「相続」と一口に言ってもさまざま。どんな相続手続きがある?
「相続」と一言で言っても、相続に関する手続きはさまざまあります。
相続財産の種類や額に応じて、また相続の生前対策である遺言の有無に応じてケースバイケースで相続手続きが必要になります。代表的な相続手続きに、相続税(申告)、相続登記(不動産の相続)、相続放棄、遺産分割、遺言、遺留分といったものがあります。
相続税(相続税申告)
相続税とは、被相続人(相続される人)が亡くなったときに、その被相続人(相続される人)が残した財産を相続人(相続する人)が受け取る際にかかる相続の際の税金です。
相続税の申告書の提出は、被相続人(相続される人)の住所地を管轄する税務署で行うこととなります。相続税の申告書の提出期限は、相続が開始したことを知った日の翌日から10カ月以内と定められています。相続税の納付は原則として一括納付となります。なお、相続によって相続財産を取得した場合でも、全ての人に相続税申告の必要があるわけではなく、相続する財産の総額が基礎控除以下のケースは相続税申告が不要となります。相続税の基礎控除は「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」となっています。相続税の基礎控除額は法定相続人の人数によって変動しますが、法定相続人が1人の場合で相続税の基礎控除額が3,600万円のため、相続財産の総額が3,600万円以下なら相続税の申告・相続税の納税は必要ありません。
相続登記(不動産の名義変更)
相続登記とは、被相続人(相続される人)が亡くなったことによって、所有していた建物や土地など相続した不動産の名義を、相続人(相続する人)の名義に変更する相続手続きを指します。相続登記の手続きを行うことはもともと法的に義務ではありませんでしたが、現在相続登記の義務化が予定されています。
相続放棄
相続放棄は、被相続人(相続される人)が保有する相続財産と権利義務について、法律で定められる相続人(相続する人)の取り分を放棄する手続きです。わざわざ受け取る権利がある相続財産を受け取らないという相続放棄の最大のメリットは、相続財産に含まれる債務を相続しなくて済む、という点です。被相続人(相続される人)が生前に借金や損害賠償義務を持っている場合、相続放棄をするケースが多いです。ただし相続放棄にはデメリットもあり、相続放棄は「すべての相続財産」を相続する権利放棄することを指すため、一度相続放棄をしてしまうと、引き継ぎたくない負の相続財産に限らず預貯金や不動産などプラスの相続財産といったすべて財産の相続権を放棄することになるため注意が必要です。
相続放棄をするためには、相続人(相続する人)本人が家庭裁判所での手続き(申述といいます)を行い、相続財産状況等について審理を経なければなりませんが、「実は負債を上回る財産があった」と後日判明しても、それを相続人(相続する人)として承継することはできません。また、相続放棄によって相続権を失ったことで宙に浮いた取り分(法定相続分)は相続放棄しなかった他の相続人(相続する人)へと移転することになります。つまり、負債から解放されることを目的に相続財産を放棄する場合には全相続人(相続する人)が一斉に家庭裁判所で相続放棄の手続きをする必要があります。
遺産分割
遺産分割とは、被相続人(相続される人)の相続財産を相続権のある各相続人(相続する人)で分け合うことを言います。法律では「誰が相続人(相続する人)になるか」は決まっていますが、「誰がどの相続財産を受け取るか」までは決まっていません。したがって、相続人(相続する人)同士が話し合うことを通じて相続人(相続する人)各自の取得分を決める必要があります。
なお、遺産分割には期限がありません。ただし「相続税の申告納税期限」に注意が必要です。相続税は「相続開始を知ってから10カ月以内」に相続税を申告および相続税の納税をしなければなりません。したがって、相続税申告の期限までに相続人(相続する人)で相続財産を分け合う遺産分割が完了している必要があります。
相続財産には現金のように分配しやすいものもありますが、相続財産の中には不動産のように簡単に分割ができない種類のものもあります。そうした相続財産ももちろん相続の対象になるため、遺産分割で分けなければなりません。そうした分けづらい相続財産もあるため、現物分割、換価分割、代償分割、共有(分割)という4種類の相続財産の分割方法があります。
また、遺産分割は相続人(相続する人)間で争族に発展しまう可能性をはらんでおり、相続人(相続する人)間での話し合いで解決しない場合には裁判所に持ち込んで遺産分割調停や遺産分割審判に発展するケースもあります。
遺言
相続において生前から死後に向けて相続人(相続する人)へ意思を伝える行為を、広く一般に「遺言」と呼びます。しかし、ひとくちに相続において「遺言」と言っても意味にブレがあります。相続をテーマに考える上で、まずは用語の理解を押さえましょう。そもそも相続において「遺言」という用語は、その行為に法的効力があるかどうかで読みが変わります。日常会話で用いられるときは「ゆいごん」ですが、法律的な文脈で用いられる際は「いごん」と読むのが正解です。相続と関わりの深い「遺言」(いごん)は法律行為であり、特定の内容について民法のルールに沿った方法で書面化されることで相続のシーンにおいて効力を生じます。
遺留分
遺留分とは、相続人(相続する人)が最低限相続することができる財産の割合を指します。ただし、基本的には被相続人(相続財産を残して亡くなった人)の意思が尊重されるため、遺言書に書かれた内容が優先されることとなります。相続発生前に書かれた遺言書に「全ての相続財産を愛人に渡す」と記載されていた場合には、相続が発生し、相続財産を分配した後、残された家族などの生活が困難になってしまうといったことが発生してしまい、そうした場合でも最低限相続できる財産を保証することを民法で規定しています。この最低限相続できる相続財産割合のことを「遺留分」と呼びます。なお、遺留分が保証されている方は、被相続人(相続される人)の「配偶者」「子供」「父母」までです。つまり、被相続人(相続される人)の兄弟姉妹は、最低限相続できる財産を保証する遺留分はありません。
相続手続きには種類よっては自分でもできるが、士業にお願いすると良い
