地元の皆様に親しまれる司法書士を目指して
今回インタビューしたのは、相続分野でも特に相続登記(土地・建物の名義変更)の実績がある長野県上田市の上田佐久司法書士事務所です。
代表の塩川洋昌先生は、司法書士・行政書士・宅地建物取引士の国家資格者であるため、不動産の登記簿の所有者を変更する相続登記のことならなんでも相談できる安心感があります。そんな塩川代表に、地域密着をモットーにリーズナブルな相続手続きサポートを提供していきたいという思いや、相続登記を後回しにする危険性、司法書士に依頼するべき理由についてお伝えします。
司法書士を目指された理由は?
法律は正しく知らないと損をすることがある。そのことを知ってから、法律に携わる仕事がしたいと思うようになりました。きっかけは私の親族のできごとです。
親戚から「亡くなってから不動産の名義変更をするのは大変だから、今のうちにしておいたほうがいい」と言われました。いわゆる生前贈与ですね。しかし、生前贈与は贈与税・不動産取得税が課税されるかもしれません。
相続人が1人だけで、争いにならないようであれば、贈与税・不動産取得税を払ってまでするべきではないといえるでしょう。しかし、贈与税・不動産所得税がかかったとしても生前贈与をするべきというケースもあります。いずれにしても、法律の正しい知識がなければ、どうするべきなのか判断するのも難しいものです。
だからこそ、地元の皆さまに親しまれ、気軽に相談ができ、正しい法律の知識で自分自身の身を守っていただけるよう、司法書士を目指しました。
司法書士の分野でも特に相続登記に注力している理由とは?
相続登記とは、土地や建物の名義変更を行うことです。相続登記をしないままでいるのはとてもリスクがありますが、一般の方にはほとんど知られていません。相続登記は皆さんが思っている以上に重要なものなのです。
では、どのようなリスクがあるのか。例えば、お父さまが亡くなられたとします。相続者はお母さま、そして2人のご子息としましょう。なお、次男は自宅を新築した際のローンがあります。仮に、相続登記をしないまま、次男がローンの延滞をしたとしたらどうなるでしょうか。
次男の住宅ローンの債権者は、母親・長男・次男の共有名義、つまり債権者代位の相続登記となっています。ここで、次男の持分の差押をすると、長男の単独名義で相続登記ができなくなってしまうのです。もし、長男の単独名義で相続登記をするなら、債権者に対して長男が次男の借金を弁済して差押を取り下げてもらわなければなりません。お父さまが亡くなられたときに相続登記をして長男の単独名義にしておけば、このようなことにはならなかったでしょう。
これはあくまで一例ではあります。しかし、相続登記をしないまま放置するリスクは、他にもたくさんあるのです。ですが、役所ではすぐに相続登記をするべきとは言ってくれません。だからこそ、我々が地元の皆さまの相続登記をサポートすることでお役に立てたらと思っています。
相続登記での強みを教えてください
私は司法書士だけでなく、行政書士・宅地建物取引士の国家資格者です。相続登記において見落としがちな未登記建物などの相続から、古い担保権の抹消にも対応できます。
残念ながら、登記簿に担保権が付着しているにも関わらず、相続登記だけをすませたり、未登記建物の相続を放置したり、取り壊した建物の登記簿をそのまま相続登記したりする司法書士がいますが、我々上田佐久司法書士事務所は、相続登記に力を入れておりますので、そのようなことはございません。
登記簿に担保権がついていると、完済していたとしても買い手がつきません。したがって、相続登記で担保権が判明した場合は、同時に抹消するべきなのです。
我々は、相続登記で古い担保権があれば、すぐにお客様にお知らせして、完済していて抹消できるのであれば抹消するようにご案内しております。最終的には、相続登記の名義変更とともに、ついていた担保権もなくなり、きれいな状態の登記簿がお渡しできます。
もちろん、未登記建物の登記が必要であれば、土地家屋調査士と対応いたしますのでご安心ください。
実際に相続登記についてどのような相談がありますか。
「預貯金の相続手続きは自力でできたけど、不動産だけはどうにもならなかった」という相談はよくあります。
特に都市部では預貯金から不動産まで、すべて司法書士に依頼するのは珍しいことではありませんが、地方だと預貯金まで自分でしてしまうことがほとんどなのです。ですが、不動産の登記は預貯金より手続きが面倒なため、途中で断念することになるのだと思います。
不動産の相続登記は、難しい手続きとなるので、無理をせず司法書士を頼っていただきたいです。
これまでで印象的だった相続登記事案があれば教えてください。
おじいさまの名義のままになっている土地・建物があり、このままにしておいていいのかというご相談がありました。
登記記録からおじいさまの名義のままになっていることが確認できましたので、すぐに相続登記をするべきだとお話ししました。必要な書類が取得できなくなってしてしまうこともそうですが、時間の経過とともに捺印をもらわなければいけない相続人が増えたり、相続人同士の関係性も希薄なものとなり、円満に話し合いができなくなってしまうためです。
その時も、相続人ではない親戚が遺産分割協議書の内容に納得できないと揉めてしまいました。相続では珍しいことではありませんが、相続登記を長年放置すると、このようなトラブルになりかねません。これを機に、改めて地元の皆さまのために、相続登記をそのままにするリスクを知ってもらうとともに、相談を呼びかけていきたいと思いました。
上田佐久司法書士事務所のこれからの展望をお聞かせください。
我々上田佐久司法書士事務所は、長野県上田市で15年以上の相続の実績があります。実際、複数の金融機関から相続の紹介実績があり、長野県司法書士会上田支部の理事、上田市役所の都市計画審議会委員を歴任しているため、地元でも信頼をいただいていると自負しております。
ですが、法人化したり支店を出店したりなど利潤追求はしたくありません。あくまで地域密着をモットーに、できるだけ経費をかけず、リーズナブルな相続手続きをご提供していきたいですね。
近所のクリニックのように気軽に相談してほしい
「近所のクリニックのように、法律での困りごとがあったら、気軽に相談してほしい」と語られる塩川先生。
お話をおうかがいして、地域に貢献したい、役に立ちたいという塩川先生の気持ちがよく伝わってきました。
また、司法書士というとかたいイメージを抱く人もいるかもしれませんが、学生時代は仲間と一緒に卓球で日々汗を流していたとのことで、近寄りがたい雰囲気は一切なく、やわらかな印象でインタビューもスムーズに進みました。
相続が発生した時に、自分たちだけで相続登記を行うことは難しいということがわかりました。ですが、「相続登記はしておかないといけない!」という知識があるのとないのとでは、前述のようなリスクにさらされる危険度が異なってきます。
「相続登記は必要なもの」という認識のもと、塩川先生のように相続登記に力を入れている司法書士に相談するのが安心だと感じました。