相続税の計算は、相続税の対象となる課税遺産総額を求めた後、相続人それぞれの相続税がいくらになるのかを計算していきます。今回は、相続人ごとの相続税を計算する方法を紹介します。
▶前の相続のキホンは「相続税がかかる財産「課税遺産総額」はどうやって計算するの?~相続税計算のキホン【1】」
目次
全員の相続税額を求めてから各人の税額を計算
相続税がかかる財産「課税遺産総額」を求めたら、各相続人ごとの相続税額を求めていきます。
父が亡くなり、配偶者(母)、子2人の計3人が相続人となるケースで計算してみましょう。今回のケースでは、正味の遺産額1億4,000万円から、相続人3人の基礎控除額4,800万円を差し引た課税遺産総額が9,200万円として計算します。
相続税額も課税遺産総額と同様に、4つのステップに分けて計算していきます。
ステップ1.課税遺産総額に各相続人の法定相続分をかける
今回のケースでは、法定相続分通りに母が2分の1、子が2分の1をそれぞれ等分して4分の1ずつを相続するものとして計算します。
母:9,200万円×1/2=4,600万円
子:9,200万円×1/4=2,300万円
ステップ2.ステップ1に相続税率をかけて控除額を引く
ステップ1で求めた金額に、相続税率をかけて、控除額を引きます。
母:4,600万円×税率20%ー控除額200万円=720万円
子:2,300万円×税率15%ー控除額50万円=295万円
相続人全員の税額の合計=720万円+295万円×2人=1,310万円
ステップ3.相続税の総額を実際の相続割合で分ける
ステップ2で求めた相続人全員の相続税の合計1,310万円を、実際の相続割合に応じてわけます。
母:1,310万円×1/2=655万円
子:1,310万円×1/4=327万5,000円
ステップ4.税額控除を適用して実際の納税額を求める
ステップ3で求めた税額に、税額控除を適用します。今回のケースでは、配偶者(母)に配偶者控除が適用できるので、相続税額は0円になります。
税額控除を適用する場合には、税額が0円になっても、相続税の申告は必要である点に注意が必要です。
それぞれの相続税額は以下の通りになります。
配偶者:配偶者の税額控除を適用するため0円(申告は必要)
子1:327万5,000円
子2:327万5,000円
この手順を踏んで相続税を計算していきます。相続税は取得する遺産額によって税率や控除額が違います。詳細な計算は税理士に相談して進めるようにしましょう。
相続税を計算する流れについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひ、お読みください。
▶相続税はいくらまで無税? 基礎控除と相続税を計算する流れを解説
▶次の相続のキホンは「家や土地の価格はどうやって求めるの?~相続税計算のキホン【3】」
この記事の監修者:土肥 隆宏(どひ・たかひろ)
ミカタ税理士法人
執行役員CTO/資産コンサルティング事業部統括部長
2010年税理士登録(登録番号117471 簿・財・法・相・消)
地主等の不動産オーナー、会社経営者、ドクター、投資家等まで含めて幅広い方のご相続の申告に対応可能です。ご相続発生後は実施可能な節税対策が少ないといわれていますが、できうる最善のご提案をさせて頂きます。
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この記事の執筆者:つぐなび編集部
この記事は、株式会社船井総合研究所が運営する「つぐなび」編集部が執筆をしています。
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