さまざまな相続手続きを紹介しましたが、相続手続きを士業に依頼をしなくても自分で進めることができるものもあります。例えば相続登記の手続きや相続税申告は自分で行うことができます。ただし、後述のように、どのような相続手続きであっても士業に依頼するに越したことはありません。例えば相続税申告は、相続税に強い税理士でないと書類を完璧に作り上げて提出することは不可能に近いです。書類に不備があることも多く、できることであれば相続税申告の実績が豊富な、相続税に強い税理士にお願いするべきでしょう。また、相続人(相続する人)同士が揉めてしまうことも相続においては往々にあります。相続人(相続する人)同士の話し合いで解決しない場合には遺産分割調停や遺産分割審判にまで発展し、相続が「争族」になってしまう可能性があります。こうなってしまうと、当事者同士では話が進まないことも多く、裁判になってしまうと必要となる法的書類も非常に多く複雑になってきます。遺産分割や遺留分で相続人(相続する人)同士の仲が悪いといった状況では、なるべく早く弁護士にご依頼するに越したことはありません。この場合においても相続紛争解決実績が豊富な相続トラブルに強い弁護士にお願いするべきでしょう。
相続における司法書士の主領域
相続分野で士業に相続相談をしようとした時に、どの士業に相続手続きの何を相談すればいいのかわからないとお困りの方も多いのではないでしょうか。相続分野で士業と言えば司法書士・税理士・弁護士が相続j相談先として考えられます。ここでは相続分野において司法書士にどのような相続手続きを相談できるのか解説します。
まず、「相続に関して相続人(相続する人)同士で揉めてはいないが、相続手続き方法がさっぱりわからないので相続相談したい」「相続不動産の名義変更や銀行の口座名義変更の手続きが面倒なので相続相談したい」「相続財産の名義変更書類を集めたり、作成したりする時間がないので相続相談したい」といった場合は司法書士に相続相談するとよいでしょう。さらには相続放棄の申請をしたいといった場合は弁護士も相続相談は可能となりますが、申立書類の準備だけの相続手続きを相談するのであれば司法書士が相続相談先として適任と言えるでしょう。
相続においてこういうときは司法書士に相続相談するべき
司法書士の業務の中でも、「相続登記手続き」に関しては相続分野における司法書士の専門領域となります。相続の相談ができる司法書士は全国に広く存在しているため、お住まいや勤務先の近く等の司法書士に相続相談することをおすすめします。
司法書士に相続登記の手続きの依頼をすると、被相続人(相続される人)の戸籍収集や遺産分割協議書の作成、その他申請に必要な書類の収集、そして相続登記の申請手続きも行ってもらうことができます。場合によっては被相続人(相続される人)の戸籍の保管期間経過などで戸籍収集がうまくいかず、特殊な書類が必要となることもあります。しかしこのような場合でも司法書士なら全て相続手続き可能となる点も見逃せません。
さらには、相続発生前の生前対策における遺言書の作成といった相続相談も司法書士が行うことができます。司法書士に相続相談することで書類作成・起案・指導、各種調査、遺言執行に加え、遺言内容のアドバイスを得ることができます。相続不動産の分割方法は、前述の通り平時は登記業務がメインである司法書士に相続相談した方がよいでしょう。ただし、相続人(相続する人)同士の遺留分問題などといった相続トラブルに関しては相続分野においても領域外となり、税務(相続税申告)に関しても同様です。これらの相続手続きの相談をする場合には、相続分野に長けた税理士や弁護士が相続相談先として適任でしょう。
また、相続人(相続する人)・財産の確定も司法書士に相続相談可能です。戸籍の収集、被相続人(相続される人)の相続財産内容を記載した「相続財産目録」の作成、相続人(相続する人)の法定相続人を証明する「法定相続証明情報」の発行手続きも行ってくれます。
口座名義人(被相続人・相続される人)が死亡したことを金融機関が把握した場合、金融機関がその口座からの払い戻しや引き落としを止める「口座凍結」が行われますが、司法書士にこの口座凍結の解除や預貯金相続手続きを相談することもできます。各金融機関への連絡や必要書類の収集、各金融機関における相続関連手続代行といった一連の作業を司法書士は全て行うことができます。相続手続きの中でも、特に被相続人(相続される人)の戸籍等の必要書類を自分達で行おうとすると非常に手間がかかることが多いのですが、司法書士は被相続人(相続される人)の戸籍調査等も得意なため、スピーディに相続手続き完了が期待できます。
相続放棄に関しても司法書士に相続相談可能ですが、相続放棄の熟慮期間を過ぎてしまった、もしくは過ぎてしまいそうといったケースや、既に債権者から督促があるといったケースでは、弁護士に相続相談するのがおすすめです。
相続の相談で司法書士を選ぶポイント
では、相続に関する業務を司法書士に相続相談をしようと決めた場合、どの司法書士に相続の相談すればよいのでしょうか。つぐなびでは全国の相続に強い司法書士事務所の相続分野に特化した事務所情報を掲載しています。相続関連の相談実績数や相続の実務を担う有資格者が複数名いるかどうかといった情報です。相続の相談実績が多ければ多いほど、相続分野の知見がストックされていると考えることができます。相続の実務を担う有資格者が複数名在籍している事務所に相続相談をすれば、スピーディな対応も期待できます。
それ以外に、実際に事務所に相続の相談に伺う際、平日の昼間は仕事をしているという場合は夜間や週末の対応可能な事務所が相続相談には便利ですし、駅から近い立地であれば相続相談の際のアクセス面での便利さもあります。
このような相続に特化した情報がつぐなびのそれぞれの士業事務所ページには掲載をされていますのでチェックしてみてはいかがでしょうか。また多くの司法書士事務所では相続の相談を無料としており、気軽に相続相談できる仕組みも整っています。
相続における税理士の主領域
相続における税理士の主領域や相続税申告です。税理士であれば相続税申告を業務として行うことができますが、相続税に強い税理士に相続相談すると安心です。
相続においてこのような場合は税理士にまず相続相談を
相続が発生した場合でも、すべてのケースにおいて税理士に相続相談が必要ということはありません。一般的には以下のいずれかに該当する場合には、一度税理士などの相続の専門家に相続相談することをお勧めします。
相続税申告をしないといけない場合には税理士に依頼するほうがよい
