生前対策から相続手続き、ペットに財産をのこす信託までサポート
相談者の思いを第一に考える郡谷代表の信念

相続の業務とは無関係に思える相談者の話にも丁寧に耳を傾けることをポリシーに、累計3,000件の相続の相談に応じてきた司法書士・行政書士 郡谷事務所の郡谷優子代表。
遺言書の作成や成年後見などの生前対策から相続発生後の登記はもちろん、ペットのために財産をのこす「ペット信託」にも取り組んでいます。
司法書士を志したきっかけや相続業務にあたるうえで重視していること、ペット信託制度の内容などについて、詳しくお話を伺いました。
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「直接的に人の役に立ちたい」と司法書士へ
話を丁寧に聞くことで育まれる相談者との信頼関係
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――司法書士を志したきっかけを教えてください。
昔から、間接的ではなく直接的に人の役に立てる仕事に就きたいという思いがありました。
大学の法学部で学ぶ中で、コンビニでの買い物も契約にあたるなど、法律は普段の生活に関わっていることを知り、法律を学ぶ面白さを感じました。
「直接的に人の役に立ちたい」思いと、人々の生活や財産を守るツールである法律を掛け合わせた仕事をしたいと考え、司法書士を目指しました。
司法書士は、相続や不動産の購入、契約、会社の設立など、人生の重要な場面に関われる職業であり、そこに魅力を感じたのがきっかけです。
人と関わること、人のお話を聞くことが好きなので、事務所の経営業務より、相談者の方のご相談に直接関わるプレーヤーの立場でいたいと、業務を始めた現在も思っています。
――相談者の方と面談するとき、どのようなことに気を付けていますか?
ご相談を受けている最中、相談者のお話が一見本題と無関係に思えても遮らずに、じっくり伺うことを大切にしています。
特に相続では、他愛もない話の中に問題解決に必要なヒントが隠れている場合があります。
例えば、相談に来た相続人の方が「亡くなった父は遺言書を残していない」と言っているケースでも、詳しく話を聞くうちに、「よくメモを書く人で、日記の中に財産に関することのメモがある」というご家族がありました。
実際に見せていただくと、法的にも有効な遺言だったということがわかった事例がありました。
ご家族からすると、ただのメモ書きと思っていたものが、実は遺言書としての様式を満たしていたのです。
お話をじっくり聞けていなかったら、遺言書はないものとして手続きが進んでいたでしょう。
また、業務とは関係ないお話でも、相談者の方のお話を受け止めてあげることで信頼関係も築けると考えています。
不安やもやもやしていた気持ちが楽になったとおっしゃる方も多いので、できる限りお話を伺うようにしています。
一般的な用語を使い、専門用語を使わないことも心がけています。
相談者の方が混乱していないか、様子を確認しながら丁寧にお話ししています。
――相続のご相談の中で特に印象に残っている事例はありますか。
長期間に及んだ案件は、特に心に残っています。
そして「郡谷先生に頼んで良かった」と仰っていただけたときは、やりがいを感じます。
登記や名義変更の手続きはどの司法書士が手がけても最終的にできあがるものは一緒です。
しかし、悲しみと不安を抱えてご相談にいらっしゃる遺族の方の心配事を取り除きながら、問題を解決することで、感謝していただけるのはとてもうれしく思います。
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漠然とした不安や心配ごとを解決へ
問題を一つひとつクリアにしていく相続の「交通整理役」として
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――生前の相続対策では、どのようなご相談が多いですか?
