借金も相続しないといけないの?~相続のキホン【6】

更新日:2024.10.03

借金も相続しないといけないの?~相続のキホン【6】

▶前の相続のキホンは「相続する「財産」ってどんな財産?~相続のキホン【5】

マイナスの財産が多い場合は相続放棄を検討

相続財産には借り入れや未払い金など、マイナスの財産も含まれます。 プラスの財産よりマイナスの財産の方が多ければ、その分を相続人が肩代わりしなければなりません。マイナスの財産を相続したくない場合には、相続放棄を検討しましょう。

相続放棄は、相続人が被相続人の相続財産を一切受け取らない手続きです。 相続放棄をすると、その相続人は初めから相続人でなかったものとみなされるので、相続財産を受け取る権利や、借金などを支払う義務もなくなります。

相続放棄の手続きは3カ月以内にする

相続放棄の手続きは、家庭裁判所に申立てをする必要があります。

この申立ては、相続人が相続の開始を知った時、多くの場合は被相続人が亡くなったことを知った時から3カ月以内にする必要があります。

3カ月以内に相続放棄の手続きをしない場合、相続する意思があるものとされます。ただし、やむを得ない事情がある場合には、この期間の延長を家庭裁判所に申し立てることもできます。

相続放棄をすると次の順位の人に相続権が移る

相続放棄をすると、その相続人は初めから相続人でなかったものとされるため、次の順位の相続人が相続人として相続することになります。

次の順位の人が思わぬ形で相続人になることで、トラブルにつながる恐れがあります。相続放棄をする場合には、次の順位の相続人にも予め伝えておいた方がよいでしょう。

また、相続放棄が認められると、その後の撤回は原則としてできません。したがって、相続放棄の手続きをする前に、慎重に検討する必要があります。

プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐ限定承認

相続をする方法には、ほかにプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐ「限定承認」という手続きもあります。

例えば、プラスの財産が3,500万円、借り入れなどマイナスの財産が4,500万円ある場合、残る1,000万円のマイナスを相続しなくてよい仕組みです。

相続放棄、限定承認、単純承認

限定承認も3カ月以内に家庭裁判所に申し立てる必要があります。 相続放棄は相続人1人でも手続きできるのに対し、限定承認は相続人全員で手続きをする必要があります。

反対の人がいる場合には、相続放棄をしてもらうなど、相続人同士で話し合う必要があり、注意が必要です。

相続放棄を検討する場合にも、相続財産を正しく認識する必要があります。 また、相続開始から3カ月以内に手続きをする必要があることから、早めに専門家に相談することをお勧めします。

▶次の相続のキホンは「相続財産がひと目でわかる財産目録の作り方は?~相続のキホン【7】


この記事の監修者:土肥 隆宏(どひ・たかひろ)

ミカタ税理士法人
執行役員CTO/資産コンサルティング事業部統括部長

 

ミカタ税理士法人土肥さん

2010年税理士登録(登録番号117471 簿・財・法・相・消)
地主等の不動産オーナー、会社経営者、ドクター、投資家等まで含めて幅広い方のご相続の申告に対応可能です。ご相続発生後は実施可能な節税対策が少ないといわれていますが、できうる最善のご提案をさせて頂きます。
また、ご相続後の2次相続を考慮したアドバイス、生前贈与、遺言、生命保険等の金融商品知識も豊富ですので安心してお任せください。

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この記事の執筆者:つぐなび編集部

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