相続税申告を税理士に依頼することなく一人で実施することは可能です。ただし、相続税申告を自身で行う場合に必ず認識しておくべきことが、2つのリスクがあるという点です。相続税申告を自身で行う際の1つ目のリスクは、相続税額が高くなる可能性が高いということです。相続税の計算は財産評価の集計でもあります。特に相続財産に不動産がある場合は、正しい評価方法を理解し、正しく相続不動産の評価額を下げることで相続税を抑えることが可能になります。また、評価方法以外にも、二次相続を想定した遺産分割の方法や相続税を抑えることができる特例など、相続分野に長けた税理士が持つ知識や経験がないと判断が難しいことがたくさんあります。
相続税申告を自身で行う際のリスク2つ目は、相続税の税務調査の対象になる可能性が高いという点です。相続税の申告書には税理士が署名捺印する欄が設けられています。相続税申告を税理士に依頼せず、自身で相続税の申告を行った場合、この欄が空欄となります。
税務(相続税)の専門家である税理士が作成している書類ではないということは、計算ミスや判断ミス、計上漏れなどが無いとは言い切れません。つまり、間違いがある可能性が高いという判断になり、それだけで相続税の税務調査(又は税務指導)の対象となる可能性が非常に高くなります。
相続税申告を税理士に依頼することで、正しい評価方法で相続財産の評価を行ってもらうことができ、相続税を抑えるための特例なども効果的に適用させることが可能です。
相続税申告において税理士を選ぶポイント
上述のように、相続税申告を税理士への相続相談なく行うことはできますが、専門的な計算が必要になったり、相続税申告の書類に誤りがあったりすると、相続税の税務調査の対象になったりしてしまうことも少なくありません。そのほか、相続に詳しい税理士に相続相談することによって、相続した土地や不動産の評価を正しく行うができるほか、相続税の節税のための特例なども受けられる可能性があります。
相続に強い税理士の目安として、「相続税の申告実績年間50件以上」または「相続税務調査率3%以下」があります。特に相続税務調査率の低さは、不備なく正しく相続税申告を実施できている一つの実績のため、このような特徴がある場合には「相続税申告に強い税理士」として相続相談する対象として考えてよいでしょう。
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相続における弁護士の主領域
弁護士は相続関連でトラブルが発生している場合に相続相談をするとよい士業となります。例えば、相続人(相続する人)同士に争いがあり、遺産分割協議ができない場合には弁護士に相続相談をしましょう。また、たとえ相続トラブルが起きていなかったとしても相続人同士(相続する人)が疎遠で遺産分割協議を始めることができない時にも弁護士に相続相談することをおすすめします。
相続においてこういうときは弁護士に相談をするべき
遺産分割について弁護士に相続相談すると、まず相続人(相続する人)の確定や相続財産の確定、寄与分や特別受益といった相続相談に乗ってもらえることでしょう。相続相談後、費用面も確認し、納得をして正式依頼をすると、弁護士が代理人として遺産分割協議の手続きや調停手続等を進めていきます。相続人(相続する人)同士の遺産分割協議が成立したら、遺産分割協議書の作成も行ってくれるはずです。
弁護士に遺産分割を依頼すると、依頼人の権利をしっかりと把握し、代理人としてその要求を相手方に伝えてくれます。依頼人本人が他の相続人(相続する人)と交渉をする必要はなくなるので、法律上のミスも回避できますし、何より精神的な負担が相当軽減できるのではないでしょうか。もしも相手方の相続人(相続する人)が強い姿勢で対応してきても、相続に強い弁護士が家庭裁判所での調停や審判等を代理人として進めてくれる点も安心材料と言えるでしょう。
被相続人(相続される人)の相続財産を承継する場合、遺産分割が必要となります。遺産分割を行うためには、相続人(相続する人)や相続財産の調査、遺言書の有無の確認など、様々な相続手続きを行う必要があります。遺言書がなく相続人(相続する人)同士で遺産分割協議をする場合、その後の相続登記手続きなどで使用できる正しい遺産分割協議書を作成する必要があります。また、相続税申告が必要な場合は決められた期間内に遺産分割協議を済ませることも必要です。もし相続人(相続する人)同士が疎遠等何らかの事情で遺産分割協議ができない時には、家庭裁判所への調停申し立てなどを行う必要が出てくることもあります。
遺産分割は様々な専門知識が必要となる手続きのため、弁護士の力を借りながら行うことで被相続人(相続される人)の相続財産承継をスムーズに行うことが可能となります。
また、近年注目の家族信託も弁護士に相続相談することができます。家族信託のコンサルティングは司法書士・税理士・弁護士といった士業に相続相談できますが、サポート内容が異なってきます。弁護士の家族信託におけるサポート範囲は、遺留分侵害額請求といった相続トラブルへの対策、要望に合わせた家族信託設計、遺言書作成や成年後見人制度の利用サポート、信託設定時の契約書作成となります。弁護士に相続相談することでは相続法や判例に照らし合わせて“相続財産の流れ”を組むことができるため、依頼者がイメージする信託のかたちを診断するだけではなく、将来の相続トラブルに発展する可能性をも排除できるような設計を実現することができます。
また遺言書の作成も相談することができます。司法書士への相続相談も可能となりますが、不動産の相続について相談したい時は司法書士、それ以外の相続トラブル対策の相続は弁護士と覚えておくとよいでしょう。
相続の依頼時に弁護士を選ぶポイント
では、相続業務を弁護士に相続相談をしようと決めた場合にどの弁護士に相続相談するとよいのでしょうか。つぐなびでは全国の相続に強い法律事務所の情報を掲載していますが、相続関連の相談実績数や弁護士が複数名いるかどうかといった情報も掲載しています。相続相談実績が多ければ多いほど、相続相談の経験は豊富でその分野の知見がストックされていると言えるでしょう。弁護士が複数名在籍している事務所に相続相談をすれば、スピーディな対応も期待できます。
それ以外に、実際に相続の相談をしに事務所に伺うなら、平日の昼間は仕事をしているという場合は夜間や週末の対応可能な事務所が相続相談するには便利ですし、駅から近い立地であれば相続相談する際のアクセス面で都合がよいでしょう。
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相続に強い司法書士(司法書士事務所)の選び方とは?
