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所得税の所得控除と税額控除の違いはなに?

更新日:2020.03.31

所得税の所得控除と税額控除の違いはなに?

所得税とは、個人の所得に対して課税される税金です。所得税の課税対象となる所得は実に10種類もあり、複数の所得を取得している人はそれらを合算した金額が所得額となります。

所得税には、所得控除と税額控除という2つの控除が存在します。今回は、所得控除と税額控除の違いについてご紹介します。

1.所得税の所得控除

所得控除は、所得税の計算に用いられる「所得」の金額を控除するという制度です。つまり所得控除により、所得税の計算のもとになる課税所得金額が少なくなるというわけです。

収入―必要経費―所得控除=課税所得金額

所得控除は、基礎控除をはじめ以下のような控除があります。

基礎控除/配偶者控除/配偶者特別控除/扶養控除/社会保険料控除/生命保険料控除/地震保険料控除/寄付金控除/医療費控除/小規模企業共済等掛金控除/障害者控除/勤労学生控除/寡婦(寡夫)控除/雑損控除

【所得税と住民税の所得控除について】

所得に応じて納める税金には、所得税のほかに住民税があります。住民税にも所得控除がありますが、所得税と住民税では、項目が同じでも控除額が異なるものがあります。

所得税と住民税で金額が異なる所得控除

寄付金控除は「特定寄付金―2,000円=寄付金控除額」という算出式は同じですが、控除対象となる寄付金額が、所得税では総所得金額等の40%、住民税では30%までとなります。ただし住民税の場合、ふるさと納税では特例分も加えて控除されます。

住民税は、均等割と所得割の合算を各自治体に納めます。均等割りは所得に関係なく一律の金額になっています(金額は自治体によって異なります)。

住民税の所得割は、下記の計算式で求めることになります。

(所得金額-所得控除額)×10%-税額控除額=所得割の税額

確定申告で所得税を納める必要がない=住民税も納めなくてもよい!ということにはなりませんので注意してくださいね。

2.所得税の税額控除

税額控除は、課税所得金額から算出された所得税額から控除することができる制度です。つまり、納める予定の所得税額が少なくなるというわけです。

収入―必要経費―所得控除×税率―税額控除=所得税納付額

税額控除には以下のような控除があります。

住宅ローン控除/寄付金控除/配当控除/外国税額控除

税額控除の注意点は、納める所得税がある場合のみ適用される制度ということです。つまり、所得控除の適用をうけて課税所得が0になった場合には、税額控除の対象となる所得税がありませんので、税額控除は使えないということになります。

3.年末調整の方は確定申告しないと使えない控除もある

会社にお勤めの方は、年末調整によって1年間に納めた所得税の清算が行われます。

そのため確定申告をしていないという方も多いと思いますが、所得控除の中には確定申告を行わないと適用されないものもあるため、年末調整でできるものとできないものをしっかりと把握しておきましょう。

年末調整でできる控除と出来ない控除

年末調整でできない寄付金控除や医療費控除、雑損控除の適用を受ける場合には、年末調整後に確定申告を行う必要があります。ちなみに、税額控除の対象となる住宅ローン控除は、適用初年度は確定申告が必要となりますが、2年目以降は年末調整が可能となります。

まとめ

納税は国民の義務なので納めなければいけませんが、一生懸命働いたお金なので出来るだけ納める税金を抑えたいものです。そのためには所得控除や税額控除をしっかりと理解し、自分で申告しなければなりません。損をしないためにも、利用できる控除はできるだけ利用するようにしましょう。

 

 

この記事の監修者

 

 

代表税理士:鈴木 哲

 

所属事務所:静岡あんしん相続税相談室

保有資格:税理士

平成7年に中央大学経済学部を卒業後、静岡市内の税理事務所に勤務

平成12年に税理士登録し、同年に静岡市で独立開業

東海税理士会所属、TKC全国会所属

 

静岡あんしん相続税相談室のオフィシャルサイトはこちら>>>

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