相続の実績が豊富な専門家の中から、
ご希望に合った相談先を簡単に探せます。
解決事例数ランキングも掲載しています!
目次
相談前:事業の安定継承のため後継者以外の子供に遺留分を放棄してもらいたい
遺言書の作成を含む相続対策や事業承継対策をご検討中の方からのご相談。現時点で推定される相続人は妻と子供3人の計4人。
不動産が財産の大部分を占めており、不動産の多くには事業資金融資の担保として抵当権が設定されているため、将来的に会社の経営に問題が生じることがないように、後継者である子供にほとんどの財産を相続させたいという事で相談にいらっしゃいました。
▼問題点
・遺言書を作成すれば、後継者である長男にすべての財産を相続させたいという希望は叶うものの、相続が開始した後に遺留分の請求をされる可能性が考えれられる。
・遺留分の請求を絶対にさせないようにするには、生前に他の相続人に「遺留分の放棄」の手続きをしてもらう必要がある。
・経営していた会社の株式は妻も持っているため、確実に後継者に相続させるためには夫婦両方についての遺言書を作成しておかなければならない。
・財産を貰う側には負担とならないよう、亡くなった後の手続きについての対策をしっかりしておく必要がある。
相談後:遺言書を作成し他の相続人には遺留分の生前放棄手続きを認めてもらう
▼当事務所からの提案内容
中小企業の場合、創業者が大株主であり、会社そのものであることが多く、事業融資を受ける際には代表者個人が所有する不動産を担保とするケースも珍しくありません。
今回のケースも、所有する不動産の大部分に経営する会社を債務者とする(根)抵当権が設定されていました。
この状況で何も対策をしないまま相続が発生すると、将来的な会社の経営に大きな影響が出る可能性があります。
また、遺言書を作成して後継者である長男に不動産を相続させることができたとしても、もし他の相続人から遺留分(法定相続人に最低限認められている取り分)を請求されてしまうと、長男は遺留分侵害額相当の金銭を用意しなければならず、仮に用意できない場合は不動産の差押等を行われる恐れもあり、やはり会社経営に深刻な影響となる可能性がありました。
このような場合、生前に「遺留分の放棄」の手続きをすることで、死後に起こる可能性があるリスクを減らすことができます。
遺留分の生前放棄のためには家庭裁判所に対して申立てを行い、認められる必要がありますが、放棄が認められれば、その相続人は死後に遺留分の請求をすることはできなくなります。
遺留分の生前放棄が認められるには、「本人の自由意志」「放棄の理由の合理性・必要性」「放棄の代償(見返り)」という3つの要件を満たしている必要があります。
幸いなことに今回は、他の相続者にあたるお子様二人はすでに相談者様から十分な額の贈与を受けていたため、担保付きの不動産を相続するつもりは全くないとのことで、問題ない手続きがすすめられそうでした。
当事務所で遺留分放棄の許可申立て手続きに必要となる書類の収集や作成、提出、照会書についての回答などの一式をサポートさせていただくとともに、公正証書遺言の作成のお手伝いもさせていただくことになりました。
また、経営していた会社の株式についても、相談者様の他に奥様も所持していたため、相続の際に問題が発生しないよう、ご夫婦それぞれに遺言書を作成していただきました。
▼結果
・遺留分放棄の許可申立てを行うには、被相続人の財産目録を提出する必要があるため、当事務所で資料を集め、目録の作成を行いました。
・遺留分放棄のための要件である「放棄の理由の合理性・必要性」を裁判所に簡潔に伝えるため、申立ての事情を詳細に記載した「上申書」の作成を行いました。
・作成した書類一式は、戸籍謄本などの必要書類と併せて家庭裁判所へ提出して、遺留分放棄の許可申立てを行いました。
・申立ての後に裁判所から届く「照会書」については、その意図をわかりやく説明し、正確な回答ができるようサポートしました。
・申立て時の書類や照会書の提出により、十分に審議が可能との判断になったため、裁判官との面接は省略されました。
・申立てから2か月ほどで、放棄が許可されました。
・遺留分放棄の手続きと併せて、長男に大部分の財産を相続させるという内容の遺言を、公正証書で作成しました。
・夫婦それぞれが遺言書の作成を行い、自社株式を確実に後継者に相続させるようにしました。
・遺言書にて当事務所を遺言執行者に指定いただきました。これから先、相続が発生した場合似必要となる様々な手続きについての負担が無くなったことで、遺言者様亡き後も安心していただくことができました。
事務所コメント:事業用資産の継承対策は様々であり適した対策は専門家への相談が必須
個人が所有している財産に、事業に関連する財産が含まれる場合、相続をきっかけにして経営が立ち行かなくなることは珍しくありません。
事業用資産の承継対策として考えられるのは、遺言書+遺留分の放棄や、民法特例の「除外合意」を利用するなどいくつかの方法がありますが、どの方法が適しているのかは経営状態や株主の構成、家族関係など様々な要因によって異なります。
事業承継が絡んだ相続の場合、知識の無い方がネットや本で調べた情報で対策を行ってしまうと、後々に取り返しがつかない事態になることも多々あります。
事業を安定して経営していくためには、確実に後継者に自身の持つ自社株式や事業用資産を相続させる必要がありますが、そのためには専門家の関与は欠かせません。
これまで育ててきた事業を次世代に受け継ぎ、将来的に更なる発展を目指すのであれば、遺留分の放棄をはじめとした相続対策や事業承継対策全般に強い専門家に相談することをおすすめします。
* * * * * * * * *
この事例を解決した事務所
司法書士法人東京横浜事務所(東京都 渋谷区)
相続専門の国家資格者が、相続手続きをまるごとサポート。同事務所の「相続まるごとおまかせプラン」では、専門的手続きはすべて代行可能であることに加え、約100種類の手続きについても包括的にアドバイス・サポートが可能です。面倒なことは専門家に「まるごとおまかせ」できます。
事例を参考にすると相談もスムーズ!お近くで相続の専門家を探せます
つぐなびでは全国の相続に強い専門家から、あなたの希望に合った相談先を簡単に探すことができます。
多くの事務所が相続の初回相談無料/土日相談対応可・出張訪問やオンラインでの相談可、と相談しやすい事務所を厳選しています。
下の検索窓で専門家の種類と地域を選択し検索できます。お近くの事務所で是非「こんな事例を見たのですが、、、」と相談してみてください。
事例掲載数は国内最大級!
▼その他の解決事例はこちらで検索▼
※本記事は、掲載事務所として記載された事務所によるものです。本サイトの運営者は本記事の内容についてご対応は出来ず、掲載事務所への紹介・斡旋はしておりません。本記事の内容については、掲載事務所までお問合せをいただくようお願い致します。
※本記事でご紹介する解決事例については、掲載事務所において具体的な事件の特定を防止する目的で一部内容の変更を実施している場合がございます。
※本記事は、解決事例が生じた時点の法令に基づくものであり、その後の改正等を反映するものではありません。