相続を司法書士(司法書士事務所)に任せるなら、出来るだけ相続の悩みに対して解決力の高い、相続に強い司法書士を選びたいものです。
そうは言っても、何を基準に・どういった考え方で相続に強い司法書士(司法書士事務所)を選び、相続相談をすればばいいのか分からない……こんな悩みを抱えていませんか。
遺産整理や遺言書、その他諸々の相続の悩みを解決できる司法書士は、簡単に4~5項目に着目するだけで見つかります。以降の内容に目を通せば、委任したい内容に左右されず、相続の悩みに対して解決まで強力に支援してくれる相続に強い司法書士(司法書士事務所)に出会えるでしょう。
相続に強い司法書士(司法書士事務所)を評価する4項目
その司法書士(司法書士事務所)が相続に強いと言えるかは、「提案力」「専門性」「実績」「他士業との連携状況」の4項目から評価出来ます。どれを重視して相続に強い司法書士を選んでも構いませんが、基本的にはバランスよく評価の高い相続に強い司法書士(司法書士事務所)を選び、相続相談をしてみてください。
ここで司法書士(司法書士事務所)選びの基本方針を紹介しておくと、時間の許す限り実際に相続相談してみるのが肝要です。上記4項目のどれも、司法書士事務所の紹介サイトやパンフレットだけでは、その司法書士が相続に強い司法書士か正しく評価出来ません。気になる司法書士事務所を見つけたら、一度は司法書士本人に直接相続相談してみて、以下の考え方を基準に、その司法書士の相続問題解決能力を見極めてみましょう。
司法書士(司法書士事務所)が相続の全体像を踏まえた提案をしてくれるか
第1に注目したいのは、司法書士(司法書士事務所)から相続の状況に沿った提案がもらえるかどうかです。
司法書士と言えば相続登記の代行、つまり「相続登記」(相続不動産の名義変更)の申請が業務だと考えられがちですが、それだけだと相続全体に及ぶサポート達成には到底及びません。
相続とは、相続法・関連法令・家族(被相続人・相続人)の状況・相続財産の構成等が複雑に混ざり合い、適宜対処を必要とする場面です。「今後の相続のこと考えるならこうした方がいい」とのように、司法書士から相続の全体像を踏まえて適切に助言と相続手続きの支援があってこそ、相続に強い司法書士(司法書士事務所)に相続相談する意味があると言えます。
【一例】司法書士(司法書士事務所)から欲しい提案
- 不動産の分割方法(相続税額や土地活用に影響する)
- 遺留分対策(不十分だと相続トラブルに発展する)
- 財産調査(不十分だと後々不利益を被ることも)
【ワンポイント】司法書士(司法書士事務所)の主な業務である相続登記は追加の対応が必要になる場合あり
相続不動産の中には、単に所有権移転登記(=相続登記)をするだけでは済まないものもあります。その1つが、生前の融資のために「抵当権」が入っているケースです。こういった場合には、金融機関と交渉した上で、司法書士(司法書士事務所)に依頼して抹消登記してもらう必要があります。
最近では、隣人との境界トラブルが長年放置されていたり、相続登記が2世代以上に渡って未了のままになっていたりする問題もあります。このような場合は通常の相続業務と比較して司法書士報酬がかさむため、その理由、つまり追加対応を司法書士(司法書士事務所)がきちんと説明してくれるかどうかも重要です。
司法書士が専門分野として「相続」を挙げているか
第2に注目したいのは、取扱い分野に「相続」が挙がっているかどうかです。
司法書士として十分に相続に関する知識を研鑽していると言っても、共通の相続問題について司法書士全員が同じように解決出来るわけではありません。相続、債務整理、売買取引時の登記代行……とのように、司法書士1人ひとり専門分野があります。
相続の悩みを解決したくても、異なる分野を得意とする司法書士(司法書士事務所)に相談していては、納得出来る答えはなかなか出てきません。相続のことは相続の専門家へ、司法書士事務所を探す時も専門分野の筆頭に相続があるかを必ずチェックするよう心がけましょう。
【ワンポイント】司法書士(司法書士事務所)が対応出来る悩み&トラブルの種類にも着目する
司法書士(司法書士事務所)の専門性をチェックする時は、司法書士が具体的に相続のどんな悩みに対応してくれるのか確認しましょう。例えば司法書士(司法書士事務所)に相続業務を依頼する際にも「相続発生後のことを考え、生前のうちに遺言書作成を手伝ってほしい」と「相続発生後の相続不動産の名義変更を手伝って欲しい」では、視点も時間軸も、これからやるべき相続対策や相続手続きも全く違います。
その司法書士が「相続のうちのカテゴリーを取り扱っているのか」という視点を持つと、いま自分が抱えている相続問題と一致させつつ良い相続に強い司法書士(司法書士事務所)と巡り合えます。
司法書士(司法書士事務所)の相続分野の実績が十分か
司法書士(司法書士事務所)選びの第3のポイントは、司法書士(司法書士事務所)が実際に扱った相続事例の状況です。司法書士の相続案件の解決件数が多いほど、また司法書士の経験年数が長いほど(特に相続業務に従事した年数)、その司法書士の相続問題の解決能力は高いと言えます。
付け加えると、相続は何かとアクシデントに見舞われがちな出来事です。司法書士(司法書士事務所)に支援してもらうなら、そうした「複雑な相続案件」に手慣れている司法書士が良いでしょう。この点、相続問題の解決実績豊富な司法書士(司法書士事務所)は、必然的により多くの相続トラブルも体験しています。その経験から、常に落ち着いた対応が期待出来、より満足度の高い相続問題の解決に繋がるとも言えるのです。
【ワンポイント】解決事例から「司法書士(司法書士事務所)の特徴」が分かる
司法書士事務所によっては、相続相談者の個別の相続の悩みに繋がるよう、特に自信のある相続問題の解決事例を公開しています。司法書士事務所の相続相談・相続問題解決事例詳細から分かるのは、相続問題に対してのその司法書士の性格や強みとしていることです。司法書士の相性重視か司法書士の相続問題の解決力重視かどちらの選び方でも、相続相談・相続問題事例公開している司法書士事務所だと相続相談の是非がクリアになります。
司法書士(司法書士事務所)が相続に強い他士業と連携しているかどうか
第4の司法書士の選び方のポイントは、相続に強い別の資格職との連携状況です。
相続手続きには、司法書士の権限や知識が及ばない部分もあります。そうかと言って、単に「出来ない」と返事されてしまうのは困りものです。司法書士以外の別の士業に最初から繰り返し悩みを伝えていては、面倒というだけでなく、司法書士(司法書士事務所)の方針とは異なるやり方で相続手続きを進められてしまうかもしれません。
良い司法書士(司法書士事務所)は、自分の手が及ばない相続領域であることを踏まえて、下記のような司法書士以外の相続に関連する士業とも提携しています。提携先のある司法書士(司法書士事務所)なら、必要であればすぐに相続に強い別の資格職に状況共有し、相続問題解決までワンストップで進めてくれます。