「生前のうちに何をしておくのが良いですか」といったご相談は多いです。
どんな心配事があるか、ご家族の関係はどうかなど、お話を伺ったうえで考えうるリスクをお伝えし、遺言書の作成や生前贈与、エンディングノートの準備など、その方にとって必要な対策をご提案します。
インターネットにある情報はあくまで一般的な内容です。少し条件が違うだけでも取るべき対策は異なります。
相談に来る方は、下調べなどをせずに相談に来ていただいて構いません。
最終的に生前対策としてどの方法を選んだらよいのか、その方に適した選択肢を精査するのは私たち専門家ですので、不安に思っていること、叶えたいことなどを話してくだされば十分です。
お話をしている間に徐々に心の整理がついて、「もやもやした気持ちが晴れて、クリアになりました」と言っていただくこともあります。
まずはお気軽にお越しください。
――相続発生後は、どのタイミングで相談するのが良いですか。
タイミングは、ご自身の生活スタイルに合わせるのがベストだと思います。
相続税の申告がある場合は10カ月以内と制限がありますが、登記の場合はそこまでタイトな期限はありません。
「忌引きの休暇中に相談に行きたい」と葬儀前に来られる会社員の方、「親族が集まりやすい四十九日の法要に合わせて相談したい」といった方など、さまざまなケースがあります。
どの時期であっても、亡くなった方に失礼ということはないと思いますので、相続人の方々の生活に合ったタイミングでご相談ください。
――相続に伴走する専門家には、どのような役割があるとお考えですか。
役割としては、相談者の方の不安を取り除き、交通整理をすることだと考えています。
相続に直面した方の多くは、何から手をつければいいのか、何を頼めばいいのか分からないものです。
私たちの役割は、法律に関する手続きはもちろん、税金や年金、金融機関での手続きなどについて、一つずつピックアップして手順や方法を説明し、整理してさしあげることです。
ご遺族の多くは、どの手続きを自分で行い、何を専門家に依頼すべきか、また緊急性の高い手続きと時間的余裕のある手続きの見極めができずにいます。
しかし、人生に一度あるかないかの相続において、それはごく自然なことです。
私たちの役割は、それらを整理してクリアにし、相談者の方の不安を取り除いてあげることだと思います。

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動物を愛する気持ちを司法書士業務にいかし
遺された大切なペットを守る手段「ペット信託」にも対応
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――先生は「ペット法務士」や「愛玩動物飼養管理士」の資格を保有されており、ペットに関する業務にも対応されていますが、「ペット信託」とはどのような手続きですか。
ペット信託とは、飼い主にもしものことがあり、ペットを飼育できなくなった場合に備え、信頼できる第三者にペットのお世話や飼育費用の管理を託す制度です。
遺言でも、「ペットの所有権とお金をこの人に渡します」のように意思を残せますが、監督する人はいません。
一方、信託制度では監督人を設置できるため、受託者が適切にペットを管理しているかを継続的に確認できる点がメリットです。
財産を受け取ったあとにペットの世話がおろそかになるリスクを防ぐためにも、信託は有効な制度といえます。
――実際、どのようなご相談がありましたか。
高齢の女性が医師から余命宣告を受けたことで、自身が先に死亡する可能性が高まったと、愛犬の将来について懸念を抱いて相談に来られました。
お子さまはおらず、すでに他界したご主人と子どものようにかわいがってきた愛犬の幸せを深く願っていらっしゃいました。
ペット信託の組成によって愛犬の引き取り手が決まると、自身の死後も愛犬が幸せに暮らしていけると、安心した様子でした。
――ペットに関する業務を開始された理由や、将来への思いをお聞かせください。
きっかけは、とにかく動物が好きという気持ちです。司法書士の領域で動物に関われるペット信託制度を知り、ご相談を受け始めました。
ペットを飼うためには、動物が住める環境が必要なだけでなく、医療費やトリミング費用など継続的な費用がかかります。
こうした条件が合わないために、ペットの引き取り手が見つからず、保健所に預けざるを得ないケースもあります。
愛するペットを守る手段が存在することを、より多くの方に知っていただきたいと考えています。
私は鳥を飼っていますが、鳥類は長生きで、特にオウム類の寿命は40~60年と長く、犬猫の寿命を大きく上回るため、二世代にわたる飼育計画が必要な場合もあります。
そのため、犬猫だけでなく鳥を飼っている方には特にペット信託の活用を推奨しています。
遠方にお住まいの場合は、オンライン対応も可能です。
動物の種類に関係なく大切なペットの将来に不安がある方、相続にお悩みがある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
(ライター・安藤麻里)
