相続税はどうやって計算するの?~相続税計算のキホン【2】

更新日:2024.10.15

相続税はどうやって計算するの?~相続税計算のキホン【2】

相続税の計算は、相続税の対象となる課税遺産総額を求めた後、相続人それぞれの相続税がいくらになるのかを計算していきます。今回は、相続人ごとの相続税を計算する方法を紹介します。

▶前の相続のキホンは「相続税がかかる財産「課税遺産総額」はどうやって計算するの?~相続税計算のキホン【1】

全員の相続税額を求めてから各人の税額を計算

相続税がかかる財産「課税遺産総額」を求めたら、各相続人ごとの相続税額を求めていきます。

父が亡くなり、配偶者(母)、子2人の計3人が相続人となるケースで計算してみましょう。今回のケースでは、正味の遺産額1億4,000万円から、相続人3人の基礎控除額4,800万円を差し引た課税遺産総額が9,200万円として計算します。

相続税額も課税遺産総額と同様に、4つのステップに分けて計算していきます。

ステップ1.課税遺産総額に各相続人の法定相続分をかける

相続税計算のステップ1

今回のケースでは、法定相続分通りに母が2分の1、子が2分の1をそれぞれ等分して4分の1ずつを相続するものとして計算します。

母:9,200万円×1/2=4,600万円

子:9,200万円×1/4=2,300万円

ステップ2.ステップ1に相続税率をかけて控除額を引く

相続税計算のステップ2

ステップ1で求めた金額に、相続税率をかけて、控除額を引きます。

母:4,600万円×税率20%ー控除額200万円=720万円

子:2,300万円×税率15%ー控除額50万円=295万円

相続人全員の税額の合計=720万円+295万円×2人=1,310万円

ステップ3.相続税の総額を実際の相続割合で分ける

相続税計算のステップ3

ステップ2で求めた相続人全員の相続税の合計1,310万円を、実際の相続割合に応じてわけます。

母:1,310万円×1/2=655万円

子:1,310万円×1/4=327万5,000円

ステップ4.税額控除を適用して実際の納税額を求める

相続税計算のステップ4

ステップ3で求めた税額に、税額控除を適用します。今回のケースでは、配偶者(母)に配偶者控除が適用できるので、相続税額は0円になります。

税額控除を適用する場合には、税額が0円になっても、相続税の申告は必要である点に注意が必要です。

それぞれの相続税額は以下の通りになります。

配偶者:配偶者の税額控除を適用するため0円(申告は必要)

子1:327万5,000円

子2:327万5,000円

この手順を踏んで相続税を計算していきます。相続税は取得する遺産額によって税率や控除額が違います。詳細な計算は税理士に相談して進めるようにしましょう。

相続税を計算する流れについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひ、お読みください。
▶相続税はいくらまで無税? 基礎控除と相続税を計算する流れを解説

▶次の相続のキホンは「家や土地の価格はどうやって求めるの?~相続税計算のキホン【3】


この記事の監修者:土肥 隆宏(どひ・たかひろ)

ミカタ税理士法人
執行役員CTO/資産コンサルティング事業部統括部長

ミカタ税理士法人土肥さん

2010年税理士登録(登録番号117471 簿・財・法・相・消)
地主等の不動産オーナー、会社経営者、ドクター、投資家等まで含めて幅広い方のご相続の申告に対応可能です。ご相続発生後は実施可能な節税対策が少ないといわれていますが、できうる最善のご提案をさせて頂きます。
また、ご相続後の2次相続を考慮したアドバイス、生前贈与、遺言、生命保険等の金融商品知識も豊富ですので安心してお任せください。

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この記事の執筆者:つぐなび編集部

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