【相続に関連する士業】
- 相続争いや債権者との交渉に関すること…弁護士
- 相続税や贈与税に関すること…税理士
- 相続した不動産の地積や筆界に関すること…土地家屋調査士
- 相続した不動産の売却に関すること…宅地建物取引主任士
【ワンポイント】「出来ないこと」の説明=信頼性の証
相続相談する時は、司法書士(司法書士事務所)として対応出来ないこと、相続分野の領域を説明してくれるかどうかチェックしてみましょう。何についても元気よく肯定的な返事が返ってくると、少し不安です。
良い司法書士は、自分に対応出来る相続分野を説明し、その上で「出来ないこと」に関しては司法書士以外の別の相続に強い士業と連携してでも対応する姿勢を見せてくれます。
司法書士(司法書士事務所)のその他の選び方
その他、司法書士選びでは以下3つのポイントもチェックしてみましょう。
ここで注意したいのは、どれも相続に強い司法書士(司法書士事務所)を選ぶ際に「プラスアルファで充実していた方が良い項目」に過ぎず、決して相続に強い司法書士(司法書士事務所)への依頼の決め手にはならないことです。司法書士に相続の悩みや手助けして欲しい問題を確実に解決するなら、これまで解説した4つの項目を重視して相続に強い司法書士(司法書士事務所)を選ぶべきです。
…司法書士が話をしっかり聞いてもらえるか、分かりづらい相続の用語や相続の流れについて丁寧に理解出来るまで説明してくれるか、レスポンスや報連相をきちんとしてくれるか
…司法書士事務所の相続の料金表が分かりやすいか、不明点を説明してくれるか、見積りに細かく相続業務のサポート内容の内訳を書いてくれているか
…司法書士事務所の無料相続相談の有無、土日や平日夜間の相続相談対応、アクセスの良さ、オンラインの相続相談の対応状況
相続における司法書士の主領域
相続であり得る悩みなら、大抵のことは司法書士(司法書士事務所)で解決出来ます。
気になる司法書士(司法書士事務所)の取扱い業務を、相続開始から時系列を負って確認してみましょう。
相続開始直後に必要な対応
家族が亡くなった直後は、遺産分割のための調査等といった事前準備が必要です。特に重要なのは、以下の2点です。
①相続人調査・相続財産調査
相続開始直後には、後々の遺産分割が無効にならないよう「相続人」と「相続財産」を全て洗い出さなくてはなりません。司法書士(司法書士事務所)に依頼しない場合、大量の戸籍と固定資産課税台帳等の調査を自ら行わないといけなく面倒な作業ですが、時間がなければ丸ごと司法書士(司法書士事務所)に任せられます。
②遺言書の検認
遺言書(※公正証書遺言を除く)を見つけたら、すぐ「検認」を請求し、相続人立ち会いの元で家裁に確認してもらわなくてはなりません(民法第1004条1項)。実際には、申立人や他の相続人が全員揃う必要はなく、司法書士(司法書士事務所)などの委任された士業だけが裁判所に向かえば十分です。そして、この業務も司法書士(司法書士事務所)で担えます。
不動産の名義変更(相続登記)
司法書士(司法書士事務所)が最も得意とする「相続登記」は、司法書士(司法書士事務所)であれば書類作成から申請までどんなことでも対応出来ます。まだ不動産を誰の名義とするか決まっていないのなら、課税額や売却・活用を踏まえた提案も可能です。
その他、すでに触れた通りですが、司法書士(司法書士事務所)であれば以下のような複雑な対応もお手の物です。
①抵当権抹消登記
相続する土地建物の中には、融資のため「抵当権」がついたままのものがあります。このままだと、債権回収のため競売にかけられるリスクがあり、活用も売却も出来ません。そこで、安心して不動産を所有するために、抵当権者=金融機関に権利を外してもらうよう交渉する必要があります。
そうは言っても、交渉が成立するだけではまだ足りません。交渉の最終段階では「抵当権抹消登記」を確実に済ませる必要があり、これこそが司法書士(司法書士事務所)の出番です。このような複雑な抵当権抹消登記の案件も司法書士(司法書士事務所)であれば対応可能です。
②数次登記
長く受け継がれてきた土地建物の中には、登記名義人が祖父母世代かそれより前の人物になっているものがあります。この場合、終わっていない相続登記を丁寧に進め、権利移転の過程を正確に登記簿へ反映する「数次登記」が必要です。
数字登記の扱いは極めて複雑で、亡くなった人より前の世代で生じた相続人にも連絡をとらなくてはなりません。連絡がとれないと分かれば、どのようにして現在の所有者の名義にするか検討しなくてはなりません。このような複雑な数次登記案件も司法書士(司法書士事務所)であれば対応可能です。上記のような対応は、ほとんどと言って良いほど司法書士(司法書士事務所)の元に依頼が飛び込みます。
遺産分割の実現
遺産分割を実現する段階では、不動産以外の財産についても司法書士(司法書士事務所)の活躍が期待出来ます。ここで挙げる5点の依頼内容は、司法書士(司法書士事務所)に依頼する必要性が特に高いものです。
①遺言執行
効力の生じた遺言書の内容を実現する「遺言執行」は、相続人で協力し合って進めなくてはなりません。それぞれ時間にゆとりがない場合には、司法書士(司法書士事務所)に全て委ねられます。
家庭裁判所に「遺言執行者」(民法第1006条~第1020条)を選任してもらう場合でも、司法書士を候補者として挙げられます。
②遺産分割協議書の作成
遺産について家族で話し合い、合意した内容に沿って財産の名義変更を進める場合、必ず「遺産分割協議書」が必要です。協議書は法律上の効果を有するため、合意事項を正確かつ明瞭に記載しなくてはなりません。その作成も、司法書士(司法書士事務所)が扱う業務の1つです。
③戸籍収集・相続関係説明図の作成
相続手続きでは、折に触れて「法定相続関係が分かる書類」が必要です。これはつまり、相続に関与する家族全員分の戸籍謄本と「相続関係説明図」を指します。
あらかじめ司法書士(司法書士事務所)に委任しておけば、必要な戸籍謄本を必要な部数だけ取り寄せた上で、説明図も司法書士が作成してくれます。
④預貯金等の名義変更手続き
相続財産に含まれる預貯金・株式・債権……といった財産は、個別に窓口で名義変更(あるいは解約と払い戻し)の手続きを依頼しなくてはなりません。司法書士に委任すれば、司法書士がそれぞれ相続人に代わって手続きしてくれます。
⑤遺産整理
「相続財産の取りまとめ」と「名義変更その他の必要な手続き」を併せ、遺産整理として丸ごと司法書士(司法書士事務所)に任せても構いません。財産目録の作成から名義変更まで、遺産分割協議を除く司法書士の対応領域の大半の手続きを司法書士に委ねられます。
生前準備
相続開始後に限らず、生前準備でも司法書士ならサポート可能です。
