
そこで、相続後も円満な関係が保てるよう、第三者に協力を依頼したいと相談に来られました。

▼問題点
・遺産分割協議をおこなう際、複雑な関係の相続人と連絡を取り合ってまとめる必要がある。
・公平な遺産分割をおこなわなければならず、徹底した財産調査および財産目録の作成と開示が重要。
・後妻の子は財産を欲していないこともあり、負担を軽減したい。
・相続人はそれぞれが離れて暮らし、忙しくしているため、自分たちだけで相続手続きをおこなうのは困難。
・相続手続きを誰か1人がおこなうなど、担当した人だけが苦労しないようにして欲しい。
・不満の残らない遺産分割にする目的で、公平な第三者に分配も手続きも任せたい。

相談後：相続人が複雑な関係の場合の相続手続きの進め方

▼当事務所からおこなった提案の内容
複雑な関係の相続手続きでは、慎重に話を進めていかなければ、感情的になり、話し合いが中断してしまうこともあります。

今回のような、前妻の子と後妻、亡くなった方と血縁関係のない子がいる事例は、代表的な例ですが、前妻の子と後妻の仲が悪くないためそのような心配は無用でした。

しかし、それぞれの考え方の違いがあり、連絡を取る際の言葉一つ、手続きを進める際の説明など、細やかな配慮が必要です。

その他の注意点として、財産調査を徹底しておこない、その結果を基にした財産目録の作成と開示が該当します
公平な遺産分割には欠かせませんし、相続人全員に開示することで、双方が納得し、間に入った第三者信頼できることを印象付けることができるからです。

たとえ第三者に手続きを任せても、財産目録の開示をおこなわず、すぐに遺産分割に入ろうとすると、信頼関係を築くことができません。

話し合いはいったんこじれると、修復には時間もかかり、以前のような関係に戻ることは不可能です。

今回の事例では、遺産分配に関しては、法定相続分でおこなうことは早い段階で合意できました。ところが、相続人のどなたも忙しく、遠方の方もおられ、負担が偏らない配慮をおこなったため時間がかかってしまいました。

そこで、当事務所が代行できる戸籍の収集や財産調査および財産目録の作成と開示に加え、遺産分割協議のとりまとめや手配を一括で依頼いただくよう提案しました。
さらに、遺産分割が成立後の相続預貯金の解約並びに分配、不動産の相続登記も手掛けさせていただくことも盛り込んだ提案にしました。

▼提案に対する結果
・それぞれの相続人に対し、相続手続きの説明と協力依頼の連絡をおこないました。
・不動産や預貯金だけに限定せず、証券やゴルフ会員権などの金融資産についても厳密に調査し、その結果を基に作成した財産目録をすべての相続人に開示しました。
・遺産分割協議により、法定相続分を基本とすること、後妻のお子さんの相続分はお母様に譲ることで合意した内容の遺産分割協議書を作成し、署名並びに捺印を頂戴しました。
・預貯金の解約および分配、証券の移管手続きを代行し、迅速かつ公平な手続きにて済ませました。
・不動産の相続登記に加え、ゴルフ会員権やその他の名義変更も全て手続きを代行し、相続人の特定の方に負担がかかることを避け、受注した業務を完了しました。

事務所コメント：相続人の関係性が複雑な場合の注意点

相続では、どんなに良好な関係であった家族でも、それまでに経験したことのない争いになることも多くあります。

血縁関係にあり、一緒に暮らした家族でも起こることですので、今回のような複雑な人間関係の場合は、よりていねいに話を進めなければなりません。

また、意外に思われるかもしれませんが、相続手続きの負担は、主に事務的な内容です。

ほとんどは代表者の方がおこないますが、遠方の相続人への電話での説明は、専門的な内容も多く、本当に伝わったかわからないことも多くあります。

また、重要な書類を郵送する作業も多く、通常の手続きとは異なるため、不慣れな方は面倒に感じることもしばしばです。

しかし、他の相続人にはこのような苦労が伝わらず、ちょっとした一言が感情のもつれにつながるなど、関係が徐々に悪化してしまいます。

取り返しのつかない事態になるより、公平な第三者に任せると、多少費用はかかりますが、今までの関係を保持したまま、確実でスピーディーな相続手続きにすることが可能です。

人間関係が複雑な場合、相続手続きには専門家に任せ、負担の偏りをなくし、公平な遺産分割になるようにしましょう。

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この事例を解決した事務所