法律を超える唯一の方法は“円満な人間関係”
~2,000件の相談実績から導く「もめない相続」の本質~

浜松市で開業以来、数十年にわたり地域に根差した活動を続ける名波司法書士事務所。代表の名波直紀司法書士は、累計2,000件以上もの相続相談に対応してきた相続のスペシャリストです。
金融機関からも講演依頼が絶えない名波司法書士が何よりも大切にしているのは、「相続は人間関係の縮図」という視点。
今回は、法律手続きだけでは解決できない家族の「想い」を紐解き、円満な解決へと導く核心に迫りました。
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「人生を変えたい」
~挫折と出会いから始まった司法書士の道~
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――司法書士を目指したきっかけを教えてください。
もともと父が土地家屋調査士を営んでおり、資格を活かした仕事に漠然とした憧れはありました。
大学時代、「このまま人生を終わりたくない」という想いから弁護士を目指し、司法試験の勉強を始めたのですが、残念ながら挫折してしまい、一時は途方に暮れていました。
そんな時、高田馬場の書店で偶然、私の師匠となる司法書士の先生のビデオメッセージに出会ったんです。
「資格で人生の選択肢を増やせ」という言葉に心を打たれ、その足で事務所を訪ね「弟子にしてください」と直談判しました。
すると先生に、「君は負け癖がついている。まずは宅建試験に受かって“勝ち癖”をつけてこい」と言われました。
その言葉に奮起し、約1ヶ月猛勉強して合格したことが、司法書士を目指す大きな原動力になりました。
――勝ち癖をつけたことが、大きなエネルギーになったのですね。
実はもう一つ、大きなエネルギーがありました。
司法書士試験の合格を目指して必死に勉強していた1年間、心の中に「この人に認めてもらいたい」と思える大切な存在がいたのです。
その想いが、苦しい時期を乗り越える強い支えになりました。
こうした経験から、私は人の「想い」が持つ力の大きさを実感しました。
司法書士になってからは、今度は自分が誰かの想いに応え、人の話に耳を傾けることで人生が変わる喜びを感じています。
20代で開業した当時、浜松市で最年少の司法書士として、多くの方からご相談をいただけた経験は、私の原点になっています。
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「理解の順番」
~法律論争を“話し合い”に変える唯一の方法~
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――数十年にわたるご経験の中で、相続において最も大切にされていることは何ですか?
案件そのものよりも、相談に来られる方の「背景」を深く理解することです。
特に相続では、ほとんどの問題が法律ではなく「人間関係」から生じます。
だから私は、手続きの話の前に、まずその方の背景にあるご家族の歴史や関係性を、一生懸命お聞きします。
相続問題で揉めている方に必ずお伝えするのは、「理解の順番」についてです。
「相手に自分のことを理解してもらいたかったら、まず自分から相手を理解することがスタートですよ」とお伝えします。
多くの方は「相手が話を聞いてくれない」と悩んでいますが、実は相手も全く同じことを思っているのです。
――法律で解決するのとは、全く違うアプローチですね。
法律で解決するのは、いわば「北風と太陽」の北風です。
無理やり結論は出せても、誰も本当の意味で納得はできません。
法律を超える唯一の方法は「人間関係」しかないのです。
つまり、「太陽」のように相手の心を温め、話し合いができる関係を築くこと。
それができれば、法律の規定とは違う形であっても、全員が納得のいく解決が可能になります。
以前、親の相続で相談に来た男性には弟さんがおり、遺産分割協議をする前に弟さんに弁護士がついてしまいました。
弟さんと全く話ができず、「長男の自分が相続することは弟もわかっていたはずだ」と嘆く男性に、私は「今までご自身の思いは伝えても、弟さんの思いは聞いてきましたか。一度、そのことを謝ってみては?」とアドバイスしました。
数週間後、そのお兄さんが満面の笑みで事務所に駆け込んできて、「先生の言う通りにしたら、遺産分割協議書に判子をもらえたよ!」と報告してくださった時は、本当に嬉しかったですね。

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「相続は後戻りできない」
~未来を見据えた“三つの準備”~
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――男性とのやりとりは、法律相談というよりも人生相談のようですね。
私は、民間調停(ADR:裁判外紛争解決手続)の専門家として、活動しています。
これは、法律を一方的に当てはめるのではなく、当事者同士の対話を通じて、実情に合った柔軟な解決を目指す「メディエーション」という手法です。
その経験から、揉め事の本質は、お金や法律ではなく、幼い頃からの感情の積み重ねにあると確信しています。
だからこそ、私の相談は自然と人生相談のようになっていきます。
相談者の方には「揉めている相手は、あなた自身を映す鏡ですよ」とお伝えすることもあります。
相手を変えようとするのではなく、まず自分自身の心と向き合うことで、相手との関係性が変わり、問題が解決に向かうことは少なくありません。
――相続に悩む方へ相続への向き合い方や専門家との向き合い方についてアドバイスをお願いします。
私が一番お伝えしたいのは、「相続は後戻りできない」ということです。
一度手続きを進めてしまうと、取り返しがつかないケースが非常に多いのです。
例えば、親御さんに借金があるかもしれないのに、預金を引き出すなど財産に手をつけてしまうと、「相続放棄」ができなくなる可能性があります。
また、ご自身で書かれた遺言書の8割は、法的に無効だったり、相続人同士の不公平感を煽ったりと、かえってトラブルの原因になってしまうこともあります。
だからこそ、「何をしたらいいかわからない」という段階で、どうかお一人で抱え込まず、私たち専門家にご相談ください。
早めに専門家と繋がることで、皆様が安心して次へ進むための「交通整理」をさせていただきます。
意見が対立して弁護士さんが必要なのか、税金のことで税理士さんが必要なのか、あるいは司法書士だけで十分解決できるのか。
その見極めだけでも、大きな安心に繋がるはずです。
また、私たちは相続開始後に財産の分け方を決める遺言書だけでなく、元気なうちの財産管理方法を決めておく「財産管理契約」や「家族信託」を組み合わせた『ダブル対策』に力を入れています。
さらに、想いを形にする選択肢として生命保険の活用も加えた『三つの準備』という総合的な視点で、皆様の大切な財産と家族関係を守るお手伝いをいたします。
初回の相談は無料ですので、浜松で相続にお悩みの方はぜひご相談ください。
ご家族にとって最善の形を一緒に考えていきましょう。
(ライター・荻野 光希)