そもそもどんな準備をすればいいのか分からない場合には、状況に合わせて司法書士が丁寧に解説してくれます。
①遺言書の作成
遺言書の作成に関することなら、どんな内容でも司法書士に扱えます。公正証書遺言の作成、自筆証書遺言や秘密証書遺言の最終チェック、そして大元である遺言の内容に関する相談まで、あなたの叶えたい形に合わせて司法書士(司法書士事務所)が実現をサポートしてくれます。
②成年後見制度
司法書士(司法書士事務所)の業務の中には、認知症その他の疾患を負う人のための「成年後見制度」も含まれます。
相続開始後では、遺産分割協議に参加出来ない高齢者や障がい者のために司法書士に「法定後見」の相談をすることが多いでしょう。生前対策では、自身や高齢の家族のために「任意後見」に関することが取り扱えます。
④家族信託
遺言や後見に代わる生前対策である「家族信託」についても、司法書士に取り扱える範囲です。
平成18年の信託法改正から利用出来るようになった本契約は、司法書士が関与する場合主に不動産あるいは経営する会社をスムーズに引き継ぐ手段として活用されています。特に司法書士が得意とする不動産に関しては、信託契約の組成・設定から監督まで、税務を除けば司法書士(司法書士事務所)がワンストップで扱える分野です。
相続放棄
相続開始後に債務が多すぎると分かれば、不利益を避けるために「相続放棄」を選択しなければなりません。その申述書の作成に関することも、司法書士(司法書士事務所)の取扱い分野です。
自力で出来ない原因の多くは、相続人全員で申述しなければならない点です。早めに司法書士(司法書士事務所)に依頼すれば、3か月の期限があることを踏まえ、余裕を持って放棄を進めてもらえます。
司法書士に支払う料金と相場
司法書士の取扱い範囲は弁護士に匹敵しますが、同様の依頼でも費用は割安になるのが一般的です。簡単に司法書士の料金の目安を示してみましょう(下記参照/実費除く)。
- 相続登記:5万円~8万円/1件
- 遺産分割協議書の作成代行:4万円~6万円
- 遺言書の作成代行:4万円~6万円
- 相続手続きを丸ごと任せる場合:20万円~※
※遺産の価額その他状況に応じて料金設定されるのが一般的です。
相続を司法書士ではない士業に相談すべきケースとは
先で少し触れたように、司法書士(司法書士事務所)以外にも相続を取り扱う資格職は複数あります。悩んでいること・やって欲しいことによっては、司法書士ではない別の士業への相談から始めた方がよいでしょう。候補として挙がることが多いのは、税理士・弁護士・行政書士のいずれかです(下記参照)。
税理士に相談すべきケース
相続の悩みが「相続税や贈与税に関すること」と分かっていれば、司法書士ではなく税理士に相談するのがベストです。必要であれば、司法書士(司法書士事務所)とも連携してくれるでしょう。
- 相続税申告のやり方が分からない
- 相続税がいくらかかるのか知りたい
- 税額軽減に繋がる特例を教えてほしい
- 生前贈与の節税策が知りたい
弁護士に相談すべきケース
司法書士と弁護士は取扱い分野が似通っていますが、任意交渉や裁判手続に必要な「訴訟代理権」を持つのは司法書士ではなく弁護士だけです。下記のようにトラブルその他複雑な状況にあるケースでは、司法書士ではなく弁護士に依頼するのが無難です。
- 遺産分割でもめている・もめた
- 遺留分侵害額請求したい・された
- 自分の取り分が少なすぎると感じる
- 相続手続きが終わった後に遺産が見つかった
- 事業承継についてアドバイスや支援が欲しい
- 経営中の賃貸物件の相続についてアドバイスして欲しい
行政書士に相談すべきケース
行政書士は「代書屋さん」と表現されるように、基本的には申請書類の作成のみを取扱います。下記のように法律相談を必要としないケースなら、司法書士ではなく行政書士に相談すると良いでしょう。
- 既に話し合った内容を元に、遺産分割協議書を作ってほしい
- 必要書類はあるので、自動車や株式の名義変更をやってほしい
- 遠方で死亡連絡を受けたので、さしあたり死後事務について教えて欲しい
まとめ
相続の悩みに対する司法書士の解決力は、基本の4項目で推し量れます。今解決したいことがある程度整理出来ているのなら、項目に優先順位をつけて司法書士(司法書士事務所)を選んでみるのも良いでしょう。
【相続に強い司法書士の選び方】
- 提案力…相続を取り巻く状況全体を見渡して司法書士(司法書士事務所)がアドバイスしてくれるか
- 専門性…司法書士(司法書士事務所)が専門的に取扱う分野の中に「相続」が含まれるか
- 実績…司法書士(司法書士事務所)の相続案件の解決件数や経験年数は十分か
- 連携状況…必要に応じて司法書士以外の相続関連の他士業と状況共有出来るか
司法書士(司法書士事務所)に扱えるテーマは、紹介したように広範です。必然的に相談内容にも司法書士1人ひとりの個性が生じ、どれを取っても事務的な対応で簡単に解決出来るとは言えません。これを踏まえても、相談先選び・司法書士(司法書士事務所)選びでは「司法書士に実際に会って悩みを打ち明けてみる」ステップが特に大切です。気になる司法書士や司法書士事務所を見つけたら、時間の許す限り問い合わせしてみて、どんな反応があるか確かめてみましょう。
士業の種類を問わず相続相談をする際の選ぶポイント
相続相談先として、相続手続き全般の相続相談なら司法書士、相続税の相続相談なら税理士、相続トラブルの相続相談なら弁護士と相談する分野について最適な相談先が異なると先述いたしましたが、士業の種類を問わず、相続相談先を選ぶ際のポイントとなる点についても補足いたします。
相続相談実績数・解決実績数
相続相談の対象となる司法書士・税理士・弁護士共に相続のみを業務として行うわけではなく、相続を得意領域としているか、相続の実務のウハウが蓄積されているかは経験年数では測れません。その際には各士業の相続の相談実績や解決実績の数を重視してみると良いでしょう。
相続を専門(得意)としているか
先述のとおり、司法書士・税理士・弁護士の中には相続が専門外の場合もあり、そのような事務所は相続相談先としては適しません。近年では相続に特化したホームページを設けている事務所も増えてきましたので、そのホームページに記載のある相続相談実績数や解決実績を見たうえで相続に注力している事務所かどうか確認し、相続相談先を決めていきましょう。
相続手続き全体を考慮した提案をしてくれるか
相続の相談先を選ぶ上で、自分の領域外のことも含めて、相続手続きの全体像を見据えた提案をしてくれる事務所に相談するのが良いでしょう。例えば司法書士なら相続税について、税理士・弁護士なら手続きについてといったように、主なの相続業務以外のことまで相談に乗ってくれて、相続全体をを包括した提案をしてくれる士業に相続相談をしてみると良いでしょう。
話をしっかり聞いてくれる
