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相談前：【ローン返済中の車を相続して売却する際の手続きに対応したケース】

叔父様が他界された方からのご相談。

被相続人には配偶者や子、父母、兄弟姉妹がいないことから、相談者である姪1名が相続人。
遺産は、不動産や預貯金以外に、ローンを返済中の自動車が1台ある。
自動車はローン残債より遺産の方が多いことから、相続放棄は想定していない。
しかし、相続手続きは不慣れであることから、自動車ローン返済および車の売却も併せて、すべての手続きを任せたいとのご相談でお見えです。

▼相談の問題点
・ローンの借入先である信販会社に連絡し、自動車ローンの残高および返済方法について相互に確認が必要。
・ローン返済中のため、車の所有者が信販会社または販売会社になっていることもあり、その際は所有権解除の手続きをおこなわなければならない。
・自動車を買取業者に依頼して、見積を取るなど売却するための手続きが必要であるが、遠方に住んでいることから相談者本人が対応できない。
・相続手続きをおこなうための戸籍謄本等が必要。
・相続人が自分1人であり、不動産の相続登記や預貯金の解約などの手続きを自分だけでおこなわなければならないが、不慣れなため負担が大きい。

相談後：カーローンが残った自動車の相続と売却への対応

▼当事務所からおこなった提案の内容
被相続人に借金やローンなどがあった時は、相続人が引継ぎます。

カーローンは自動車の購入を目的に組む債務のため、相続放棄をする以外は、残額を支払うのは相続人です。

また、自動車の相続は、必要書類である戸籍謄本などの準備をおこなって、名義変更の手続きもしなければなりません。

とはいえ、自動車は、ローン返済が終了するまで、信販会社や販売者が所有者、購入者が使用者など「所有権留保」になっていることもあります。

このときは、残額を返済は債務を相続した人がおこない、完済後、自動車の相続人に所有権が移転します。

今回のケースを当事務所が確認したところ、自動車の所有者は販売会社（ディーラー）でした。

そこで、販売会社並びにローンを組んでいる信販会社に連絡し、当該ローンの残額および返済方法、返済後の所有権解除の手続きについて確認することを提案しました。
その後、債務の清算と所有権解除に関するサポートも併せたプランです。

さらに、相続人のほうから、自動車の継続使用はしないこと、売却して換金したいとの要望も受けています。

この点について、販売会社に下取りできるかを質問したところ、自社よりも中古車買取専門業者に依頼するほうが、高値での売却が期待できるとの返事でした。

このアドバイスにより、当事務所で中古車買取専門業者に複数連絡し、見積もりは弊社立会いのもと現地で査定することとし、売却手続きまでお手伝いすることとしました。

▼提案に対する結果
・自動車の販売会社、ローンを組んだ信販会社に連絡し、ローンの残額と返済方法の確認およびその後の所有権手続きを調査しました。
・カーローン返済後、所有権解除に必要な書類を提出するなど準備を整えました。
・複数の中古車買取専門業者に連絡し、見積もりを取る際の現地での立会い、売却手続きを手伝いました。
・戸籍謄本など相続手続きに必要な書類の収集をすべて相続人に代わっておこないました。
・必要書類を整えた後、不動産の相続登記並びに預貯金の解約などの手続きもおこない、相続人の負担を軽減して手続きを完了しました。

事務所コメント：ローンが残った自動車の相続

被相続人の自動車を処分することはよくありますが、ローンの支払いが残っている場合は簡単ではありません。

今回の自動車は新車に近い年式であったため、買取価格も高額になり、他の遺産と合算すると大幅なプラスになりました。
この試算に基づき、債務の返済もおこなうことにしましたが、残債額が多い場合は、相続放棄を視野に入れることも必要です。

相続放棄をおこなうときは、ローンを組んでいる自動車のみならず、原則として、現金や預貯金など他の相続財産を引き継ぐことはできません。

また、自動車の査定価格に関して、100万円以下の場合は、複数の相続人がいるときでも、代表者だけで処分は可能です。
とはいえ、勝手に処分をして、後でトラブルになることもよく起こります。

相続は、認識が誤ったままでは、後から取り返しのつかないことになりかねません。
ローンの支払いが残った債務があるときは、1人で判断せず、相続の専門家に相談しましょう。

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この事例を解決した事務所