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相談前：相続財産を調べたら親族で共有する預金口座があった

離れて暮らしていたお父様がお亡くなりになられ、相続手続きのご相談をいただきました。 相続人は、子であるご相談者お一人です。

お父様とは離れて暮らしていたこともあり、遠方の不動産などを含めた財産の確認や、諸々の手続きを行うのが難しいとのことでした。

仕事柄、お休みが取りにくいとのことでお困りになっておられました。 財産のお話を詳しくお聞きしている中で、お父様名義の財産ではあるけれど、数名の親族で共同管理している預金口座があることが発覚したのです。

▼問題点

・数名の親族と共同管理している預金口座は、継承・処理の方法をその親族と話し合う必要がある。

・相続財産のすべてが遠方にあるため、ご相談者様自らが時間を取って現地に確認に行くことが難しい。

今回のケースにあるように実際に財産を管理し、処分する権限を持つ者と財産の名義人が異なっている財産を、「名義財産」と言います。名義だけの財産という意味を持ち、相続税申告の際に問題となることが多いものです。

名義財産の多くは、親が子の名義で銀行口座を作るなどのケースがありますが、今回のケースでは、お父様の父である祖父の相続の際、その相続財産の預金の一部を今後の実家財産維持のために使っていこうとご兄弟で話し合われ、代表者であるお父様名義の口座に移され、現在までその目的の通りに使用されていたという珍しいケースでした。

相続税の申告が不要なケースであったため、税務上の問題は起きない見込みでした。しかし、財産の実態が名義財産となっているお父様名義の預金口座について、承継や清算の手続きをどう進めていくべきか、慎重に検討する必要があります。

名義財産であっても、金融機関等での手続きでは、あくまでも口座名義人による手続きを求められ、亡くなっている場合には、その相続人が手続きを行います。

複雑な手続きとなることが予想され、ご相談者様もお忙しいとのことでしたので、名義財産を含むすべての相続財産を承継する一切の手続きを代行することを、ご提案させていただきました。

共有財産の預金については、他の親族と話し合い、その内容に従って清算方法を決めることとしました。

相談後：名義財産を含めたすべての相続財産の各種手続きを代行

・書類の収集、関係各所への連絡などを当事務所で代行し、ご相談者様が現地に行くことなく各手続きを完了しました。

・名義財産であった預金口座は、口座名義人の相続人代理として、相続手続きを進め、一旦ご相談者様名義の口座に払い戻しをさせていただきました。

・親族で話し合いをしていただき、上記預金は一定の金額を親族で分配することとなり、そのように手続きさせていただきました。

・その他相続に必要な手続きを代行し、ご相談者様に負担をかけることなく、無事にすべての手続きを終わらせることができました。

事務所コメント：遺されるご家族の負担を減らす対策を考える

被相続人名義の財産だったとしても、実態が名義財産であった場合には、税務上の処理や承継方法について検討する必要があります。

手続きは基本的に財産の名義人が行い、亡くなられている場合には相続人が行いますが、銀行印が見つからないなどの場合には、手続きにさらなる時間がかかるでしょう。

また名義財産を複数人で共有していた場合には、清算方法や処理方法をめぐって共有者同士で、争いに発展してしまうケースもよくあります。

亡くなる前に「良かれ」と思って名義財産にされたのでしょうが、残された方に取っては大きな負担となってしまいます。

ご家族に過大な負担をかけないためにも、生前の相続対策を実行する前に、相続に詳しい専門家に相談した上で行うことがおすすめです。

さらに言うならば、名義財産とわかるものを見つけた場合には、自分だけで勝手に判断せず、やはり専門家に相談してから親族へ連絡するなどすると、揉め事になりにくいでしょう。

相続についての各種手続きは、当事務所でご相談を承っております。ご依頼をご検討中の方に限り、相談料は無料です。

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