例えば遺産分割協議のように、相続手続きにおいては複数の選択肢が存在するケースも多く、それらを決定する際には相続人の意思を相談しながら尊重してくれる士業が良いでしょう。相続手続き全体を包括してサポートしてくれ、ご自身の気持ちを汲み取ってくれるような事務所を相続相談先としてを選びましょう。
相続の難しい用語も丁寧に理解できるまで説明してくれる
相続の知識に乏しい相談者側は、相続手続きに馴染みのないケースが大半であるため、士業にとっては知っていて当然である知識ももっていないことがほとんどです。相続相談の際に相続手続きの流れや専門用語などを分かりやすく丁寧に説明してくれることも、相続相談先を選ぶ際に重要なポイントです。
相談時にできないことはできないと答えられるかどうか
各士業には相続における独占業務や主たる業務が存在します。その専門家だけでは対応できない業務も存在するため、相談内容に対して曖昧な回答はせず、対応の可否について明確な回答が相続相談時に得られるかどうか確認しましょう。またそのような場合は紹介先に相続に強い関連士業事務所を持っているかどうかも相続相談時に確認すると良いでしょう。
報酬(料金表)が明確、事前見積もり
最近では相続に特化したホームページを保有する事務所も多く、そこでは料金表が掲載されているケースもありますが、個々の相続事例で報酬は変動するため、必ず相続相談時に事前見積もりを出してもらうようにしましょう。
事務所へのアクセスが良いか
相続相談時だけでなく、実際に相続相談後に依頼をするとなれば何度か事務所との打合せが必要であるため、あまりにも事務所が遠方の場合や、事務所へのアクセスが不便なケースでは相続相談時だけでなく、依頼後のことも考えると不都合が生じる可能性があります。ご自宅に近い事務所や、通勤経路にある事務所を相談先に選ぶことをおススメします。中にはオンラインでの相続相談ができる事務所もありますので、その場合は上記の限りではなく、より広い範囲で相続相談先を検討することも可能にります。
レスポンスや、報連相がしっかりしているか
相続手続きには期限があるものもあるため、メールや電話の相続相談時の事務所側のレスポンスが遅い、税理士からの報告・連絡・相談がないなどの不安はできる限り避けたいものです。したがって依頼前の相談の段階でレスポンスに不安がある場合には注意しましょう。
相続相談は無料か、土日や平日夜間でも相続相談できるか
相続相談日時として、土日や平日夜間しか時間が確保できない場合には、そのような日時でも事務所への相続相談が対応可能かどうか確認しましょう。また初回相続相談料については事務所によって無料と有料のどちらのケースもありますが、一概にどちらが好ましいとは言えません。相続相談料が有料、無料だけで判断せずに、選択肢を広げて相続相談先を検討するすることをお勧めします。
オンラインの相続相談を実施しているか
仕事や育児で事務所へ来所しての相続相談することが難しい場合には、zoomなどを利用したオンライン相続相談が可能な事務所を探してみるのも良いでしょう。相続相談時にオンライン相続相談が可能な事務所であれば、正式に依頼した後でも打合せや相続相談をオンラインで実施することが可能な場合があるので、ご自宅の近くには相続に強そうな事務所がない場合、少し遠方でも相続に強い事務所を選び、初回の相続相談に加えて依頼後の打合せもオンラインで実施する等、相続相談先の幅を拡げることができます。
京都における相続事情
京都における死亡者数の推移
令和元年の京都の死亡数は
2万
7,025人となり、前年と比較すると京都の死亡者は
371人増加、京都の死亡率
(人口千対
)は
10.7 となり、
4年連続で
10を上回っています。 京都の死亡者数の推移を見ていくと、昭和
44年以降
1万
5,000人~
1万
9,000人台で推移してきましたが、平成
11年に
2万人台となり、それ以降ゆるやかながら京都の死亡者数増加傾向となっています。
京都の年齢別死亡数はというと、
0~
14 歳と
65~
74歳では前年を下回っていますが、それ以外の世代では増加となっています。
京都の死亡率は昭和
35年の死亡率
7.7以降低下傾向で、昭和
52~
54 年に
3年連続
6.3 と戦後最低を記録し、そのあとはゆるやかな上昇となりました。平成
13年の死亡率
7.7を記録し、そのあとは上昇傾向が顕著になり、令和元年は京都の死亡率過去最高となる
10.7となりました。
京都の死因順位を見ると、第
1位は悪性新生物
(がん
)。令和元年の死亡数は
7670人で、悪性新生物による死亡が総死亡数に占める割合は
28.4%となりました。悪性新生物の主な部位別死亡率
(人口
10 万対
)は、京都の死亡順位の第
1位は前年に引き続き「肺」 で、死亡率は
61.8。第
2位は平成
25 年から引き続き「大腸」で、死 亡率
42.1。第
3位は「胃」で、死亡率
34.2となっています。
京都の死亡順位の第
2位は心疾患の
4482 人で、前年から
39人増加しました。京都の死亡順位の第
3位は老衰で、前年から
216 人増加をしています。京都の死亡順位の第
4位は脳血管疾患の
1929 人、京都の死亡順位の第
5位は肺炎で、死亡数は
1635 人。悪性新生物、心疾患及び脳血管疾患の
3大生活習慣病による死亡は、京都の総死亡数の
52.1%を占める結果となりました。
京都の死亡者のうち相続税申告の対象になった人の数
令和元年分の京都の被相続人数
(死亡者数
)は
27,028人で、前年比
101.4%でした。うち、相続税の申告書の提出に係る京都の被相続人数は
2,590人で、前年比
98.9%という結果になっています。
京都で相続税申告の対象になった被相続人の相続税課税価格および税額
京都の相続税の課税価格の総額は
3,519億円で、前年対比
89.2%となりました。京都の申告税額の総額は
435億円で、前年対比
81.2%という結果になっています。
京都および滋賀県、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県を合わせた相続財産の金額
京都および滋賀県、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県を合わせた令和元年分の相続財産の金額の構成比は、土地が
7,726億円、家屋が
1,326億円、有価証券
4,625億円、現金・預貯金等で
9,419億円、その他が
3,266億円となっており、京都のを含めた近畿地方の合計額としては
2兆
6,363億円となっています。
京都および滋賀県、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県を合わせた被相続人の相続財産の内訳
京都および滋賀県、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県を合わせた令和元年分の相続財産のうち、令和元年分の内訳は、現金や預貯金が
