「時効っていつ?」
「申告してないことが見つかったりしないの?」
1. 贈与税の時効とは何か?
贈与税が課税される贈与をしたにもかかわらず、贈与税を支払わなくてもよくなる日のことを、贈与税の時効と呼びます。
贈与税の時効は、贈与を受けた年の翌年3月15日から6年間です。贈与した時点から6年が経過すれば、税金を支払わなくて良くなります。
ただし6年という時効は、知らないうちに贈与していて、申告することを忘れていた場合です。悪質な場合には1年が追加され、7年が時効となります。
(注意点)
故意で申告せずに、贈与税を支払わなかった場合には、1年間延長されるため6年+1年=7年が時効となります。 何も知らずに贈与することは基本的には考えにくいので7年が時効となるケースが多いと言われております。 |
例えば、一郎さんは、鈴木太郎くんに3,000万円を贈与したとします。
本来は、贈与した金額から基礎控除(110万円)を差し引いた金額に対して税金がかかりますが、故意的に申告をしなかったとします。
2. 申告しなくて税務署にばれないのか?
基本的に、税務署に贈与が見つかることはないはずです。生活費や仕送りをたくさん支払っていても、贈与税はかかりませんよね。
例えば、給料から生活費として妻の通帳にお金を振り込んだり、お子さんが医学部の学生で学費として年間500万円以上支払っていたとしても、贈与税はからないですよね?
つまり、通帳から妻や子供、両親の通帳にお金が振り込まれただけで、突然、税務署が贈与だと言ってくる可能性は低いです。
税務署は、振り込まれたお金のうち、どれが贈与されたものなのか判断できないのです。
では、贈与は見つからないと考えておいて良いのでしょうか?
もちろんそんなことはありません。
「相続」の際に見つかってしまいます。
なぜなら相続税の申告をすると、税務調査が入る可能性が高いからです。
相続税の申告をしなければならない方は100人中4人~8人程度と言われています。
そのため所得税や法人税と比較すると分母が小さいので、相続税は税務調査に入られやすいと言われています。
納得できない方が多いので裁判になることもあるのですが、ほとんど勝てないと言われています。
3. 名義預金と言われないようにするために必要なこととは?
税務署から名義預金と言われないようにするためには、どのような方法をとっておく必要があるのでしょうか?
それは、贈与契約書を作成し、贈与税の申告を毎年しておけばよいのです。
しっかり贈与したことが証明できれば、名義預金として相続税の計算上加算されることは、防ぐことができます。生前贈与は上手に利用すれば、確実に相続税を安くすることができるのです。
しかし、税務署に否認されてしまっては、全く意味がなくなります。そのためにも、贈与契約書を作成し、申告することが大事になってきます。
上記以外の方法として、保険を上手く利用した事例をご紹介致します。
私が以前、大手の生命保険会社の営業マンに提案された方法です。
親が、子供に115万円を贈与する(お金をあげる)とします。
贈与額が115万円とすると、115万円-110万円(基礎控除)=5万円超過
(この超過額は贈与税がかかるようわざと超過させております)
この超過額5万円に対して支払う税金は、10%の5,000円です。納税は手間がかかりますが、5,000円を支払います。
つまり、贈与税の申告書をわざわざ作成して5,000円を納税することで、申告書もあることから、贈与したという事実認定がなされます。
贈与税の申告書は、下記のPDFや関連記事を見ていただければ、簡単に作成できます。分からなければ、税務署に問い合わせれば教えてもらえます。
一度作成すれば毎年同じものを作るだけです。コピーをしっかりとっておけば、2年目以降はあまり手間ではないと思います。
この保険のスキームを組めば、名義預金と判定されることはないでしょう。
4. まとめ
贈与税の時効の成立は、基本的に6年間です。時効の成立により税金が安くなるという可能性は非常に低いです。
名義預金と判定されて結果的に相続税を過大に取られるといった事例が多く見受けられますので、早い段階で対策を打つようにしておきましょう。
贈与契約書の作成や、保険に加入することで対策が取れますので、検討してみてください。難しい部分がありましたら、相続専門の税理士にお聞きいただくことが重要ではないでしょうか?
また、相続税を5年以内に支払った方や、税務調査が入ってしまい追加で税金を支払った方は、還付の申告をすればお金が戻ってくる可能性があります。
この記事の監修者