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タワーマンションを利用すると6億円の財産を非課税で贈与することができる?!

更新日:2020.06.12

タワーマンションを利用すると6億円の財産を非課税で贈与することができる?!

タワーマンションを利用すれば節税できると聞いたことはないでしょうか?朝日新聞の記事に6億円は非課税で贈与できると記事が出たことがあるのですが、本当にそんな方法があるのでしょうか?今回の記事では、タワーマンションでどうやって節税するのかをご紹介致します。

1、本当に6億円の財産を非課税で贈与出来るのか?

例を使ってご説明致します。

《例》

父から息子に6億円相続する例の図

父A/10億円の現金を保有

このお金から6億円分を息子Bに相続させたいけれど、税金はあまり払いたくない!

《論点》

相続税対策をしていない場合の図

もし、何も対策を取らなければ、息子が負担する相続税は約3億円

6億円を息子に渡すのに、3億円を相続税で支払わなければならないのは辛いので、節税したいがどうしたらよいのか?

《節税方法》

節税対策方法図

節税するための方法とは?父Aが、生前に6億円の現金を使って、6億円分タワーマンションを購入する。

この生前対策を父親がやっておけば、息子Bは、約3億円の税金を支払う必要がなくなります。

2、なぜ、タワーマンションを購入するだけで節税ができるのか?

節税の仕組みを知らなくてもよいから、とりあえず節税したいという方は、下記は読まずに、相続税専門の税理士に生前の節税対策を行ってもらうだけで大丈夫です。

これより下の文章は、節税の理由を知りたい!という方のみご覧ください。

節税の理由を理解する鍵は、『土地』『建物』の評価方法を知ることです。

(1)土地・建物の評価方法とは?

相続税、贈与税いずれを計算する際にも、下記を使って土地、建物を評価します。

土地と建物の評価方法

(2)土地を評価する『路線価』とは?

路線価は、土地を『実際に取引される金額』の80%で評価するという考え方です。

路線価について

『実際に取引される金額』=時価と考えるとよいでしょう。『実際に取引される金額』は、国土交通省が毎年発表しています。

(3)建物を評価する『固定資産税評価額』とは?

固定資産税評価額は、実際に新築で買った金額の、30%~50%となります。

固定資産税評価額について

下記の説明では、固定資産税評価額は平均値の40%と仮定してご説明致します。

(4)不動産を人に貸すと評価が下がる!

土地や建物を購入し、他人に貸した場合、さらに評価額が下がります。

不動産を人に貨した場合土地の評価額式

上記の算式は多少分かりにくいので、土地を他人に貸すと約20%評価額が下がると考えて下さい。

不動産を人に貸した場合の建物の評価額式

上記の算式でも分かる通り、建物を他人に貸すと約30%評価額が下がります。

なぜ土地や建物を他人に貸しただけで、さらに評価額が下がるのでしょうか。貸家建付地は、他人が住んでいるため、自由に土地の用途を変更したりできず、利用に一部制約を受けることになります。それが考慮がされて評価額が下がるのです。

(5)父親Aはタワーマンションを購入するために4億円の借金をする

息子Bにすぐにタワーマンションを渡すのではなく、まず父親Aが銀行から4億円を借ります。次に10億円で、高層タワーマンションを買って、他人に貸します。

算式は割愛しますが、

【土地の評価額】土地 約2億5,600万円 【建物の評価額】建物 約1億6,800万円 タワーマンションの評価額合計が4億2,400万円

つまり、10億円-4億2,400万円=5億7,600万円の評価額を下げることに成功しました。

タワーマンションを貸した場合の評価額式

【ポイント】

タワーマンションは、1階と50階では実務上で売買する金額は異なるでしょう。

上層階になるほど価値が上がるのが一般的です。

しかし、相続税や贈与税を計算するときの評価額は、全く面積が同じ物件であれば、1階も50階も同じになります。市場の販売価格が異なったとしても同じになるのです。

【ポイント】

50階のマンションの時価が10億円で、1階のマンションの時価が9億円だった場合、相続税や贈与税を計算する際の評価額はいくらになるか?どちらも4億2,400万円。これが相続税の評価です。

ただし平成29年に固定資産税についての法改正が行われたため、ゆくゆくは相続税にも影響がでてくるかもしれません!!

(6)父Aは、会社を設立してから息子Bへ

ここで一番大事になってくるのが、会社を作るということです。

上記(1)~(5)まででも多少は節税することができますが、もし会社を設立しなければ、まだまた多くの税金を取られてしまいます。

① 会社を作らないといくら税金をとられるのか?

会社をつくらない場合例

会社を作らずに息子が相続した場合

息子Bは父Aから評価額4億2,400万円のタワーマンションを相続

⇒ 約2億円の相続税

息子Bは父Aから評価額4億2,400万円のタワーマンションを生前贈与

⇒ 約2億円の贈与税

父も息子も税金を取られる!

② 会社を作ることで税金を取られなくできる?

会社を作った場合のポイント3つ

【ポイント1】

父Aは、資本金6億円で会社を設立してください。

さらに4億円を借りて、資本金と、借入金の合計を10億円にし、この10億円でタワーマンションを購入してください。

【ポイント2】

タワーマンションそのものを息子Bに贈与するのではなく、この会社の株を贈与してください。

【ポイント3】

息子Bへの生前贈与は、タワーマンションを購入してから3年超(4年目以降経過してから)にする。※3年以内に贈与した場合には、時価で評価することになっているからです。

(7)4年目以降に息子Bに株を贈与すると、贈与税は発生するのか?

不動産の価値は徐々に下がるため、4億2,400万円だったタワーマンションの評価額は、約4億円程度になります。少し返済はしているはずですが、借金も約4億円あることから、

タワーマンションの価値4億円 - 借入金4億円 = ゼロ

つまり、会社の株式の評価額はほぼゼロとなります。

ここで父Aが息子Bに生前贈与することで、息子Bが株主となります。贈与税はゼロで株を息子に移行することができます。

(8)最後に不動産売却

最後に、会社で保有するタワーマンションを10億で売却し、借金4億円を返済することで、6億円の現金が手元に残ります。

3、税務上この節税方法は問題ないのか?

すぐに不動産を売却した場合には、課税逃れだったとして税金をとられるリスクがあります。税務調査が入り税金を取られた事例もあります。

では、課税されないために何が必要かというと、

しばらく所有して、賃貸事業を行った後に売却することで、ほぼゼロにさせることはできるでしょう。理論上は、4年以上経過した後に会社を贈与すればよいはずですが、税務調査で課税された事例もあります。息子Bは長期的に保有した後に売却することで、課税を逃れることができるでしょう。

つまり、最近タワーマンション節税ができなくなるのでは?と騒がれ始めましたが、ちゃんと要件を満たせば節税ができるということです。

もちろん時間がかかり、多少面倒なところもあるので、実行するのは中々大変です。しかし多額のお金を保有している方にとっては大幅な節税となりますので、おすすめの方法ではないでしょうか。

まとめ

タワーマンションによる節税は、相続税専門の税理士と協力して対策を取らなければ失敗する可能性がありますので、興味のある方は税理士に相談してから検討すると良いでしょう。

上記以外の節税については、下記を参照ください。

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生前の節税対策となる6つの贈与税の非課税枠とは?

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