相続税の計算をするには自宅の土地、建物など不動産の評価額を出す必要があります。今回は、不動産の評価方法について紹介します。
▶前の相続のキホンは「相続税はどうやって計算するの?~相続税計算のキホン【2】」
家は固定資産税評価額で評価
相続税を計算する時には、不動産も評価額を出して計算する必要があります。実際に売買する時の実勢価格ではありません。自宅不動産を計算する場合には、建物と土地それぞれの評価額を出す必要があります。
建物は被相続人が亡くなった年の「固定資産税評価額」で評価します。市町村役場などで「固定資産税評価証明書」を入手すればわかります。
土地は「路線価」と「倍率」方式で計算
土地の相続税評価額を出す方法は、相続する土地の種類や所在地によって異なります。
市街地などで路線価が決まっている地域は「路線価方式」で、それ以外の地域では「倍率方式」で計算します。
路線価は毎年7月に公表
路線価方式は、毎年7月に国税庁が発表する「路線価」を基にして土地の評価額を算出する方法です。路線価は、道路に面した土地1平方メートルあたりの価額を1,000円単位で表示しています。
この路線価に土地の面積をかけて計算します。
路線価は国税庁のホームページで公開されています。
倍率方式は固定資産税評価額に倍率をかけて計算
一方、倍率方式は固定資産税評価額に倍率をかけて計算します。倍率は国税庁が定める「評価倍率表」で確認できます。
倍率方式の計算式=固定資産税評価額×倍率=評価額
土地の評価の計算方法は、土地の形が成形地の場合の単純な計算式です。
土地の形が、細長かったり、間口が狭かったりすると、評価額はさらに減額できる可能性があり、同じ土地でも計算方法によって評価額が変わる可能性があります。
高く設定してしまうと、相続税を払いすぎてしまう可能性がありますし、一方で評価額を低くしすぎると税務調査を受ける恐れがあります。
土地の評価は、相続の実績が豊富な税理士に依頼することで、適正な価格で相続税申告をしてもらうことができます。
土地の価格が争いの火種に!?
相続の遺産分割協議の場で、簡単に分けることができない土地をどう分けるのかは協議が難航する原因の一つになります。また、相続する人が決まったとしても、その土地の評価も、もめる原因になる恐れがあります。
相続する人は、なるべく低くしようと「固定資産税評価額」で評価しようとしますし、一方、土地を相続しない人は「実勢価格」で評価すべきだというでしょう。
遺産の分け方を決めた後でも、その財産の評価額をめぐって争いがおこる可能性があるので、相続人同士でどの評価額で見積もるのかも決めておきましょう。
相続する不動産の評価については、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひ、お読みください。
▶固定資産税評価額と相続税評価額の違いとは?評価額の確認・計算方法
▶次の相続のキホンは「子どもより配偶者が多く相続すると節税できる?~相続税計算のキホン【4】」
この記事の監修者:土肥 隆宏(どひ・たかひろ)
ミカタ税理士法人
執行役員CTO/資産コンサルティング事業部統括部長
2010年税理士登録(登録番号117471 簿・財・法・相・消)
地主等の不動産オーナー、会社経営者、ドクター、投資家等まで含めて幅広い方のご相続の申告に対応可能です。ご相続発生後は実施可能な節税対策が少ないといわれていますが、できうる最善のご提案をさせて頂きます。
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この記事の執筆者:つぐなび編集部
この記事は、株式会社船井総合研究所が運営する「つぐなび」編集部が執筆をしています。
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