35.7%、土地が
29.3%、有価証券が
17.5%、家屋が
5.0%、その他が
12.4%となっています。
京都の地価
令和
2年京都地価調査結果によると、京都域の地価は、住宅地で昨年の
0.1%上昇から
-0.8%の下落に転じています。京都の上昇地点数は昨年の
82地点から
39地点と減少しており、
39地点の内訳は京都
34地点、宇治市
1地点、城陽市
1地点、向日市
1地点、京田辺市
1地点、精華町
1地点となっています。地域別にみると、京都下京は
2.5%、上京も
2.4%と上昇幅が大きくなっています。調査結果によると、「新型コロナウイルス感染症の影響から所得や雇用への不安感が影響、地価が下落に転じた地 点が多く見られました。一方で、優良住宅地や駅近の利便性の高い地域では、地価は横ばいから微増傾向で推移」と地価動向を分析しています。
住宅地の価格
1位は 「京都上京区室町通下立売上る勘解由小路町
156番」で
640,000円
/㎡で、変動率
6.7%となりました。
2位は「京都上京区小川通一条下る小川町
206番
1」で
540,000円
/㎡、
3位「京都上京区新烏丸通下切通シ上る新烏丸頭町
191番
3」で
524,000円
/㎡という結果になりました。
商業地を見ると
7年連続の上昇で
0.4%、工業地は
6年連続の上昇で
2.8%となりましたが、共に上昇幅は縮小しています。
京都の平均賃金
厚生労働省の令和元年「毎月勤労統計調査」結果の「都道府県、性、主な産業別賃金及び産業計の年齢・勤続年数」データを見ていくと、京都の調査対象の平均年齢が
43.1歳、勤続年数は
11.6年、賃金は
301,000円となっています。男女別にみると、男性の調査対象の平均年齢が
43.7歳、勤続年数
13.1年、賃金が
327,600円、一方女性は
42.0歳、
9.2年、
257,200円という結果になりました。
京都における相続関連の公的機関
京都内の府庁・市役所・区役所・村町役場
庁名:京都府庁
住所:京都上京区下立売通新町西入薮ノ内町
所名:綾部市役所
住所:京都綾部市若竹町
8-1
所名:宇治市役所
住所:京都宇治市宇治琵琶
33
所名:井手町役場
住所:京都綴喜郡井手町大字井手小字南玉水
67
所名:伊根町役場
住所:京都与謝郡伊根町字日出
651
所名:宇治田原町役場
住所:京都綴喜郡宇治田原町大字荒木小字西出
10
所名:大山崎町役場
住所:京都乙訓郡大山崎町字円明寺小字夏目
3
所名:亀岡市役所
住所:京都亀岡市安町野々神
8
所名:木津川市役所
住所:京都木津川市木津南垣外
110-9
所名:笠置町役場
住所:京都相楽郡笠置町大字笠置小字西通
90-1
所名:京丹波町役場
住所:京都船井郡京丹波町蒲生八ッ谷
62-6
所名:久御山町役場
住所:京都久世郡久御山町島田ミスノ
38
所名:城陽市役所
住所:京都城陽市寺田東ノ口
16・
17
所名:精華町役場
住所:京都相楽郡精華町大字南稲八妻北尻
70
所名:長岡京市役所
住所:京都長岡京市開田
1丁目
1-1
所名:南丹市役所
住所:京都南丹市園部町小桜町
47
所名:福知山市役所
住所:京都福知山市字内記
13-1
所名:舞鶴市役所
住所:京都舞鶴市字北吸小字糸
1044
所名:宮津市役所
住所:京都宮津市字柳縄手
345-1
所名:向日市役所
住所:京都向日市寺戸町中野
20
所名:南山城村役場
住所:京都相楽郡南山城村北大河原久保
14-1
所名:八幡市役所
住所:京都八幡市八幡園内
75
所名:与謝野町役場
住所:京都与謝郡与謝野町字岩滝
1798-1
所名:和束町役場
住所:京都相楽郡和束町大字釜塚小字生水
14-2
所名:京都北区役所
住所:京都北区紫野東御所田町
33-
1
所名:京都上京区役所
住所:京都上京区今出川通室町西入堀出シ町
285番地
所名:京都左京区役所
住所:京都左京区松ケ崎堂ノ上町
7番地の
2
所名:京都中京区役所
住所:京都中京区西堀川通御池下る西三坊堀川町
521
所名:京都東山区役所
住所:京都東山区清水五丁目
130の
6
所名:京都山科区役所
住所:京都山科区椥辻池尻町
14-
2
所名:京都下京区役所
住所:京都下京区西洞院通塩小路上る東塩小路町
608-
8
所名:京都南区役所
住所:南区西九条南田町
1の
3
所名:京都右京区役所
住所:京都右京区太秦下刑部町
12番地
所名:京都西京区役所
住所:京都西京区上桂森下町
25-
1
所名:京都伏見区役所
住所:京都伏見区鷹匠町
39-
2
京都内の管轄の税務署
所名:宇治税務署
住所:京都宇治市大久保町井ノ尻
60-3
管轄地域:宇治市 城陽市 八幡市 京田辺市 木津川市 久世郡
綴喜郡
相楽郡
所名:園部税務署
住所:京都南丹市園部町小山東町平成台
1号
11
管轄地域:亀岡市 南丹市 船井郡
所名:福知山税務署
住所:京都福知山市篠尾新町
1丁目
37番地
管轄地域:福知山市 綾部市
所名:舞鶴税務署
住所:京都舞鶴市字上安久
240
管轄地域:舞鶴市
所名:宮津税務署
住所:京都宮津市字鶴賀
2070-14
管轄地域:宮津市 与謝郡
所名:峰山税務署
住所:京都京丹後市峰山町杉谷
147番地
12
管轄地域:京丹後市
所名:右京税務署
京都右京区西院上花田町
10の
1
管轄地域:京都右京区 京都西京区
向日市
長岡京市
乙訓郡
所名:上京税務署
住所:京都上京区一条通西洞院東入元真如堂町
358
管轄地域:京都北区 京都上京区
所名:左京税務署
住所:京都左京区聖護院円頓美町
18
管轄地域:京都左京区
所名:下京税務署
住所:京都下京区間之町五条下ル大津町
8
管轄地域:京都下京区 京都南区
所名:中京税務署
住所:京都中京区西ノ京笠殿町
38 京都地方合同庁舎
管轄地域:京都中京区
所名:東山税務署
住所:京都東山区渋谷通大和大路東入下新シ町
339-5
管轄地域:京都東山区 京都山科区
所名:伏見税務署
住所:京都伏見区鑓屋やりや町
管轄地域:伏見区
京都内の法務局
局名:京都地方法務局 宇治支局
住所:京都宇治市宇治琵琶
33-2 宇治法務合同庁舎
局名:京都地方法務局 園部支局
住所:京都南丹市園部町小山東町平成台一号17
局名:京都地方法務局 宮津支局
住所:京都宮津市字中ノ丁
2534 宮津地方合同庁舎
局名:京都地方法務局 京丹後支局
住所:京都京丹後市峰山町吉原
71
局名:京都地方法務局 舞鶴支局
住所:京都舞鶴市字西
110-5
局名:京都地方法務局 福地山支局
住所:京都福知山市字内記
10-29 福知山地方合同庁舎
局名:京都地方法務局 本局
住所:京都上京区荒神口通河原町東入上生洲町
197
局名:京都地方法務局 嵯峨出張所
住所:京都右京区嵯峨天龍寺車道町
33-20
局名:京都地方法務局 伏見出張所
住所:京都伏見区深草西浦町
4-54