相続税は、故人の財産の中から基礎控除や借り入れなどマイナスの財産を差し引いて計算していきます。今回は、相続税を計算する前段階となる相続税の課税遺産総額を計算する方法を紹介します。
▶前の相続のキホンは「生命保険の死亡保険金も相続財産になる?~相続税のキホン【4】」
遺産総額からマイナスの財産や基礎控除を差し引く
相続税がかかる財産は、課税遺産総額といいます。
課税遺産総額は、現金や預貯金、株式、実家不動産など、プラスの財産を足し合わせただけでは計算することはできません。相続税がかかる財産を計算する方法を4つのステップに分けて紹介します。
ステップ1.プラスの財産の総額を求める
現金や預貯金、不動産、株式などの有価証券、自動車や貴金属などの動産など、プラスの財産に加え、保険金や死亡退職金など「みなし相続財産」も加えて計算します。
さらに、生前に贈与された財産のうち、相続時精算課税制度を適用した場合には、その金額も財産に加えます。
ステップ2.マイナスの財産などを差し引く
ステップ1で求めた財産の総額から、借入金などのマイナスの財産、葬式費用、生命保険の死亡保険金や死亡退職金から非課税額(500万円×法定相続人の数)を差し引いて遺産額を求めます。
ステップ3.贈与の持ち戻し分を加える
遺産額に相続の開始3~7年以内に贈与された財産を加えます。これを正味の遺産額といいます。
ステップ4.基礎控除を引く
正味の遺産額から相続税の基礎控除額(3,000万円+(600万円×法定相続人の数)を引いた金額が「課税遺産総額」となります。
▶基礎控除の計算方法はこちらでも詳しく紹介しています「我が家は相続税がかかる?相続税のキホン【1】」
ステップ4で出た金額が、相続税の対象となる財産として相続税の計算をしていきます。ステップ4で課税遺産総額が0円になれば、相続税はかかりません。
相続税を計算する流れについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひ、お読みください。
▶相続税はいくらまで無税? 基礎控除と相続税を計算する流れを解説
▶次の相続のキホンは「相続税はどうやって計算するの?~相続税計算のキホン【2】」
この記事の監修者:土肥 隆宏(どひ・たかひろ)
ミカタ税理士法人
執行役員CTO/資産コンサルティング事業部統括部長
2010年税理士登録(登録番号117471 簿・財・法・相・消)
地主等の不動産オーナー、会社経営者、ドクター、投資家等まで含めて幅広い方のご相続の申告に対応可能です。ご相続発生後は実施可能な節税対策が少ないといわれていますが、できうる最善のご提案をさせて頂きます。
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この記事の執筆者:つぐなび編集部
この記事は、株式会社船井総合研究所が運営する「つぐなび」編集部が執筆をしています。
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